【浅草と言えば洋食の聖地!】
コスパもボリュームも大満足の牛タンシチュー『佐藤』
毎日食べられる味を目指す隠れ家的洋食店
席数わずか8席の隠れ家的な洋食店『佐藤』の看板メニューは、味よし、コスパよし、ボリューム満点と3拍子そろった牛タンシチュー。厚さ3cm近い牛タンの存在感に圧倒されるが、ひとたび口に含めばやわらかくとろけそうな味わい。サラダ、コンソメスープ、バケットまたはライス付きで1600円とかなりお得だが、ランチの牛タンシチューは、牛タンの厚みが少し変わるだけで1000円と型破りの価格設定。「毎日食べられる味を目指しています」と語るのは、店主の佐藤さん。家族にも食べさせたくなるシチューは、タッパ持参でのテイクアウトも可能だ。
『佐藤』店舗詳細
名物は、ビターさがクセになる濃厚デミグラスソース『グリルグランド』
浅草観音裏にある老舗洋食店
かつては浅草の花柳界で人気を集めた老舗洋食店『グリルグランド』の名物は、3代目シェフが2週間かけて作る濃厚デミグラスソース。ビターさと旨味が絶妙に絡み合うその魅力は、ビーフシチューやハヤシライスなどで堪能できる。また、“追加の一品”として近年人気を集めているのが、日本コロッケ協会主催のコロッケグランプリで6回連続金賞を受賞したカニクリームコロッケだ。自家製ラードでカリッと仕上げた食感と香ばしさ、口いっぱいに広がるカニの風味にハマる人続出中。こちらは1個から注文可能だ。
『グリルグランド』店舗詳細
安い・早い・ウマいのハンバーグ『モンブラン』
浅草・雷門通りにある行列必至のハンバーグ専門店
国産牛肩ロース100%の手ごねハンバーグが手ごろな価格で食べられる、老舗ハンバーグ店。やわらかくてジューシーなハンバーグは、濃厚チーズソースや和風ソース、ピリ辛トマトソースなど、個性の異なる8種のソースからお気に入りを選んでいただく。この店のハンバーグの特徴は、アルプスの名峰モンブランの形を模した山型フォルム。これは、創業者の松家健一さんが何百種類ものハンバーグを試作した末にたどり着いた「肉汁を閉じ込めるのに最適な形」だとう。「安さも味も譲れないから、うちは薄利多売でいいんです」と、松家さん。安くてウマい、その上待ち時間も短い。人気の秘密はここにある。
『モンブラン』店舗詳細
浅草で昔ながらの洋食グルメといえばこの店!『ヨシカミ』
懐かしくもたしかな味わいにハマる
ビーフシチューやポークソテー、メンチカツ、オムライス、一口カツなど、定番の洋食が味わえる昔ながらの洋食店。飾らない店構えながら、地元・浅草の老舗からも一目置かれるのは、そのたしかな味と客足の途切れない人気ゆえ。おすすめは、とろける食感のビーフシチュー2600円と醤油ベースのソースが豚の旨味を絶妙に引き立てるポークソテー1550円。「ライスやパンとも合いますが、自由な組み合わせをたのしんで」とは三代目社長・吾妻弘章さんの言。ビーフシチューとスパゲティー、ポークソテーとドライカレーといった異色の組み合わせがたのしめる平日の「たっぷりランチ」1900円(コーンスープ、コーヒーまたはアイスクリーム付き)も見逃せない。
『ヨシカミ』店舗詳細
老舗の絶品ビーフシチューを堪能すべし!『グリル佐久良』
浅草に店を構えて50年以上という洋食の老舗。メニューを見るとハンバーグやスパゲッティ、チキンソテーなど先代シェフが考案したというクラシカルな洋食メニューがズラリ。その中でもダントツの人気を誇るのが、仕込みに一日かかるといわれるビーフシチュー。現在は先代シェフの孫娘がその後を受け継いで厨房で腕を振るっている。
創業以来変わらない味わいのビーフシチューはひとくち食べれば、その歴史の深さに感動すること間違いなしだ。
『グリル佐久良』店舗詳細
【和食も名店ぞろい】
このおいしさでこの値段。お見事『金太楼鮨 馬道店』
花街・象潟に近く、ときには粋な芸者さんの姿もあるが、お客さんの大半は地元住民。目当てはランチメニューで、通常1100円のさくら(並)ちらし・にぎりが800円、上2090円が1400円とお値打ち価格。連日通う人も少なくない。金太楼鮨の創業は大正13年。東浅草の本店を中心に直営店16店を擁し、一括大量仕入れができるので新鮮なネタを良心価格で提供できるという。店長の増元裕之さんや職人さんたちも気さくで、いつも和やかな雰囲気が漂う。
『金太楼鮨 馬道店』店舗詳細
明治生まれの文豪・永井荷風が毎日通った創業160年の老舗そば処『尾張屋』
幕末から6代にわたって伝統の味を受け継いできた老舗のそば処。『尾張屋』という店名は、火消し屋だった初代の元上司で、浅草寺の門番も務めた幕末の侠客・新門辰五郎が「えびの尾を張るように勢いよく」との思いを込め命名した。大量のかつお節を使い、強火で1時間半かけて旨味を濃縮させたつゆは、毎日食べても飽きない味。実際、文豪・永井荷風のように、足繁く通う常連客も少なくないという。名物の天ぷらそば1600円は、どんぶりからはみ出すえび天が目をひときわ引く人気の一品。手間暇かけて作った汁に、天ぷらからしみ出たごま油とえびの旨味が溶け合うと、深いコクと何段階にも押し寄せる風味がたのしめる。
『尾張屋』店舗詳細
看板メニューは海老天丼!『大黒家天麩羅』
おいしさの秘密は秘伝の甘辛いつゆにあり
浅草・伝法院通りにある明治20年創業の老舗天ぷら店。この店の看板メニューは、秘伝の甘辛いつゆに、最高級のごま油でカラッと揚げた海老天をくぐらせ、炊き立てのコシヒカリの上に盛り付けた海老天丼だ。フタをして、少し蒸らしてから食べるその味は、濃厚かつ旨味たっぷり。「店主にだけ作ることが許されている天丼のつゆをはじめ、味噌も甘酢もすべて自家製です」と語るのは、5代目店主の丸山力三さん。そのこだわりは、この店が提供するすべてのサービスに息づいている。
『大黒家天麩羅』店舗詳細
90年以上の伝統を誇る身体にやさしいむぎとろ料理。『浅草むぎとろ本店』
隅田川沿いにたたずむむぎとろ料理の名店。粘りの強い大和芋をオリジナルの割下で伸ばしたとろろをむぎ飯にかけて食べるご飯まさに絶品。身体の中から健康になっていくかのような雰囲気を楽しめる。
人気の「十六々彩膳」はむぎとろ飯にピタリと相性のいいメニューを楽しみながら、優雅なランチタイムを過ごせることだろう。
『浅草むぎとろ本店』店舗詳細
美味しくて優しいふわふわおにぎり。『おにぎり 浅草宿六』
都内初のおにぎり専門店としても知られる『浅草 宿六』。祖母の代から始めたという現在の御主人の三浦さんによると、おにぎりはお米やのりはもちろん国産のものにこだわり、コメは時期ごとにその年最高のものをチョイスするというこだわりぶり。そして具材も梅干しならば紀州産の南高梅を選ぶなど、おにぎりというシンプルな料理をごちそうに昇華させていく。
ご飯を固めたもの=おにぎりという印象がある方にはぜひ足を運んでほしい。あのふんわりとした食感のおにぎりを一つ食べれば、おにぎりの概念が変わるはずだ。
『おにぎり 浅草宿六』店舗詳細
【浅草の胃袋を支えてきた愛され食堂】
メニューは100種類以上。迷ったら定食を『水口食堂』
浅草六区で昭和25年から営業している定食屋。ずらりと壁に並ぶ木札に書かれたメニューは100種類以上。刺し身、煮魚、焼き魚、フライ物、生姜焼きなどいずれも旨いが、いつも感心するのは基本となるご飯とアサリの味噌汁のおいしさだ。サービス定食800円を食すると、ほっくり幸せな気分に。昼間から一杯やっているおじさんや若い女性、外国人観光客と客層も幅広い。雑多な浅草の雰囲気がそのままある感じも心地よい。
『水口食堂』店舗詳細
でっかい百匁トンカツが売り『河金』
カウンターとテーブルが2つ。店内は広くはないが、トンカツはでっかい。ロース百匁(もんめ・380g)1700円をいただいた。ランチも旨いが、百匁肉の迫力はすごい。からっと揚がっていて、ジューシーな肉の味が口いっぱいに広がる。開業は大正7年。「河野金太郎が始めたんで、河金なんですよ」と、河野貴和さん。この金太郎さんが考案した「河金丼」がカツカレーのルーツだとか。
『河金』店舗詳細
【カフェの食事メニューもおいしい!】
長年愛されてきた自家製カレー『ピーター』
浅草でカレーがおいしい店として知られている。ボリュームたっぷりのカレー(並) 680円は、野菜と肉がごろりと入っていて、コクがありスパイシーながら優しい味。店主の左東正子さんが、カレー粉に昆布とかつお節でとったダシを加え、いくつかの隠し味を入れて丁寧に煮込む。この作り方は昭和41年以来変わっていないという。黄金バットの作者として知られる加太こうじさんが、浅草ゆかりのスターたちを描いたレトロな壁画も見もの。
『ピーター』店舗詳細
通えばハッピーになるモーニングセット。『FEBRUARY CAFE』
浅草のメインストリートから外れ、駒形の方まで歩いてくると……なんだかかわいらしい雰囲気のカフェが。ユニークな名前の由来は「春を待ちわびる2月の空気をそのまま店内に落とし込んで」のものだという。ちょっとした隠れ家感を楽しむようにやってきたお客さんはホットドリンクやトーストを楽しんでいる。
中でも人気を誇るのが朝パンセットと焦がしカラメル濃厚プリン。サックサクに仕上げたトーストと心がほっこりするカフェラテの相性は抜群で、昔ながらの製法で作られたプリンもまたクラシカルな味わいに。ひとたび足を運べば誰もが幸せになる空間と言えるだろう。
『FEBRUARY CAFE』店舗詳細
【注目の新鋭店】
中華麺と好バランスの濃厚ラクサ『リトル アジア』
マレーシア出身のホーさんが、中華麺に合うように地元のラクサをアレンジ。スープを濃縮させてコクを出したスープは、甘みとうまみ、じわじわ広がる辛味が溶け合って一度食べたら忘れられない。「中華やタイ、インドなどいろいろな調理法を組み合わせる料理に挑戦してます」とホーさん。残ったスープにモッツァレラとご飯を入れてリゾット感覚で締めくくれる〆セット250円~も最高!
『リトル アジア』店舗詳細
こだわりのパテとチーズで作る絶品クラシカルバーガー。『THE BURGER CRAFT』
和の雰囲気漂う観光地・浅草にある、クラシカルなハンバーガーを軸にした専門店『THE BURGER CRAFT』では、オーナーの曽根さんが熱意とこだわりを注いだ本格的なチーズバーガーが人気を博している。国産和牛をメインに使うものの、その中に敢えてUS産やオージー産など歯応えのある赤身肉を粗めに切って混ぜることで同じ牛肉でも異なる食感を楽しめる特製パテがこだわりのポイント。これに濃厚な味わいを誇るチェダーチーズが組み合わされば、誰もが大好きなスタンダードチェダーチーズバーガーに!
『THE BURGER CRAFT』店舗詳細
取材 ・文=伊東邦彦、村岡真理子、福嶌 弘、井島加恵 撮影=伊東悦代、村岡真理子、福嶌 弘、井上洋平