【根津】

『日本酒バー 慶』一期一会の日本酒と出汁香る肴&絶品うどん!

蛸と胡瓜の柚子胡椒サラダ、限定5食の自家製胡麻豆腐。
蛸と胡瓜の柚子胡椒サラダ、限定5食の自家製胡麻豆腐。

うどんの名店『根津 釜竹』の姉妹店で、出汁の効いた肴は酒が進む絶品ぞろい。日本酒は30種近く揃えているが、いつも同じ銘柄を置くのではなく、各種1本ずつ仕入れているため、毎週入れ替わる。また、締めにおすすめのうどんは『根津 釜竹』の麺を使用。カレーうどんはこの店でしか味わえないもので、名店のうどんを気軽に味わえるだけでなくオリジナルの味を楽しめるとあらば注文しない手はない!

和牛カレーうどん1320円。普段は温かいうどんのみだが、夏は写真のようなつけうどんでも提供する。
和牛カレーうどん1320円。普段は温かいうどんのみだが、夏は写真のようなつけうどんでも提供する。
1階はカウンター席で、靴を脱いで上がる2階には座敷席が4卓ほど。
1階はカウンター席で、靴を脱いで上がる2階には座敷席が4卓ほど。

『日本酒バー慶』店舗詳細

住所:東京都台東区谷中1-2-14/営業時間:18:00〜翌1:00/定休日:日・月/アクセス:地下鉄千代田線根津駅から徒歩4分

『根津 たけもと』素材重視の酒肴が左党を魅了

写真は新筍の丸焼きと 本マグロを使う九条葱と鮪のぬた。その日の仕入れ状況などによって変更になる。5500円のおまかせコースも用意。
写真は新筍の丸焼きと 本マグロを使う九条葱と鮪のぬた。その日の仕入れ状況などによって変更になる。5500円のおまかせコースも用意。

店主の竹本勝慶さんは「旬の食材本来の味と地酒を堪能してほしいので手の込んだものはないです」と謙遜するが、恰幅のいい体は〝うまいもん作ってくれる〞オーラが全開。シンプルに焼いた新筍の丸焼きはこの日提供されていた『獅子の里 超辛純米酒』のキレのある味わいと好相性だった。刺し身に目を転じれば当日は大間の本マグロや氷見の寒ブリなど。どの酒が合う?「蔵元の思いなどは伝えますが、押しつけはしません。自由に地酒を楽しんでください」。

店主は大塚にあった名酒場『こなから』で 19年料理を担当。日本酒は穏やかな味わ いの食中酒向きを中心に燗4種、冷や16 種ほど用意。日によっておすすめが提供される。
店主は大塚にあった名酒場『こなから』で 19年料理を担当。日本酒は穏やかな味わ いの食中酒向きを中心に燗4種、冷や16 種ほど用意。日によっておすすめが提供される。

『根津 たけもと』店舗詳細

住所:東京都文京区根津2-14-10 B1/営業時間:17:00~22:00/定休日:日・月/アクセス:地下鉄千代田線根津駅から徒歩3分

『根津 日本酒 多田』季節の味覚を繊細に重ねて

この日の料理は、ヌタ(右)と百合根のすり流しと海老芋、蕪の白味噌風2人前。
この日の料理は、ヌタ(右)と百合根のすり流しと海老芋、蕪の白味噌風2人前。

料理人の多田修平さんと唎酒師の章子さんの二人三脚で切り盛り。旬の食材をふんだんに使ったおまかせのコースを提供してくれる。「各地の漁師や農家から直送してもらった旬の食材を使い、日本酒が主役になるような料理を心がけています」。例えばひろっこと真カジキ、蕗の薹のヌタは、ひろっこのネギのような甘みとフキノトウの苦味で春の訪れを実感。章子さんが各料理に合うお酒を順次提案してくれるのもうれしい。「ヌタには、濃醇な『不老泉山廃純米吟醸』660円~を燗でぜひ!」。

多田さんの料理は砂糖と塩分控えめで酒を引き立てる。
多田さんの料理は砂糖と塩分控えめで酒を引き立てる。

『根津 日本酒 多田』店舗詳細

住所:東京都文京区根津2-15-12木村ビル1F/営業時間:18:00~23:30(早仕舞いもあり)/定休日:不定休/アクセス:地下鉄千代田線根津駅から徒歩3分

『ワインと小皿料理 Amilas(アミラス)』心地いい空気にゆだね、ひとりワイン

おすすめ盛り4種。取材日はほうれん草と金柑の白和え、柿と人参のラぺなど。イタリアのオレンジワイン「クリミーソ2018」。
おすすめ盛り4種。取材日はほうれん草と金柑の白和え、柿と人参のラぺなど。イタリアのオレンジワイン「クリミーソ2018」。

自然派ワインを愛する加藤あゆ美さんが、女性ひとりでも来やすいワインバーを2021年に開店。ワインリストがないのは字面の先入観だけでなく、造り手の思いを伝え、ボトルの雰囲気を見て決めてほしいから。「お好みを教えてもらえれば数本提案します。ワインが苦手な方にはハーフサイズでも」。優しい味付けの酒肴は小ポーションのお手頃価格ゆえ、ひとりであれこれつまむのが楽しい!

じゃが芋・ソーセージ・シュークルート煮込み。
じゃが芋・ソーセージ・シュークルート煮込み。
つかず離れずの接客で心地がいい。
つかず離れずの接客で心地がいい。

『ワインと小皿料理 Amilas』店舗詳細

住所:東京都文京区根津2-19-4 根津逢初2号館/営業時間:18:00〜24:00(金は〜翌1:00、土・祝は15:00〜23:00)/定休日:日・第1月/アクセス:地下鉄千代田線根津駅から徒歩1分

『谷中バール』深夜営業が希少な町イタリアン!

「根津駅の終電時間まで営業する日も!」と店主の大山さん。
「根津駅の終電時間まで営業する日も!」と店主の大山さん。

谷中の人気店が2022年に根津で復活。「この辺には少ない、夜遅くまでやってる店にしたくて」と店主の大山哲哉さん。「町の気軽なイタリアンです」と謙遜するが、焼きキャベツのカルボナーラソース1100円や蓋を開けるとふわふわふくらむ熱々オムレツなど、味に勢いがあり、銅マグで出すキンキンの角ハイ600円がグビグビ進む。締めは『浅草開化楼』製もちもちのパスタフレスカ(生麺)を使った一皿を!

期間限定のカッチョエペペほかパスタは約15種。
期間限定のカッチョエペペほかパスタは約15種。
白ワインでギアラなどを煮込み、ジェノベーゼソースで味付けした洋風もつ煮込みバジル。
白ワインでギアラなどを煮込み、ジェノベーゼソースで味付けした洋風もつ煮込みバジル。
オムレツ。
オムレツ。

『谷中バール』店舗詳細

住所:東京都文京区根津2-27-8/営業時間:12:00〜15:00・17:00〜24:00頃/定休日:日/アクセス:地下鉄千代田線根津駅から徒歩3分

『ダモンデ』繊細な肴と良酒をカジュアルに味わう

からすみとブルーチーズ。
からすみとブルーチーズ。

真鯛のあん肝和えは下にポン酢のジュレを敷いたり、からすみは純米酒漬けとラム酒漬けの2種を作ったり。各皿に、料亭で腕を磨いた佐藤猛さんの腕が光る。「和食ベースだけど気軽に入れるよう、カフェ風の内装にしました」。合わせるお酒は、燗映えする「白隠正宗」や「伊根満開」など、旨口の日本酒が充実。山形の「グレープリパブリック」など、繊細な味つけに合うナチュールワインも!

イカしんじょとだし炊きゴボウの卵黄ソース。
イカしんじょとだし炊きゴボウの卵黄ソース。
真鯛のあん肝和え。
真鯛のあん肝和え。
カウンター席とテーブル3卓。「夫は寝ても覚めても料理の話ばかり(笑)」と、ワインセレクト担当の杏梨さん(右)。
カウンター席とテーブル3卓。「夫は寝ても覚めても料理の話ばかり(笑)」と、ワインセレクト担当の杏梨さん(右)。

『ダモンデ』店舗詳細

住所:東京都文京区千駄木2-11-17 モンテベルデ千駄木101/営業時間:18:00〜23:00/定休日:月〜水のいずれかで不定休/アクセス:地下鉄千代田線千駄木駅から徒歩4分

【千駄木】

『ビアパブイシイ』樽替わりのクラフトビールとアレンジ光るイギリス料理

Aotearoa-アオテアロア-のハーフパイントと、コロネーションチキン。
Aotearoa-アオテアロア-のハーフパイントと、コロネーションチキン。

提供しているクラフトビールは基本4種類、なくなり次第別の銘柄に替えてゆく樽替わりだ。その日タップにつないでいるものや開栓待ちのものはSNSでも発信しているので、飲みたい銘柄がある日を虎視眈々と狙うのもあり。フードメニューはフィッシュ&チップスなどイギリス由来の料理が多く、アレンジを加えたコロネーションチキンはまろやかなソースのなかにクミンが効いている。週末には同じくイギリス伝統の料理で日曜日に食べる肉料理・サンデーローストも!

店の外にあるベンチで、わんちゃんと一緒にのんびり過ごすお客さんの姿も。
店の外にあるベンチで、わんちゃんと一緒にのんびり過ごすお客さんの姿も。
1階が立ち飲みのカウンター。2階にも12席ほどある。
1階が立ち飲みのカウンター。2階にも12席ほどある。

『ビアパブイシイ』店舗詳細

住所:東京都文京区千駄木3-45-8/営業時間:17:00~翌1:00(日は15:00~22:00)/定休日:月・火/アクセス:地下鉄千代田線千駄木駅から徒歩6分、JR・地下鉄西日暮里駅から徒歩7分

『串焼とくり』しっとり空間で店主渾身の1本を

左からふわとろの白レバ、しそ巻き、手羽など。
左からふわとろの白レバ、しそ巻き、手羽など。

きめ細かい肉質のつくば茜鶏を串打ちし、店内の風向きを読み炭の組み方を変える。コース専門の高級焼き鳥店と思いきや、さにあらず。「大切なのは酒場としての矜持。注文は1本からOKですし、サワーにもこだわっています」と店主・宮下正志さん。中火の遠火でじっくり焼いた手羽は皮カリカリ、ふりそでは心地よい弾力のあとに旨味がジュワ~。民芸調の落ち着いた店内で、次の1本を考えるのが幸せなのだ。

鶏もつとひよこ豆の白ワインソース煮込み。
鶏もつとひよこ豆の白ワインソース煮込み。
合鴨の和風ロースト黒こしょうソース。
合鴨の和風ロースト黒こしょうソース。
宮下さんセレクトのソウルやR&BといったメロウなBGMも、また酒肴。
宮下さんセレクトのソウルやR&BといったメロウなBGMも、また酒肴。

『串焼とくり』店舗詳細

住所:東京都文京区千駄木2-49-8/営業時間:18:00〜22:00LO/定休日:月/アクセス:地下鉄千代田線千駄木駅から徒歩6分

【日暮里】

『散ポタカフェ のんびりや』古民家の奥に変態的な偏愛酒

看板の鶏刺し3種盛り1800円、オムライス黒1200円など。剣菱樽酒880円。
看板の鶏刺し3種盛り1800円、オムライス黒1200円など。剣菱樽酒880円。

古民家カフェと思い、入り口の戸を引くと、「剣菱」の樽と目が合う。メニューに目をやれば、清酒を蒸留して仕込んだ焼酎「秀洋(しゅうよう)」が。屋号に似合わず、酒の顔ぶれが濃い! 「口で躍る妖艶な風味にひかれたドメーヌ・アツシ・スズキのワインなど、造り手の顔が見えるお酒が好きなんです」と妻のもしゃさん。夫のきんちゃんが繰り出す料理も、スーパーマリオフライやイカ墨の黒オムレツなど独創的ながら、彩りよし、味なおよし!

築100年余の古民家を夫婦でコツコツ改築。
築100年余の古民家を夫婦でコツコツ改築。

『散ポタカフェ のんびりや』店舗詳細

住所:東京都台東区谷中5-2-29/営業時間:11:30〜15:00・18:00〜23:00(土・日・祝は11:00〜23:00)/定休日:水・木/アクセス:JR日暮里駅から徒歩7分、地下鉄千代田線千駄木駅から徒歩9分

『谷中ビアホール』古民家でオリジナルのクラフトビールを

谷中ビアホールオリジナルテイスティングセット。
谷中ビアホールオリジナルテイスティングセット。

自慢は、群馬県八ッ場の自社醸造所で造るオリジナルビール。全10種のなかでも「谷中ビール」は谷中の街をイメージして作られたものだ。「ビール本場のドイツやベルギーのお客さんから『おいしいね』と言ってもらえることも多いんですよ」と谷津和彦さん。小鉢で提供されるおつまみも特徴的で、日本酒のアテというイメージが強い鮭とばも、驚くほどビールによく合う! クラフトビール好きはもちろん、谷中ならではの一杯を味わいたいなら絶対に外せない店だ。

アサリの佃煮、鮭とば、胡瓜と柚大根。
アサリの佃煮、鮭とば、胡瓜と柚大根。
昭和13年(1938)築の古民家3棟をリノベーションした「上野桜木あたり」にある。
昭和13年(1938)築の古民家3棟をリノベーションした「上野桜木あたり」にある。

『谷中ビアホール』店舗詳細

住所:東京都台東区上野桜木2-15-6/営業時間:11:00〜20:00/定休日:月/アクセス:JR・私鉄・日暮里・舎人ライナー日暮里駅から徒歩9分

【西日暮里】

『和酒・煮込み らいどん』今宵は肉と秘蔵焼酎でパワーチャージ

20数年前のブーム以来、本格焼酎を愛する店主・石井亮三さん。「青酎(あおちゅう)」など定番30種に加え、「世垂れひとり歩き」ほか秘蔵の珍しい焼酎も約10種用意。つまみの主役・もつ煮込み3種は牛すじ、もち豚てっぽう、国産牛ホルモンと各部位の鮮度に自信あり。さらにはクミンの効いたかぶりつきガーリックチキン1150円や厚切りネギ牛タン1230円などガッツリ系の酒肴が多く、骨太な焼酎と相思相愛だ。

入り口脇の窓に当日の日本酒の品揃えを書いている。
入り口脇の窓に当日の日本酒の品揃えを書いている。
カウンター8席、テーブル10席。
カウンター8席、テーブル10席。

『和酒・煮込み らいどん』店舗詳細

住所:東京都台東区谷中3-24-7/営業時間:17:00〜23:00/定休日:第2・4・5日、祝/アクセス:JR・私鉄・地下鉄西日暮里駅から徒歩6分

取材・文=鈴木健太、中村こより 撮影=山出高士、丸毛透

谷中・根津・千駄木エリアには、店主こだわりのラーメンをいただける店がいくつもあって、長らく愛されている老舗も数多い。ラーメン一筋の店主による渾身の一杯はもちろん、老舗の中華料理店がつくる工夫を凝らしたオリジナルメニューや、地方で生まれたローカルな味まで、よりどりみどり。さあ、今日はどの一杯にする?
散歩にぴったりのエリアとしてすっかり定着した谷根千。特に谷中ぎんざは食べ歩きのイメージも強いけれど、ランチ処も百花繚乱なのです。坂の多い街を登ったり下ったりしてお腹がすいたら、こだわりの味をたらふく食べられるお店へ、いざ!
谷中・根津・千駄木エリアをそぞろ歩けば、ゆったり過ごせる個性的なカフェがいくつも見つかる。古民家をリノベーションした趣ある空間に、店主のこだわりが光るメニュー、ひとりで静けさを堪能できる店もあれば常連さんと楽しくおしゃべりできる店も。さあ、今日はどこでお茶する?
いまや東京を代表する散歩スポットととなったこのエリア。江戸時代からの寺町および別荘地と庶民的な商店街を抱える「谷中」、夏目漱石や森鴎外、古今亭志ん生など文人墨客が多く住んだ住宅地「千駄木」、根津神社の門前町として栄え一時は遊郭もあった「根津」。3つの街の頭文字をとって通称「谷根千」。わずか1.5キロ正方ぐらいの面積に驚くほど多彩な風景がぎゅっと詰まった、まさに奇跡の街なのである。