『カーサ・コボリ』麗しき各皿とナチュールに耽溺[国領]
ワインは300本近くストックがあり、99%が自然派ワイン。「おのおの表情が大きく違うし、飲み心地がいいんです」と小堀辰朗シェフ。イタリアンベースの料理は、新潟市で砂地栽培された野菜や、群馬県川場村のブッラータチーズなどシェフが惚(ほ)れ込んだ素材が彩りよく盛られ、一見しただけで喉が鳴る。パスタは手打ち、パンは自家製ととことん手作りにこだわるのは生産者の想いに応えたいから! 常連が途中下車して通うのも納得。
『カーサ・コボリ』店舗詳細
『ティオ・ダンジョウ』バルブーム牽引者が地元で再始動[調布]
1995年に都心でスペインバルを始めた檀上桂太さんが、地元に戻り2015年に開業。「うちは当時から変わらないコテコテのバル。スペインの下町のオヤジ酒場だね」。生ハムやオリーブオイルは当然、農家に大ぶりなものを特別栽培してもらうマッシュルーム鉄板焼きは、爪楊枝まで本国のもの! 活気あふれる店内で約30種揃うスペインワインやシェリー酒をあおれば、気分はもうマドリード。
『ティオ・ダンジョウ』店舗詳細
『ノベル クラフト』10周年を機に2024年春から自家醸造![千歳烏山]
「クラフトビール=IPAの概念を壊したく、タップから瓶、缶まで多様なスタイルのビールを扱っています」と芦名広将さん。リストは、イギリス発祥のビターエールから樽熟成、ハーブとスパイスの効いたものなど幅広く、説明も丁寧で分かりやすい。スモール140㎖から頼め、あれこれと試したくなる。「3~4月には、飲み飽きないセゾンやペルジャンエールなど自家醸造ビールも登場予定です!」。
『ノベル クラフト』店舗詳細
『デンゾウ・バー』珍しい栃木の地酒でしっぽりと[つつじヶ丘]
「栃木には、仙禽(せんきん)、鳳凰美田(ほうおうびでん)以外にもいいお酒があるのを伝えたい」という小倉誠さんの郷土愛が炸裂し、日本酒約25種はオール栃木産。芳醇から辛口まで栃木の酒は味わいが幅広く、「惣誉(そうほまれ)」特別純米990円の燗は刺し身やお出汁の旨いおひたしに寄り添うし、濃醇な「発光路強力(ほっこうじごうりき)」純米吟醸1155円(各一合)は和牛ステーキにも合う。店主の付かず離れずの接客も心地がよく、いつの間にか長っ尻。
『デンゾウ・バー』店舗詳細
『酒亭中華 いこい』和の要素も生かしたつまめる中華[仙川]
仙川出身の小池良紀さんが、本格中華や和食居酒屋を経て、2022年に開業。「大皿ではなく小ポーションで楽しめる中華の酒場をやりたかったんです」。かむと小籠包のようにスープがあふれる焼餃子や、生魚とピータンのコクが合うマグロとピータン香味和え各880円など、独自のアレンジが光る。白酒(パイチュウ)や紹興酒ほか中国のお酒も合うが、日本酒約15種や焼酎、日本ワインとの相性も試してみて!
『酒亭中華 いこい』店舗詳細
『酒場 フクスケ』獣肉をがっつり喰らう愉悦[つつじヶ丘]
全国の猟師や処理場から直接仕入れる、鹿・猪のジビエが主役。各皿盛りがいいうえ、1000円以下! 「大きな枝肉で仕入れ、自分でさばくので安く多く提供できるんです。やはりジビエは頬張ってなんぼ!」と加藤翼さん。猪肉の角煮980円は肉質きめ細やかで厚い脂が上品な甘さ。自家製ラー油のよだれシシ880円はイノシシの野性味とレモングラス、パクチーが相思相愛。そこにスパイシーサワー550円を流し込めば、口内で香りの多重奏!
『酒場 フクスケ』店舗詳細
取材・文=鈴木健太 撮影=丸毛 徹
『散歩の達人』2024年4月号より