山梨県鳴沢村 ~初夏の涼風が心地よい、富士とともに歩む里~
富士山の北側に広がる鳴沢(なるさわ)村。山頂部の一角も村域に含まれるが、公共施設や店舗、家並み、別荘などは標高900〜1000m付近の高冷地にぎゅっと集まっている。広大なすそ野が物語るように、村の大半が富士山の噴火に伴う溶岩流跡の上に位置する。鳴沢氷穴や青木ヶ原樹海、溶岩樹型は、この溶岩流が生んだ自然の造形だ。かつて一帯を焼き尽くした自然の猛威が、今ではこの地に恩恵をもたらしているのが興味深い。また、村の北端にはこぢんまりとした山塊が控えている。比類なき雄大な光景を俯瞰(ふかん)できるビューポイントとして、外せない場所だ。