東京・芝浦側からレインボーブリッジを歩いてお台場に上陸します。
 
今回はJR山手線「田町」駅からスタートしました。芝浦口から東側へ伸びる”なぎさ通り”を真っ直ぐに道なりに進みます。汐彩橋にさしかかってくると前方にレインボーブリッジの姿が見えてきました。主塔が高い! なぎさ通りをそのまま進みレインボーブリッジの橋桁の真下にやってきます。左手にレインボーブリッジ遊歩道の看板があり、その先の芝浦アンカレイジに入ります。

ビルのなかで進路は二つに分かれます。サウスルートとノースルート。サウスルートは南に面して東京湾の広い光景が、ノースルートは北に面して東京都心の高層ビル群の風景をそれぞれ見ることができます。ルートを途中で変更することはできませんので最初に選択しなければなりません。今回はサウスルートを歩くことにしました。

2階から7階へエレベーターで上がり、橋梁に側道のように付けられている遊歩道を歩き始めます。進行方向の先にはさっそく海上に浮かぶ台場とその奥にフジテレビの社屋ビルなどが望めました。また右手には大きく広がる東京湾と海を往く船の数々を目にすることもできます。

橋は中央にゆりかもめ線の線路がありその左右に上下の車道、そして一番外側に遊歩道がそれぞれ設けられています。橋桁の高さは海面から約52mでおよそ17階建てビルと同じ高さです。下を覗くと吸い込まれそう。遊歩道には転落防止のためにガッチリと金網が張られています。景観としてはよくありませんが、高所恐怖症の私には逆に安心。

江戸時代に造成された第六台場の真上近くまでやってきます。上空から見ると台場の構造がよく分かりました。台場は米国からの黒船の来襲に備えた砲台です。外縁部分が土手のように高く築かれて中央部分は低く窪地状になっています。なかに配置された兵士たちが外から狙撃されないための工夫なのでしょう。

レインボーブリッジの中央部分を過ぎると遊歩道はゆっくりと傾斜しながら高度を下げていきます。お台場側はアンカレイジのビルではなくそのまま歩いて地上に繋がっており、上陸地点はお台場海浜公園です。

公園には松並木と砂浜が続いており、砂を踏む気持ちのよい散策がさらに楽しめます。そのまま砂浜沿いに歩くと信号交差点のある車道に出ました。お台場のビル街に進めばゆりかもめ線「お台場海浜公園」駅、さらにその奥にりんかい線「東京テレポート」駅があります。

砂浜をもっと先へ進むとデックス東京ビーチやアクアシティお台場などのショッピングモールが並んでいます。また海岸には海へ突き出た展望デッキそして水上バス乗り場もあります。お台場でショッピングやお食事などを楽しんだ後は水上バスに乗船して浅草や日の出桟橋に出ても面白いかもしれません。

現代の大型の橋梁でこれだけ長い距離(約1.7km)を歩けるルートはほかにはなかなかないのではないでしょうか。普段であればゆりかもめ線ですっと通り過ぎてしまうことができますが、たまにはふらっと歩いていつもとは違う景色と風を感じながら歩くのも楽しいと思いました。タダだしね! およそ25分の快適で非日常的な海上散歩でした。

●レインボーブリッジ
正式名称は「東京港連絡橋」。
東京・芝浦と台場を結ぶ吊橋で全長は約800m。レインボーブリッジ遊歩道(レインボープロムナード)は全長が約1.7km。
営業時間/ 
4月から10月 9:00~21:00
11月から3月 10:00~18:00
休業日/ 第3月曜日(祝日の場合は翌日休み)
通行無料
留意事項/ 
①自転車に乗っての通行は不可。専用台座(貸与)を装着しての手押し通行は可能。
②自転車の場合、芝浦側から台場側への通行はサウスルート、逆の通行はノースルートの利用という一方通行。
③ペットを伴う通行は不可(ペット用かご等に入れればOK)。
④悪天候の場合は通行停止になることがある。
⑤芝浦アンカレイジの展望所は現在は閉鎖。

(2025/02/18 上町嵩広)