【御朱印≠記念スタンプ】
御朱印というのは本来、参拝者が写経をしてそれをお寺に納めた証としていただくものでした。
それが今は、参拝の証として御朱印をもらえるようになっているのです。
その為、お寺で販売されているものの表紙には「納経帳」と書かれていています。
また、お寺で御朱印を書いていただける場所が、「納経所」となっているのも由来を知れば納得でしょう。
御朱印集めをしていると、なんだかスタンプラリーのような気持ちになってくることがあります。
しかし、元来はお経を納めないといただけなかったものということを知ったうえで、御朱印集めを楽しみましょう!
【御朱印のもらい方】
では、それを踏まえ、御朱印をいただく手順です。
寺社に行ったらまず、手水舎で手と口を清めます。
そして、本堂や本殿にお参りをしましょう。
御朱印は元は納経やお参りの証ですので、お参りをせずに、御朱印をもらいに直行というのはご法度!
お参りが終わったら、納経所で書いてもらいたいページを差し出し御朱印をいただきます。
書き終わったものを受け取る際に、御朱印代を支払います。
値段が明記されている寺社も多く、300~500円が一般的です。
ただし「寸志」と書かれた寺社も。
こうした場所では、値段は決められていませんので気持ちを込めた金額をお支払いしましょう。
グッときた御朱印!学校で教わった「あの言葉」も御朱印に
ここからは、私ツバキングが実際にもらってグッときた御朱印をご紹介します。
まず最初は、奈良県にある法隆寺の御朱印。
こちらを開いたのが、聖徳太子であることは皆様も学校で教わったと思います。
御朱印に書かれているのも、そんな聖徳太子のあの言葉「以和為貴(和をもってとうとしとなす)」。
聖徳太子が制定した「十七条憲法」の第一条に記されており「お互いを尊重し合い認め合うのが、何よりも尊いことだ」という意味です。
今から1400年以上前に作られた憲法ですが、このささくれ立った現代に目にしてもグッとくるものがありますね。
特別な日の御朱印は特別な色で
基本的には印の朱色と墨の黒がベースの御朱印。
しかし、寺社によっては特別な日に期間限定で特別な御朱印を書いていただけることもあります。
例えば、青梅市の塩船観音。
ツツジで有名なこちらでは5月に多くの参拝者でにぎわいます。
私が訪れた年の5月は、元号が平成から令和に変わったタイミングだったためそれを記念して、墨ではなく金泥で御朱印を書いていただけました。
いつもの色合いと違って目に鮮やかでうれしくなります。
期間限定の御朱印は、様々な神社仏閣で実施されていますので、調べて参拝に行くのもいいですね!
朱印の最前線はハイテクと融合
朱色の印をして毛筆で記される御朱印は、古くからの伝統を感じさせます。
しかし、その最先端にはスマホアプリを使った、驚くべき機能が搭載されているのです!
そんな御朱印をいただけるのが、福岡市の紅葉八幡宮。
一見、普通の御朱印のようです。
ところが、この御朱印に紅葉八幡宮の公式アプリのカメラをかざすと、ARで神主さんが登場し祝詞(のりと)が始まります。
そして、同神社に祀られている神功皇后や応神天皇などの神々が登場!
神様にタッチするとポーズを決めたり駆け回るような演出まであるのです!
さらに、「おはなし」をタッチすれば、その神様に伝承やご利益について学ぶこともできるようになっています。
がっかりしたことも思い出に
字の上手下手で価値が変わらないことは承知していますが、ガッカリする御朱印をいただいたことがありました。
こちらは世田谷区のお寺でいただいたもので、贔屓目に見ても決して上手とは言えませんね。
この日は、通称「お面かぶり」と呼ばれる数年に一度の行事が開催されるの日なので、御朱印を書くお寺の方も3人体制で頑張っていました。
私が並んだ列で書いていたのは20歳くらいに見える若い小僧さん。慣れない手つきで、この御朱印が書かれたのです。
さらに、この「お面かぶり」という御朱印がもらえるは数年先ということも、私の落胆をブーストしました。
しかし、その後も御朱印を集めていき、後になってこの御朱印を見返すとなんだかとても愛らしく見えるのです。
猛暑の中並んで書いてもらったことや、あの時の気持ちが渦巻いて、ものすごくエモい気持ちになりました。
さらに今、「あの小僧さん、しっかり修行して立派になったかなぁ」なんて夢想もするようになっていて、今では他の人がもっていないこんな御朱印がとても大事です!
単なるお参りだけよりもう一歩踏み込め、思い出にもなる御朱印。
皆様も集めて見てはいかがでしょう。
なお、浄土真宗のお寺では御朱印を出していませんのでご注意を。
写真・文=Mr.tsubaking