①野付半島(北海道別海町)
冬の、果てしなく続く真っ平な雪の地平。砂漠じゃなくて雪漠と呼びたくなる。じっと見ていると、ときおり背後をエゾシカが通り過ぎ、頭上の空をオオワシが飛んでいく。〈編集長Y〉
●野付(のつけ)半島へは
中標津空港から車50分(野付半島ネイチャーセンター)
②尻場山からの“積丹ブルー”(北海道余市町)
絶景って「確信絶景」と「思いがけない絶景」があると思う。こちらはまさに後者。樽前山が目的の旅だったけど、ちょっと寄り道的に登った尻場山(しりぱやま)がすごかった。山頂から少し行ったところから、目にも鮮やかな“積丹(しゃこたん)ブルー”が! 〈副編集長H〉
●尻場山へは
JR函館本線余市駅から車10分(登山口)。絶景ポイントまで徒歩約1時間
③御座石神社(秋田県田沢湖町)
田沢湖畔に佇む神社。レストハウスでレンタサイクルを借りて行くといいです。最初は深い藍色をしていた湖が、だんだんと色を変え、この神社の前に辿り着く頃には透明なエメラルドグリーンに。刻々と変わりゆく“田沢湖ブルー”を体感してみて! 〈編集部T〉
●御座石(ござのいし)神社へは
秋田県仙北市西木町桧木内相内潟1
秋田新幹線田沢湖駅から車16分
④西馬音内盆踊り(秋田県羽後町)
学生の頃からずっと憧れていて、一度は見てみたかった西馬音内(にしもない)盆踊り。なんの縁か、呼ばれたのか、秋田に義実家ができたことで、意外とすんなり見ることができた。かがり火の前で踊る女性たちの所作や端縫い(はぬい)の着物の美しいこと。写真では伝わらない絶景だ。〈副編集長H〉
●西馬音内盆踊り会場へは
秋田県羽後町西馬音内本町通り
JR奥羽本線湯沢駅から車15分
毎年8月16~18日開催
⑤飯豊温泉(山形県小国町)
国道から横道にそれて飯豊(いいで)山方面に南下していった、谷間のどん詰まり。鉄分多めの茶色い素晴らしい温泉がある。ここからは深い山に入っていくのみ、というどん詰まり感がたまらなくいい集落とその風景。〈編集長Y〉
●飯豊温泉へは
JR米坂線小国駅からバス35分の飯豊梅花皮荘下車など
⑥安達太良山(福島県二本松市ほか)
荒涼とした活火山の美しさを教えてくれた思い出の山。日帰りも十分可能ですが、『くろがね小屋』(2024年12月現在休業中。2025年度にリニューアルオープン予定)に1泊し、早朝に爆裂火口を見て、人が増える前にとっとと下山するのがおすすめ。麓にある『奥岳の湯』の絶景露天風呂に浸かるのもお忘れなく。〈編集部T〉
●安達太良山(あだたらやま)へは
JR東北本線二本松駅から車25分の奥岳下車(奥岳登山口)。山頂まで徒歩約1時間20分(ロープウェイを利用)
⑦見沼田んぼの桜廻廊(埼玉県さいたま市)
総延長20km以上を誇る、日本一の長さの桜廻廊。都内の桜スポットはどこも混んでいてうんざりするけれど、ここは毎年ガラガラ。駅前でお弁当を買って、レジャーシートを敷いてそのへんの川原で食べるのが◎。〈編集部T〉
●見沼田んぼの桜廻廊へは
JR東北本線さいたま新都心駅下車など
⑧一色海岸(神奈川県葉山町)
個人的に一番好きな海岸&夕日スポット。富士山もきれいに見える。逗子(ずし)以西の海岸は混んでいるけど、ここは真夏でも落ち着いた雰囲気。葉山御用邸がある海岸である。〈編集長Y〉
●一色海岸へは
JR横須賀線逗子駅からバス20分の一色海岸下車、徒歩2分
⑨倉見山からの富士山(山梨県都留市)
富士山が見える山が好きなので、富士山そのものには興味がない。富士見の山はいろいろあるが、雨女の私にはハードルが高く、なかなかお目にかかれないのだ。そんななか、バッチリ富士見できたのが倉見山。下山途中、裾野までしっかり見えてうれしかったなぁ。〈副編集長H〉
●倉見山へは
富士急行東桂駅から徒歩20分(登山口)。山頂まで徒歩約2時間
⑩『美麻珈琲』(長野県大町市)
中山高原の中に佇むコーヒー店。藁のブロックでつくられたストローベイルハウスで過ごすひとときはどこか別の世界にいるようで、特別なトリップ感が味わえます。なかでもおすすめなのは春先。店の前の丘に雪解け水が溜まることで、この時期限定の“幻の池”が現れるのです。〈編集部K〉
●『美麻(みあさ)珈琲』へは
長野県大町市美麻14902-1
JR大糸線信濃大町駅から車16分
月~金の10:00~17:00営業、テイクアウト可
※幻の池は出現しない年もあります。
⑪車山頂上からの日の出と月没(長野県茅野市・諏訪市)
コロナ禍前は日の出前にリフトでも山頂に上ることができた。富士山に、北・中央・南アルプスほか山々に囲まれた360度の大パノラマのなかで、満月が山の向こうに沈む様子と、その真反対から日が昇る様子を目にして大感動。〈編集長Y〉
●車山へは
JR中央本線茅野駅から車36分(車山肩駐車場)。山頂まで徒歩約40分
※現在、日の出前のリフトの営業はありません。
⑫爪木崎(静岡県下田市)
ちょうどスイセンが咲く時期(12~1月)に行くことができて、白い灯台とスイセン、青い海のコントラストに惚れ惚れしました。とにかく海がびっくりするほど澄んでいるので、今度は夏に訪れてシュノーケリングしてみたいな~。〈編集部T〉
●爪木崎(つめきざき)へは
伊豆急行下田駅からバス22分の爪木崎下車すぐ
⑬桃太郎神社(愛知県犬山市)
桃太郎といえば完全に岡山県のイメージですが、実は愛知県にもゆかりあり。桃太郎一味や鬼のコンクリート彫刻は同県出身の浅野祥雲作。なんともいえない哀愁漂う表情に、一度見たら虜になってしまうこと間違いなし。お隣・岐阜県の関ケ原ウォーランドでも祥雲さんの作品がたくさん見られるので、あわせて楽しんで! 〈編集部O〉
●桃太郎神社へは
愛知県犬山市栗栖大平853
名鉄犬山遊園駅から車5分
⑭朝霧の森(岐阜県飛騨市)
何十種類もの薬草が生育している森。さわやかだったり、甘かったり、ピリッと刺激的だったり……。豊かな緑を眺め、いろいろな薬草の香りに囲まれて森林浴をしているうちに、体から毒素が抜けていくような気持ちになります。散策のおともに、クロモジ茶を自分で煮だして持っていくのもおすすめ。〈編集部K〉
●朝霧の森へは
岐阜県飛騨市古川町黒内1411
JR高山本線飛騨古川駅から車15分
⑮学びの森(岐阜県各務原市)
公園好きならぜひ行ってほしい。岐阜大学跡地を整備した公園で、緑と水があって、とにかく広くて、ぼーっとしがいのある芝生と歩きがいのある銀杏並木がある。青空がすごく広く見える、日常の中の絶景。マルシェイベントの日に公園内がぱっとにぎやかになるのも好き。〈編集部O〉
●学びの森へは
岐阜県各務原市那加雲雀町10-4
名鉄各務原線市民公園前駅から徒歩5分
⑯『味園ユニバース』(大阪府大阪市)
1950年代にキャバレーとして開店した、ミナミのシンボル・味園ビル。現在、地下はライブホールとして利用されている。天井から吊るされた惑星みたいなオブジェ、ステージ背後のカラフルな電灯、客席にはキャバレー時代のソファ席が置かれていたり、とにかく特別な夜になる場所。2025年春で取り壊し予定なので、急いで! 〈編集部O〉
●『味園(みその)ユニバース』へは
大阪府大阪市中央区千日前2-3-9 味園ユニバースビルB1
大阪メトロ御堂筋線なんば駅から徒歩3分
⑰川湯温泉(和歌山県田辺市)
熊野川の支流・大塔川の河原を掘ると、温泉が湧き出る全国でも珍しい天然露天風呂。風呂のすぐ目の前に青々とした山と川が広がり、自然と一体となっているような気分が味わえます。〈編集部K〉
●川湯温泉へは
JR紀勢本線紀伊田辺駅からバス2時間の川湯温泉下車
⑱『百年記念館』から見る神戸市街(兵庫県神戸市)
六甲山、摩耶山、ロープウェイなど、神戸市街地を見下ろす絶景スポットは数知れず。ですが、意外とここは知られていないのでは? 六甲山上展望台と比べると600m以上も標高は低いけれど、だからこそ阪急、JR、阪神の3路線が並走する様子が見えたり、人口島の細部もばっちり見えたり。〈編集部O〉
●『百年記念館』へは
兵庫県神戸市灘区六甲台町1-1
阪急神戸線六甲駅からバス15分の神大文理農学部前下車、徒歩5分
⑲田後公園展望台(鳥取県岩美町)
テレビアニメ『Free!』のロケ地になっている岩美町。青い海、奇岩に岩礁、風情ある漁港・漁村の景色、アニメの聖地巡礼者にも等しくあったかい町の人々……。何回来てもいいところだなとしみじみ思います。なかでも、ぜひ訪れてほしいのが田後(たじり)公園展望台。アニメでも印象的な場面で登場します。とにかく眺望が最高です。〈編集部T〉
●田後公園展望台へは
鳥取県岩美町田後509
JR山陰本線岩美駅からバス12分の田後下車すぐ
⑳投入堂(鳥取県三朝町)
遥拝所からも眺められるそう(そこからは見たことがない)だが、ここはぜひ登山を。最初は予備知識なしに行ったので、こんなに登るなんて聞いてない……状態だった。でも、それが逆によかったのかも。最後の最後まで姿を見せないお堂を目にしたときの感動ったら。〈副編集長H〉
●投入堂(なげいれどう)へは
鳥取県三朝町三徳1010(三徳山三佛寺)
JR山陰本線倉吉駅からバス34分の三徳下車、徒歩約1時間30分
㉑真っ赤に染まるマツダスタジアム(広島県広島市)
7回のカープ攻撃前、スカイジェットバルーンが舞う光景は圧巻。コロナ禍は飛ばせなくて寂しかったが、あの真っ赤な世界が戻ってきた! ビジターチームはきっとコワいと思う。スタジアムからは広島駅を発着する新幹線や在来線が見え、観戦中にドクターイエローが通ったときは大興奮。〈副編集長H〉
●マツダスタジアムへは
広島県広島市南区南蟹屋2-3-1
山陽新幹線広島駅から徒歩12分
㉒琴林公園からの瀬戸内海(香川県さぬき市)
白砂と青い海が美しい……だけじゃないのは、瀬戸内海だから。目線の先にぽこぽこ島が浮かんでいる光景は、やっぱり本州で過ごしてきた身としては不思議でうれしい、せとうちらしさを感じる景色。付近の路地裏エリア・ウラツダには、おいしいピザやドーナツ店もあるので、あわせて歩いてみるのもおすすめ。〈編集部O〉
●琴林(きんりん)公園へは
JR高徳線讃岐津田駅から徒歩10分
㉓若戸大橋(福岡県北九州市)
絶景というより私の好きな風景。帰ってきたと思わせてくれる景色がここ。洞海湾に架かる赤い橋は、昼間も目立ってカッコいいが、ライトアップされるとさらに格上げ。皿倉山からも、工場夜景と一緒に見られるのでおすすめ。北九の人はみんな好きだと思う。〈副編集長H〉
●若戸大橋へは
JR鹿児島本線戸畑駅から徒歩10分
㉔鹿児島空港(鹿児島県霧島市)
搭乗ゲート内、航空展示室などに、ハーマンミラー社のイームズ・シェルチェアがずらり約700脚並ぶ空港。イームズ夫妻がデザインした名作イスがこんなにも! と驚くとともに、老若男女が旅のウキウキ感をもちながら座っている景色にぐっときます。〈編集部K〉
●鹿児島空港へは
鹿児島県霧島市溝辺町麓822
九州新幹線鹿児島中央駅からバス38分
㉕座喜味城跡(沖縄県読谷村)
地元の人にとても気持ちがいいから行ってみて、と言われたところ。不思議な曲線を描く城壁が緑に輝く芝生の上で大きくうねっている様子が素晴らしい。城の中に入るとふと空気が変わった感じがする。ここで見る星空もまたすごいらしい。〈編集長Y〉
●座喜味(ざきみ)城跡へは
沖縄県読谷村座喜味708-6
那覇空港から車1時間20分
㉖久高島(沖縄県南城市)
創生の神アマミキヨが天から降り立った島とされる聖なる島。古(いにしえ)から大切に守られてきた自然や史跡が多数残っているので、どこを切り取っても美しいです。訪れる際は、島のルールをしっかりと守ろう。〈編集部K〉
●久高島へは
那覇空港から車1時間の安座真港で高速船に乗り換え15分
文・写真=『旅の手帖』編集部