安く楽しめる名店。渋谷の立ち飲みを牽引『立呑 富士屋本店』【渋谷】
桜丘で100年以上前に創業した酒店『富士屋本店』。自社ビルの地下で営んでいた立ち飲み酒場は、再開発により閉店したが、2022年に現在地で復活した。
「ハムキャ別」やナス味噌といった往年の定番メニューは今も健在で、大半は酒好きの心をくすぐる。店長の酒主良介さんは「おいしいのはもちろんのこと、何度も来たくなる店にしたい」と話す。渋谷という立地にもかかわらずリーズナブルなのがうれしい。
『立呑 富士屋本店』店舗詳細
下町の風情とともに極上のスピリッツを『NOMURA SHOTEN』【蔵前】
江戸時代からの問屋街・蔵前の紙屋の倉庫を改装している。一見オシャレな立ち飲み屋のようだが、オーナーでバーテンダーの野村空人さんがセレクトした酒を購入できるニュースタイルの角打ちだ。
酒は日本各地から厳選したスピリッツが100種類以上。クラフト系のラムやジンなどが中心で、カクテルではなく、ロックやソーダ割りで提供している。下校途中の小学生や銭湯の帰りの客が声をかけたりする下町風情が残っている。
『NOMURA SHOTEN』店舗詳細
ナチュラルワインに合わせた料理も絶品『Wine Stand Alfie』【門前仲町】
オーストラリアのワイナリー「ルーシー・マルゴー」で研修したオーナーの横田勝哉さん。「うちは自信を持って推せるいいナチュラルワインをそろえています」と話す。フランスやオーストラリアを中心にそろえ、オーダーの際には1本ずつ丁寧に説明してくれる。
酒に合わせて料理を提供しているため、ジャンルはフレンチからアジア系まで実にさまざま。手頃な小皿料理のほか、立ち飲みの域を超えた本格パスタも人気だ。
『Wine Stand Alfie』店舗詳細
気軽に日本酒を堪能。日本酒カクテルも人気『つねまつ久蔵商店』【月島】
兵庫県西宮市の『辰馬(たつうま)本家酒造』の「白鹿」を全国的に売り込んできた常松治郎さんが運営。「誰でも気軽に、自由に、楽しく楽しめる」がコンセプトで、日本酒カクテルも好評。
調理も担当する店主の町田直也さんは「日本酒の約3分の2は、常松の実家である島根県の酒屋から仕入れます。メニューにない隠し酒を狙って来る常連さんも多いです」と話す。酒粕で煮込んだおでんや牛すじなどとともに、日本酒を味わいたい。
『つねまつ久蔵商店』店舗詳細
安くてうまい魚介料理。酒の通人が集う店『酒の店 ななや』【両国】
両国の横綱横丁の一角に軒を構える魚料理が評判の酒場。この店の名物といえる「刺し盛り」は、天然サバを締めたものから、スミイカやイクラなど、その日の仕入れや気分で4~5種盛りになる。
店主の井下広一さんは「妻の祖父の代から付き合いがある仲卸業者に、高級店に行くような魚介を安く卸してもらえるんです」と話す。新鮮で高品質な魚介類を肴に飲めるのは幸せだ。地酒はおすすめを含めて常時約7種ほど。
『酒の店 ななや』店舗詳細
さまざまなジャンルが混在する楽しい空間『サレサイドサカバ』【西荻窪】
西荻窪の人気店『サレカマネ』の2号店。店内は異国情緒あふれ、アメリカの古材を使ったカウンターには南部鉄器、壁には天狗のお面、流れるBGMはジャズやロックなど、いろいろと混在しているが、居心地がいい。
酒は日本酒やサワー、ナチュラルワインなどがそろい、つまみは、各国の郷土料理や定番の居酒屋メニューにひと手間かけた料理が中心。店主の佐藤格之さんは「誰がきても好きなものが見つかる空間にしたい」と話す。
『サレサイドサカバ』店舗詳細
ビールの泡が決め手のホッピーと焼売がうまい『酒房蛮殻』【月島】
月島の路地の先、昭和初期建築の2階建て長屋の軒先に赤ちょうちんが灯る。この長屋に3軒の店舗があり、1階が総菜のテイクアウトもできる立ち飲み酒場の『酒房蛮殻』だ。
目玉になるのがホッピーで、白・黒・ハーフの3種類がある。グラスやホッピー、焼酎をキンキンに冷やし、最後に生ビールの泡をのせることで、のど越しのよさとキレが生まれるという。つまみには、焼売(しゅうまい)を合わせたい。小皿料理も豊富だ。
『酒房蛮殻』店舗詳細
時流に迎合しない気骨ある赤羽酒場『立ち飲み いこい本店』【赤羽】
昔ながらの立ち飲み風情が色濃く、赤羽を代表する人気店。店内での喫煙が可能で、卓を広く使えるよう灰皿は置かず、吸い殻は床に捨てるので、禁煙店になれた世代には驚きかもしれない。コの字カウンターと小テーブルが10卓ほどあり、ドリンクと料理は現金での先払い。
料理は1品150円前後と格安で、やきとん串焼き、豚白モツの煮込み、豊洲市場で仕入れる刺し身、おから、きんぴらといった家庭の味など、約70種をそろえる。
『立ち飲み いこい本店』店舗詳細
大きな煮込み串が酒をドンドン進ませる『立ち呑み ビアジオ』【浦和】
浦和に店を構える串焼きがメインの『立ち呑み モルガン』の2号店。3種の味噌をブレンドしたスープで串に刺したモツなどを煮込む、みそ煮込み串が名物。
おすすめの一つである角煮串は、よく煮込まれていてホロホロ。あっさりとした味噌味と角煮のジューシーな旨味が一体となり、生ホッピーや瓶ビールの「サッポロ赤星」などが進む。店内の黒板にはおすすめメニューが書かれているので、迷った時はスタッフに聞いてみよう。
『立ち呑み ビアジオ』店舗詳細
横浜最大の飲み屋街、3ジャンルの肴で一杯『野毛のスタ場』【日ノ出町】
待ち合わせの場所として使える「スタート」と、立ち飲みの「スタンディング」という意味から名が付いた。また、『せっかち焼鳥「ハットリ」』、マグロ専門店『Tunaがる』 、イタリアン酒場『とんとんとんきぃ』の3店舗の総称でもあり、店は1階に並び、2階はフリースペース。
設置された自動販売機から焼酎を購入して飲むことができ、地域最安値を実現している。ビルが解体される2025年5月31日までの期間限定営業だ。
『野毛のスタ場』店舗詳細
日替わり小皿料理や酒が安価に楽しめる『たちのみや喜平』【池袋】
酒卸会社が入るビルの一角にある。店主の西塚哲郎さんは、元々酒卸会社の営業マン。酒の種類は豊富で、日本酒では喜平ブランドが数多く、「喜平」本醸造300円やフルーティーさが特徴の「喜平べつあつらえ」450円のほか、1本数万円するというウイスキーなどもリーズナブルに提供。
おでん(1個150円~、5品550円)が名物で、やや酸味のある自家製のネギダレをつけて食べる。日替わりの小皿料理は全品250円。
『たちのみや喜平』店舗詳細
元肉屋ならではの品質と価格に大満足『肉のまえかわ』【大井町】
1949年創業の元精肉店。店頭で焼き鳥を焼いて販売していたところ、その場で焼きたてを食べる人が多く、客のリクエストから酒を置いたのが立ち飲みの始まり。
今では開店直後から多くの人たちが押し寄せにぎわっている。つまみは肉屋価格で提供していて、モツや肉の新鮮さはもちろん、揚げものも旨いと評判。串は注文を受けてから焼くので、熱々を食べられる。缶ビールは冷蔵庫から自分で取り出すスタイルだ。
『肉のまえかわ』店舗詳細
取材・文・撮影=アド・グリーン 撮影=丸毛透、逢坂聡、高野尚人、アド・グリーン