『MUTO coffee roastery』日常がちょっぴり優雅になる路地裏のロースタリ―
中野駅の南口から歩き、ほどなくして現れるロースタリ―カフェ。店内のケースにずらりと並んで販売されているのは、店主の武藤修一郎さんが毎朝焙煎する最高品質のコーヒー豆。ウッディな雰囲気の店内では、淹れたてのコーヒーも味わえる。また、コーヒーと一緒に堪能したいのが手作りスイーツ。定番のベイクドチーズケーキやガトーショコラは、気持ちを安らげてくれる。静かな路地裏にたたずむカフェは、中野で落ち着く場所を探している人にとって理想的な空間だ。
『MUTO coffee roastery』店舗詳細
『奥の扉』扉の奥にある、隠れ家のような純喫茶
中野駅から線路沿いを歩くとたどり着くマンションの一角で、1976(昭和51)年から営業を続ける純喫茶。ひとたび扉を開けると、コーヒーの香りに包まれ、マスターと常連の会話が心地よく聞こえてくる隠れ家のような空間だ。クラシックやジャズが流れる空間は、駅の近くとは思えないほど落ち着きがある。気の置けない仲間や家族とゆっくり会話を楽しみたいとき。はたまた、一人でゆっくりとコーヒーに向き合いたいときは、ぜひその“扉”を開けてみてほしい。
『奥の扉』店舗詳細
『しのカフェ』縁側のこたつ席でほっこり。まるで“おばあちゃんの家”
中野駅から徒歩15分ほどの閑静な住宅地にある『しのカフェ』は、店主・ふみさんの祖母の自宅を改築したカフェ。まるで“おばあちゃんの家”に遊びに来たかのように心安らぐ雰囲気だ。四季折々に彩られる庭を眺めながら、体に優しい素材を使った手作りスイーツや、一汁三菜の健康的なご飯を味わえる。また、縁側にあるこたつ席(夏はちゃぶ台に変更)は遠方から訪れる人もいるほど人気。また、店のアイドル的な存在になっているのが、店内が落ち着いたタイミングで登場する3匹の“看板猫”。猫好きの人は会いに行ってみてはいかがだろう。
『しのカフェ』店舗詳細
『Mugs』旅好きが喜ぶ世界の料理とコレクション
2002年から営業を続けるカフェ『Mugs(マグス)』は、旅好きのオーナー・井上博英さんが旅先で出合った世界各国の珍しい料理やスイーツを楽しむことができる穴場のカフェ。また、デザイナーでもある井上さんが作りあげたハイセンスな空間も見どころ。航空会社の機内食で使われていたカトラリー、コレクターに人気の食器など、希少なヴィンテージアイテムがところどころに散りばめられており、宝探しのようで面白い。旅、料理、インテリア、コレクション……さまざまな要素が絶妙なバランスで混ざりあう空間は、不思議な魅力を放っている。
『Mugs』店舗詳細
『Chillaxin’ Book Shop』コーヒーやビールが楽しめる古本屋
2022年8月、中野の薬師あいロード商店街にオープンしたカフェを併設した古本屋。カフェスペースでは、ハンドドリップコーヒーやクラフトビールを提供。カフェのみでの利用も可能で、仲間との会話を楽しんだり一人で読書にふけったりと、思い思いに過ごすことができる。また、本棚に並ぶ8割の本は、もともと生粋の本好きである店主の私物だという。ジャンルは小説からコミック、雑誌、絵本に至るまでとにかく幅広い。この店に訪れれば、カフェでひと息つくと同時に思わぬ本との出合いが待っているかもしれない。
『Chillaxin’ Book Shop』店舗詳細
『ばらーど』都心でやっていた昔ながらの喫茶店です
半世紀以上も変わらぬコーヒーが、中野の路地奥で香る。マスターの西島静壹(しずいち)さんは、有楽町で修業した後、1966年に神田で『ばらーど』を開店。神田で11年、上野で11年、さらに京橋で26年営んできた。大家の都合で閉店になるも、「自宅を店にしちゃえ」と、3年前に最後の移転。充実のモーニングをはじめ特徴的なメニューは、ビジネス街を闊歩した証しだ。コーヒーの淹れ方に見惚れたという公子さんと結婚後は二人三脚で、今は、朝7時に公子さんが浅草のベーカリー『ペリカン』へパンを買いに。マスターは仕込みと庭の手入れを。9時に開店、穏やかな一日が流れ始める。
『ばらーど』店舗詳細
『ロンパーチッチ』親しみやすい平成のジャズ喫茶
大きめの音量のジャズに体ごと包まれる。齊藤外志雄(としお)さん・晶子さん夫妻が切り盛りするこの店は、いわゆる名曲喫茶とは違い、のんびりした雰囲気だ。店内には約2000枚のレコードが控え、「随時新しいものを仕入れては、一部を差し替えています」。王道から新譜まで、古今をまたぐラインナップが好奇心を満たしてくれるのだ。コーヒーは夫妻のお気に入り、バランスのいいコロンビアのみとし、新鮮なうちに使い切る。音楽と、なんて素敵なマリアージュ!
『ロンパーチッチ』店舗詳細
『café momo Gärten』お隣さんを訪ねるように通いたい
桃園川緑道沿いの、柿の木に覆われた二軒長屋が2013年春に蘇(よみがえ)った。雨音や鳥の声が届く店内は、柱や梁(はり)が残るのびやかな空間で、遠方から訪ねる人も多い。店主の嘉山隆司さんは、ここにカフェが求められていたと実感するも、「少しおしゃれ過ぎて、高齢者が入りにくいかな」と、案ずる。誰もが気軽に立ち寄れる地域の居場所になりたいと願っているからだ。ケースワーカーとして福祉畑を歩んだ経験を活かし、扉を大きく開いている。
『café momo Gärten』店舗詳細
木・金は11:00~17:30、土・日は11:00~18:00/定休日:月・火/アクセス:地下鉄丸ノ内線・大江戸線中野坂上駅から徒歩12分
『COFFEE JAZZ GENIUS』全国のジャズファン注目の名喫茶
1970年、渋谷・道玄坂で初めて針を下ろしてから約半世紀。マスター・鈴木彰一さんが生まれ育ったこの元花街に移転し、早28年が過ぎた。「渋谷時代はマニアが通う、地下の暗いジャズ喫茶でした。でも、今は明るくて、ご近所の方も来店してくださる」と、ママさん。棚のレコードは8000枚。15時から店に立つマスターは、この中から今いるお客に合わせてセレクトしたり、リクエストに応じて“何年の誰の一曲”をピタリと引き出す。
『COFFEE JAZZ GENIUS』店舗詳細
『大怪獣サロン』ソフビ怪獣に囲まれる幸せ……
映画監督・造形作家の中野貴雄さんがプロデュースした怪獣カフェバー。店頭では怪獣造形作家のピコピコさん作のムーチョが出迎えてくれる。店内には『ウルトラマン』や『ゴジラ』などのヒーロー&怪獣から、オリジナルソフビ、はては常連さん自作のソフビズラリも並び、何ともにぎやか。子供からオタクまで客層は多彩で、ソフビで遊んだり、怪獣談議に花を咲かせたり、自作の着ぐるみを持ち込んだりと、思い思いに過ごしている。
『大怪獣サロン』店舗詳細
取材・文=稲垣恵美、信藤舞子、塙廣明(アドグリーン)、松井一恵(teamまめ) 撮影=稲垣恵美、門馬央典、金井塚太郎、木村心保、千倉志野