【亀戸・向島・堀切の切絵図】
隅田川向島絵図
切絵図の左上に「香取明神」とあるのは香取神社で、近くに「梅屋敷」がある。「吾妻大権現」前に北十間川が流れ、切絵図上部には「業平(なりひら)橋」がある。左下には「名物梅飯茶ヤ」とグルメ情報も記載されているが、梅飯とは梅干しの炊き込みご飯だろうか? 想像しながら歩くと楽しくなる。
隅田川沿いには三囲神社を指す「ミメグリ稲荷社」、向島百花園の元となる「新梅屋敷」のほか、現存する「弘福寺」「長命寺」「木母寺」などの名前も見られる。歌川豊国(国貞)の浮世絵にある花菖蒲の風景は堀切村で、切絵図にも「堀切村百姓伊右ェ門 花菖蒲之名所ナリ」とある。現在も綾瀬川東側にある堀切菖蒲園では、5月下旬から6月上旬に約200種・約6000株のハナショウブの花々が愛でられる。
※掲載の古地図は、江戸の町を32区画に分割して作った切絵図を使用。すべて、麹町にあった金鱗堂が出版したもので、屋号である尾張屋清七から「尾張屋板(版)」と呼ばれる。鮮やかな多色刷りが特徴。
※切絵図内の白色の部分は【大名屋敷などの武家地・御用地】、赤色は【神社仏閣】、灰色は【町屋】、黄色は【道】、青色は【海・川・池】、緑色は【山林・土手・馬場・田畑など】を示している。
【散歩コース】
スタート:亀戸駅はJR総武線で秋葉原駅から9分・200円。
JR総武線・東武亀戸線亀戸駅→(12分/0.8km)→香取神社→(4分/0.3km)→梅屋敷跡→(33分/2.2km)→隅田公園→(8分/0.5km)→三囲神社→(7分/0.5km)→長命寺→(13分/0.9km)→向島百花園→(20分/1.4km)→木母寺→(46分/3.0km)→堀切菖蒲園→(10分/0.7km)→京成本線堀切菖蒲園駅
ゴール:堀切菖蒲園駅から京成本線で日暮里駅まで10分・200円、京成上野駅まで14分・200円。
今回のコース◆約10.3km/約2時間30分/約1万4300歩
勝利を願う人々に信仰される「香取神社」
藤原鎌足が天智天皇4年(665)に創建。その後、藤原秀郷が平将門討伐の戦勝祈願を行い、成就の御礼に弓矢を奉納し「勝矢」と命名した。源頼朝、徳川家康も崇敬した。このような由来から、「スポーツ振興の神」として多くの参拝者が訪れる。
「香取神社」詳細
龍のごとく地を這う奇木があった「梅屋敷跡」
本所の商人・伊勢屋彦右衛門の別荘には、数百本の梅が植えられ梅屋敷と呼ばれた。その中に臥龍梅(がりょうばい)という奇木があり、徳川8代将軍吉宗が見物に訪れた。歌川広重が『江戸名所百景 亀戸梅屋舗』に描いている。
「梅屋敷跡」詳細
水戸徳川家下屋敷は公園に「隅田公園」
隅田川の東岸にある隅田公園は、徳川御三家の一つ水戸徳川家の下屋敷だった。明治維新後は10代藩主の徳川慶篤が関東大震災まで暮らし、11代藩主の徳川昭武や最後の将軍徳川慶喜が幾度も訪れている。
「隅田公園」詳細
三井家が守護社と崇敬する「三囲神社」
南北朝時代に発見された神像の周りを、白狐が3度回って消えたという伝説から三囲神社と呼ばれる。江戸時代から三井家が篤く信仰する。
「三囲神社」詳細
隅田川七福神の弁財天も祀る「長命寺」
徳川3代将軍家光が鷹狩りの際に腹痛を起こし、この寺の井戸水で薬を飲んだところ痛みが消えた。家光は井戸水を長命水と称え、それを受けて寺号が改められた。
「長命寺」詳細
文人趣味豊かな町人の庭園『向島百花園』
骨董屋・佐原鞠塢(きくう)が文人墨客の協力を得て文化元年(1804)に造園。約360本の梅が植栽され、新梅屋敷と呼ばれた。その後、ミヤギノハギやススキなどが植えられ、四季の草花が楽しめるようになった。
『向島百花園』詳細
徳川家康も訪ねて山号を贈った「木母寺」
平安時代、京都の貴族の子・梅若丸が誘拐され、隅田川のほとりで亡くなった。その供養に建てられた念仏堂が始まりで、境内には梅若の母親が建立したと伝わる念仏堂や塚がある。
「木母寺」詳細
多品種の花菖蒲を同時に観賞できる『堀切菖蒲園』
江戸時代から堀切はハナショウブの名所で、歌川広重の『名所江戸百景』にも描かれた。堀切菖蒲園には約200種6000株のハナショウブが植栽され5月下旬から6月上旬に見頃を迎える。
『堀切菖蒲園』詳細
老舗のグルメを堪能!
創業300年の伝統の味を守る『長命寺桜もち』
創業者の山本新六が隅田川の桜並木にちなんで、塩漬けにした桜の葉で餡入りの餅を包んだ関東風桜もちを考案。1個250円から販売し、イートインは桜もち1個に煎茶が付いて500円。
『長命寺桜もち』店舗詳細
厳選した食材で作る三色団子『向島 言問団子』
江戸時代後期に創業。在原業平(ありわらのなりひら)の和歌にちなんで命名された言問団子は小豆色の小豆餡、白色の白餡、黄色の味噌餡の3種類がある。6個入り1480円~、イートイン3個(お茶付き)780円。
『向島 言問団子』店舗詳細
取材・⽂・撮影=アド・グリーン
『古地図であるく 大江戸散歩地図』より






