店主のこだわりを感じる居心地のよい空間

店頭にある黒板のメニューを目指そう。
店頭にある黒板のメニューを目指そう。

白線通りを曲がってすぐの場所にあるが、2階にあるためちょっとわかりづらいかもしれない。実際、訪れた際には一度通り過ぎてしまい、戻って気がついた。店へと続く階段下にあるメニュー看板を目印にしたほうがいいかも。
店内は木の温もりを感じさせる広々とした造り。店主の平井恒平さんは映画好き。壁にはポール・ニューマンとロバート・レッドフォード主演の『スティング』の大きなポスターをはじめとした映画のポスターが飾られている。店名の『STRAW HAT』は、店主の平井さんが好きな映画『人間の証明』で事件解決の糸口になった麦わら帽子(ストローハット)が由来になっている。
帽子かけには麦わら帽子とともにテンガロンハットもかけられている。

木目調の店内は居心地がよく、ゆっくりと食事やお酒を楽しめる。
木目調の店内は居心地がよく、ゆっくりと食事やお酒を楽しめる。

玉ネギがアクセントになるふっくらハンバーグ

肉と玉ネギの甘み、コクのあるソースが合わさったハンバーグは格別。
肉と玉ネギの甘み、コクのあるソースが合わさったハンバーグは格別。

名物の「手作りジューシーハンバーグ」850円(夜は980円)を注文。牛肉と豚肉の割合は企業秘密。たっぷりと玉ネギを入れているのが特徴だ。一口食べてみるとふっくらとしていて、肉汁があふれ出すジューシーさ。適度に感じる玉ネギのシャキシャキ感と甘さが相まってたまらない旨さだ。
ソースは野菜スープやデミグラスソースなどをブレンドしている。甘みがやや強く感じられるが、ほどよいスパイシーさがあるので、肉の旨みを引き立ててくれる。粒がしっかりと立ったご飯がどんどん進みそう。

添えられたパスタにソースを絡めれば、これで一品になりそうなほど旨い。平井さんは「当初はソースが今よりも少なかったのですが、パスタに絡めて食べてもらうために多くしました。女性のお客様が多いので太いパスタだと食感が重くなると思い、細めのものにしています」と話す。

切り干し大根やきんぴら、煮物など、付け合わせの副菜は日替わりになる。この副菜が主張をしすぎず優しい味わいで、いい箸休めになりさらにご飯が進んでしまう。

ご飯は大盛+おかわり一杯がサービスになるのも大食漢にはうれしい限りだ。

平井さんは「たまにお客様から、『家庭の味・お母さんの味』といわれることがあります。添加物を使用せずに、すべて手作りにしているのでそう感じてくれるかもしれません」。
確かにハンバーグも優しい味わいだし、手の込んだ副菜などは家庭の味を思いおこす素朴ながらもおいしい料理だ。シンプルだけど飽きのこない料理だから週に何度も訪れる人もいるというのも納得だ。

夜はウィスキーやカクテルなどを楽しもう

メニューボードには日本のワインが書かれ、簡単なワインの説明もある。
メニューボードには日本のワインが書かれ、簡単なワインの説明もある。

開店当初は、夜のバーのみでの営業だったという。メニューボードの裏の棚にはズラリと酒が並び、メニューにはウィスキーやカクテルを中心にした多彩なラインナップ。バータイムも充実していることがわかる。
でも、今ではお客さんに「ハンバーグ屋さん」と呼ばれることがあるそう。平井さんは「ランチでハンバーグをメインにした頃からだんだんそう呼ばれるようになりました」と笑う。
料理が充実しているので、ウィスキーを飲みながら一品料理を楽しむ人もいるというが、夜にもハンバーグを求めて定食を食べる人も多いという。

階段を上った先にはおいしい食事とカクテルが待っている

「“両方食べたい!ハンバーグカレーライス”1180円(夜は1300円)は一度に2つの名物料理が食べられます」と店主の平井恒平さん。
「“両方食べたい!ハンバーグカレーライス”1180円(夜は1300円)は一度に2つの名物料理が食べられます」と店主の平井恒平さん。

最後に平井さんは「食事メニューには“じっくり煮込んだカレーライス”850円(夜は900円)もあります。ビーフカレーですが、牛肉も野菜も形がなくなるまで煮込んでいる誰でも食べやすいカレーです」と話す。
ランチではハンバーグを食べてしっかりとお腹を満たし、夜はカクテルグラスを傾ける……。アットホームな雰囲気に包まれながらお好みの過ごし方で『STRAW HAT』でのひと時を満喫したい。

住所:東京都中野区中野5-55-17-2F/営業時間:11:30~14:00LO・17:30~22:20LO/定休日:日・祝/アクセス:JR中央線・地下鉄東西線中野駅から徒歩5分

取材・文・撮影=速志 淳 構成=アド・グリーン