全国のJR線の快速・普通列車が乗り降り自由となる「青春18きっぷ(以下18きっぷ)」。知っておきたい使い方のキホンのキからお得な使い方、さらに旅の可能性を広げるトクトクきっぷとの組み合わせまでを徹底ガイド。18きっぷを使って、この夏をもっともっと楽しもう!

「5日間、たっぷり日本列島縦断の旅」の全貌はこちら!

【1日目】
稚内駅宗谷本線・函館本線・留萌本線函館本線(特急)函館本線・室蘭本線室蘭本線(特急)室蘭本線…室蘭フェリーターミナル→津軽海峡フェリー(泊)
【2日目】
青森駅→奥羽本線・羽越本線・信越本線えちごトキめき鉄道しなの鉄道篠ノ井線→松本駅(泊)
【3日目】
松本駅→篠ノ井線・中央本線・太多線高山本線(特急)高山本線・あいの風とやま鉄道・城端線北陸新幹線北陸本線・東海道本線・山陽本線→姫路駅(泊)
【4日目】
姫路駅→姫新線・津山線・宇野線・本四備讃線・予讃線予讃線(特急)予讃線予讃線・内子線(特急)予讃線伊予鉄道伊予鉄バス…松山観光港→松山・小倉フェリー(泊)
【5日目】
小倉駅→鹿児島本線福岡市地下鉄筑肥線・唐津線・長崎本線・佐世保線西九州新幹線島原鉄道熊本フェリー九州新幹線指宿枕崎線→枕崎駅

※旅程は1日目(木)、2日目(金)、3日目(土)、4日目(日)、5日目(月)を想定しています。
※時刻は『JR時刻表』2024年6月号を使用しています。おでかけの際は、最新の時刻表でご確認ください。

『JR時刻表』編集部 日本列島縦断コース作成チームメンバー

安食(あじき)

会社線担当
103系推しの撮り鉄&乗り鉄。最近は実車両減に反比例して、自宅では模型の103系が増殖中。旅ではカメラと望遠レンズは必携。

姶良(あいら)

デジタル時刻表担当
地理が好きで、鉄道旅では現地の山や川などの車窓風景に釘づけ。好きな車両は「こだま」で使われている500系とE531系(常磐線)。

 

女川(おながわ)

JR線担当
中学生のときから青春18きっぷを愛用するヘビーユーザーの乗り鉄。使用済みのきっぷは旅の思い出として持ち歩く。

【1日目】稚内駅→室蘭フェリーターミナル(津軽海峡フェリー) 貴重な留萌(るもい)本線へ寄り道

留萌本線は2023年3月をもって留萌~石狩沼田間が廃止となった。写真は北一已(きたいちやん)~秩父別(ちっぷべつ)間。
留萌本線は2023年3月をもって留萌~石狩沼田間が廃止となった。写真は北一已(きたいちやん)~秩父別(ちっぷべつ)間。

稚内から旭川までのルートは一つだが、旭川からすぐ接続する列車が一日に1本しかない留萌本線直通列車(!)なので、これ幸いと寄り道をしよう。

深川へ戻ると、特急「ライラック」で1回目のワープ。ちなみに、今回の道内移動はこの「ライラック」以外すべて気動車。特に、電化区間なのに気動車となる「架線下気動車」の924D・4456Dがポイント。

さて、岩見沢からはあえて札幌を通らない室蘭本線ルートを選択する。非電化なのに複線の区間もあり、列車のローカルさとのギャップを体感。

苫小牧(とまこまい)からは、その次の普通列車だとフェリーの受付時間に間に合わないため、特急「北斗」で2回目のワープ。室蘭駅から室蘭フェリーターミナル(FT)へ向かい、フェリーで北海道を出る。

※¥マークは別料金です。
※¥マークは別料金です。

【2日目】青森駅→松本駅 姨捨(おばすて)駅から夜の絶景を見渡そう

姨捨駅から見える善光寺平の夜景。
姨捨駅から見える善光寺平の夜景。

青森港へは午前3時に到着。青森発の奥羽本線始発列車に乗り、ひたすら日本海に沿って南下する。もっと海沿いの五能線に乗りたいところだが、時間的に厳しいのでここはガマン。

酒田以外では乗り継ぎのテンポもよく、直江津へは19:01に辿り着く。ここからは長野まで青春18きっぷは使えないが日本海にいったん別れを告げ、内陸へと切り込む。

夜のふけた時間になるが、篠ノ井線 二本木・姨捨の2駅でのスイッチバックは見どころ。姨捨駅からは、善光寺平の夜景が見渡せる。

 

※¥マークは別料金です。
※¥マークは別料金です。

【3日目】松本駅→姫路駅 新幹線の次は新快速でロングラン

飛騨川沿いを走る高山本線。
飛騨川沿いを走る高山本線。

前半は山間や川沿いの風景がメインの一日。中央本線では木曽川沿いを、高山本線では飛騨川・宮川・神通川(じんづうがわ)と並行したり何度も渡ったり。富山が近くなるとようやく開けた風景になる。

美濃太田では普通列車まで時間が空くので特急「ひだ」を使ってワープ。途中の高山で下車して、「飛驒の小京都」の町並みを楽しもう。

富山~高岡間はあいの風とやま鉄道だが、途中下車せず通過して城端(じょうはな)線に乗車するのであれば、青春18きっぷが特例で利用できる。新高岡からは北陸新幹線で目新しい金沢~敦賀間を乗車。

敦賀からは接続する特急「サンダーバード」ではなく、姫路まで乗り換えなしで行ける新快速があるので、244.3㎞、3時間半をロングランで走り抜ける。乗車時間が長くなるが、始発で座っていける。

 

※¥マークは別料金です。
※¥マークは別料金です。

【4日目】姫路駅→松山観光港(松山・小倉フェリー) 下灘(しもなだ)でゆっくり夕暮れどきを過ごそう

下灘駅から見る静かな海に沈む夕日。
下灘駅から見る静かな海に沈む夕日。

姫路からそのまま山陽本線で西に向かわず、姫新(きしん)線~津山線へ寄り道してから岡山へ。岡山から快速「マリンライナー」で瀬戸大橋を渡って四国に入り、予讃線を瀬戸内海沿いに進む。

もし8月4日か5日にこの路線に乗るなら、この2日間だけしか営業しない津島ノ宮駅で降りてみよう。毎年、津嶋神社大祭の日のみ営業するレアな駅なのだ。

松山からフェリーに乗るが、その前に足を延ばして夕景を見に下灘へ。もちろん松山から道後温泉に行ったり、路面電車を乗ったりも楽しい。松山からは松山観光港に移動し、松山・小倉フェリーに乗り込む。

※¥マークは別料金です。
※¥マークは別料金です。

【5日目】小倉駅→枕崎駅 最終日は鉄分も絶景もてんこ盛り

熊本フェリーから望む雲仙の平成新山と普賢岳。
熊本フェリーから望む雲仙の平成新山と普賢岳。

クラシカルな松山・小倉フェリーの船内は、往年の寝台列車のような雰囲気。大浴場もあるのでここでひと息、長旅の疲れを癒やそう。

筑前前原で乗り換えの唐津行きの列車では、懐かしの103系が来たらラッキー。唐津線では架線下気動車などの鉄分要素も。武雄温泉~諫早間の西九州新幹線では、和洋折衷の車内デザインを堪能。

諫早から乗車するかわいい黄色い車両の島原鉄道では、ホームすぐ横が海という大三東(おおみさき)駅を要チェック。

島原港駅から熊本フェリー乗り場までの途中には足湯がある。熊本フェリーは、30分の短い船旅ではもったいない豪華な船内。天気がよければ雲仙の山々を望む絶景も。

九州新幹線で鹿児島中央に降り立てば、いよいよ旅の締めとなる指宿枕崎線で終着地、枕崎へ。

 

※¥マークは別料金です。
※¥マークは別料金です。

イラスト=さとうみゆき 写真=マシマ・レイルウェイ・ピクチャーズ、レイルマンフォトオフィス
『旅の手帖』2024年7月号 特別付録より

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