みんなの憧れ、古社二強の戦い

日本人ならば誰もが「一生に一度は行きたい!」と考える神社仏閣が名を連ねました。伊勢神宮や出雲大社は神話などとも関連する地でもあり、「神さまが身近に感じられる」「神聖な空気を吸ってみたい」といった意見も多数見られます。一般的には、そこまでメジャーではないと思われる鵜戸神宮がベスト10入りしたたところに本誌読者らしさが。強いと思っていた京都は清水寺、金閣寺(鹿苑寺)、銀閣寺(慈照寺)、平等院、天龍寺など、票がばらけてしまいました。しかし、古都の底力はやっぱりすごい。

【第10位】鵜戸神宮(宮崎県日南市)

日向灘に面した風光明媚な神社。朱塗りが鮮やかな本殿は、鵜戸崎岬の突端にある洞窟の中に鎮座する。

☆アンケートの声…「南国の雰囲気があり、ロケーションが素晴らしい」「今度訪れた際は“運玉”を命中させたい」

 

奇石が連なり、荒波が押し寄せる風景も見どころ。
奇石が連なり、荒波が押し寄せる風景も見どころ。

【第9位】鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)

鎌倉のシンボルの一つで、源頼朝がこの地における武家政権の象徴として創建。幕府の精神的支柱として崇敬を集めた。

☆アンケートの声…「本宮から望む、若宮大路と鎌倉の町並みが素晴らしい!」「流鏑馬神事をみてみたい」

 

上宮へ続く大石段は源実朝暗殺の舞台といわれている。
上宮へ続く大石段は源実朝暗殺の舞台といわれている。

【第8位】明治神宮(東京都渋谷区)

大正9年(1920)創建。明治天皇と昭憲皇太后を祀る。森林浴気分で散策するのも気持ちよい空間。

☆アンケートの声…「都会の中にあって静寂に包まれる、厳かな空気がいい」「緑豊かで気持ちがいい」

木造の明神鳥居としては日本一の高さを誇る高さ12mの大鳥居。
木造の明神鳥居としては日本一の高さを誇る高さ12mの大鳥居。

【第7位】太宰府天満宮(福岡県太宰府市)

全国約1万社の天満宮の総本宮。学問・文化・芸術・厄除けの神様として親しまれる、天神さま(菅原道真公)を祀る。

☆アンケートの声…「花より団子な理由だが、境内の茶店で食べた焼きたての梅ヶ枝餅のおいしさといったら!」「春先に咲く梅の艶やかなピンク色が忘れられない」

楼門は太鼓橋側からは屋根が2層、御本殿側からは1層に見え、表と裏で形が異なる。(提供:太宰府天満宮)
楼門は太鼓橋側からは屋根が2層、御本殿側からは1層に見え、表と裏で形が異なる。(提供:太宰府天満宮)
菅原道真の薨去から1125年の節目を迎える2027年に向け、重要文化財の本殿は124年ぶりの大改修中(2023年12月時点)。改修期間の3年間限定でお詣りができる仮殿のデザインにも注目。(提供:太宰府天満宮)
菅原道真の薨去から1125年の節目を迎える2027年に向け、重要文化財の本殿は124年ぶりの大改修中(2023年12月時点)。改修期間の3年間限定でお詣りができる仮殿のデザインにも注目。(提供:太宰府天満宮)

【第6位】善光寺(長野県長野市)

古くから「遠くとも 一度は詣れ 善光寺」とうたわれる。特定の宗派に属さずすべての人々を受け入れる寺として全国に知られている。

☆アンケートの声…「山々に囲まれた豊かな自然、本尊、お戒壇巡り、経蔵など魅力が多い」「神秘的で何度訪れてもまた行きたくなる」

本堂は高さ約27m、開口約24m、奥行54mで、正面からは想像できない縦に長い形状をしている。
本堂は高さ約27m、開口約24m、奥行54mで、正面からは想像できない縦に長い形状をしている。

【第5位】嚴島神社(広島県廿日市市)

日本三景の一つ。平清盛が造営した海上社殿は潮の満ち引きでその印象を大きく変える。満潮時は朱塗りの社殿が海に浮かんでいるような神秘的な光景を見られる。

☆アンケートの声…「海に浮かぶように見える朱色の大鳥居の風景は、まるで別世界のよう。さすがは世界遺産」「宮島のグルメめぐりも楽しい」

2022年に約70年ぶりとなる改修工事を終え、大鳥居は鮮やかな朱色に蘇った。
2022年に約70年ぶりとなる改修工事を終え、大鳥居は鮮やかな朱色に蘇った。

【第4位】浅草寺(東京都台東区)

東京・下町のシンボルで、国内外から毎年約3000万人もの参拝者が訪れる。80件以上の店が並ぶ仲見世の散策など、周辺のスポットも充実。

☆アンケートの声…「東京のお寺といえばここ。ものすごい人だかりもうなずける」「“凶が多い”と噂のおみくじで大吉を引いてみたい」

浅草寺の総門である雷門の両脇では、風神雷神がにらみをきかせている。(提供:浅草寺)
浅草寺の総門である雷門の両脇では、風神雷神がにらみをきかせている。(提供:浅草寺)

【第3位】伏見稲荷大社(京都府京都市)

全国に約3万社あるといわれる稲荷神社の総本宮。本殿や楼門、外拝殿は国の重要文化財に指定され、その壮麗さに目を見張る。本殿背後から奥社に通じる参道に建つ千本鳥居は実に幻想的。「その先にある一周約4㎞のお山めぐりにも挑戦したい」という読者の声も多数。

☆アンケートの声…「圧巻の千本鳥居をくぐりたい」「境内の静謐な雰囲気がいい」

異世界に迷い込んだような錯覚を起こす千本鳥居。
異世界に迷い込んだような錯覚を起こす千本鳥居。
明応8年(1499)に再興された本殿は、安土桃山時代の気風に通じる優美な造り。
明応8年(1499)に再興された本殿は、安土桃山時代の気風に通じる優美な造り。
住所:京都府京都市伏見区深草藪之内町68/営業時間:拝観自由/アクセス:JR奈良線稲荷駅下車すぐ

【第2位】 出雲大社(島根県出雲市)

「いづもおおやしろ」と読むのが正式。毎年10月には八百万の神が集う。日本神話では、国を造ったとされる大国主大神を祀り、縁結びの神として信仰される。八雲山を背に、檜皮葺きの屋根に千木をのせた御本殿や大注連縄が圧巻の神楽殿が立ち、神聖な雰囲気に背筋が伸びる。

☆アンケートの声…「多くの神さまに出会いたい」「大注連縄を見てみたい」

長さ13.6m、重さ5.2tにもおよぶ大注連縄で知られる神楽殿。(提供:出雲大社)
長さ13.6m、重さ5.2tにもおよぶ大注連縄で知られる神楽殿。(提供:出雲大社)
国宝の御本殿は、神社建築では類を見ない大きさや迫力に圧倒される。(提供:出雲大社)
国宝の御本殿は、神社建築では類を見ない大きさや迫力に圧倒される。(提供:出雲大社)
住所:島根県出雲市大社町杵築東195/営業時間:6:00~18:00/定休日:無休/アクセス:JR山陰本線出雲市駅からバス23分の正門前下車すぐ(勢溜)

【第1位】伊勢神宮(三重県伊勢市)

内宮、外宮をはじめ、別宮、摂社、末社、所管社を合わせて125社からなる古社。正式名は「神宮」。2000年以上の歴史と荘厳さが参拝者を魅了し、古来“日本人の心のふるさと”と崇められる。

☆アンケートの声…「心が満たされ、豊かな自然と澄んだ空気に包まれ、心身ともに清められる」「一生に一度はお伊勢参りをしたいと願うもの。理由などなく本能です」「日本人に生まれてよかったと思える厳かな神社でした」

内宮入口に架かる宇治橋は、俗界と神域を分ける橋ともいわれる。(提供:神宮司庁)
内宮入口に架かる宇治橋は、俗界と神域を分ける橋ともいわれる。(提供:神宮司庁)
内宮参道の途中にある御手洗場。五十鈴川で清めてから参拝する。(提供:神宮司庁)
内宮参道の途中にある御手洗場。五十鈴川で清めてから参拝する。(提供:神宮司庁)
外宮には、内宮の天照大御神の食事を司る神・豊受大御神が鎮座。(提供:神宮司庁)
外宮には、内宮の天照大御神の食事を司る神・豊受大御神が鎮座。(提供:神宮司庁)
住所:三重県伊勢市豊川町279(外宮)、三重県伊勢市宇治館(内宮)/営業時間:5:00~17;00(1~4月・9月は~18:00、5~8月は~19:00)/定休日:無休/アクセス:JR参宮線・近鉄山田線伊勢市駅から徒歩5分(外宮・衛士見張所)、伊勢市駅からバス13分の内宮前下車、徒歩14分(内宮・宇治橋)

文=香取麻衣子、『旅の手帖』編集部 写真=福角智江、和田 博、塙 広明(アド・グリーン)、五十嵐英之
『旅の手帖』2023年1月号より