【老舗でお手軽ランチ】
地元に愛され続ける老舗カフェのパスタランチ『コパン』[神楽坂]
神楽坂駅を出て神楽坂通りを下ってすぐのところにある老舗のカフェ『コパン』は、地元の人が気軽に集まる社交場のようなお店。神楽坂散策の途中にふらっと1人で立ち寄っても、グループでゆったりと雑談を楽しんでも大丈夫だ。
ランチの定番パスタセットは12種類から選べる。一番人気はナポリタンのセット。常連客が毎日でも注文できるようにと、シンプルな味付けにしている。具材はピーマン、玉ねぎ、ウィンナーで、パスタのモチモチ感とあわせて、まさに王道のナポリタンだ。
ランチではほかに、月替わりメニューやサンドイッチ類も充実している。
看板商品の神楽坂シュークリームは2層のたっぷりクリーム(カスタードクリームと生クリーム)で大きめサイズ。スイーツも忘れずにチェックしよう。
『コパン』店舗詳細
サックサクのフライが絶品!日替りランチ『キッチンアオキ』[飯田橋]
東西線飯田橋駅A4出口から徒歩1分。1966年創業の『キッチンアオキ』は、近隣の会社員から社員食堂のように重宝されてきた老舗洋食屋だ。先代の青木秀雄さんが始めた店を、息子の真太郎さんが2代目として守る。
揚げ物を中心に豊富なメニューがずらり。ご飯はお茶碗で、みそ汁や冷奴付きと、見た目は和風弁当の趣き。
おすすめは日替りランチだ。メンチカツ・海老フライ・カニポテトコロッケと、曜日で内容が変わるので、毎日食べに来てもいつも違うおかずが楽しめる。
おいしさの秘訣は先代の頃から使う「パン粉の主張が強過ぎない、うちのフライを活かすパン粉」だ。注文ごとに衣をつけるところから、作りたて揚げたてにこだわり、揚げるそばからいい香りが漂う。昔からの常連さんが親子3代で通う、あたたかくやさしい味であふれる店だ。
『キッチンアオキ』店舗詳細
奥深い味わいの継ぎ足しカレーが大人気『二丁目食堂 トレド』[神楽坂]
JR飯田橋駅から徒歩3分の場所にある神楽坂の老舗洋食店『二丁目食堂 トレド』。大人気メニューの1つ、継ぎ足しカレーは、お店の創業の時から「継ぎ足し」で出され続けてきたメニューだ。ビル建て替えのための休止を挟むものの、50年続く伝統の味わいは、ほかでは決して味わうことのできない一品。
まず感じるのはやさしい深み。もちろんしっかりとスパイスは効いているのだが、それを包み込むようにまろやかな旨味が広がる。
このまろやかさと深みは、もちろん継ぎ足し効果も大きいが、バナナやマンゴー、リンゴや野菜などが17種類も投入されているという。この素材を注ぎ足された「親カレー」に混ぜることで、どこにも真似できない奥深いカレーの味ができあがっている。
継ぎ足しカレー単体のほかにも、オムライス、トンカツ、ナポリタンとカレーがワンプレートに盛られた“大人のお子様ランチ”トルコライスも人気だ。
『二丁目食堂 トレド』店舗詳細
“海の宝石箱”ばらちらしをカウンターでいただく『すし茶屋 吟遊』[神楽坂]
神楽坂駅2番出口から徒歩1分の早稲田通り沿いにある『すし茶屋 吟遊』は、1987年にオープンしたお寿司屋さん。
神楽坂で寿司と聞くと少々腰が引けるが、店先に出されたお昼の献立には料理写真とともに値段もしっかり載っている。メニューは20種類以上、しかもほとんどが1000円以下! こんなお手頃価格でカウンター寿司が体験できるなんて夢みたい。
丼の人気No.1メニュー・ばらちらし990円は、色鮮やかでまるで“海の宝石箱”。ここで使われているマグロはなんと、夜のメニューでが1貫500円で出されているマグロと同じもの。しっかり下味が付いていて、醤油を使わなくてもそのままでどんどん箸が進む。
「他所で仕込んだものをそのまま使うことをしない」というのが店のこだわり。すべて職人さんの手で丁寧に作られる。
カウンターの寿司未体験の人は、まずはランチで一歩を踏み出してみてはどうだろう。
『すし茶屋 吟遊』店舗詳細
【雅でおしゃれ!】
昭和レトロな空間の復刻・グリーンカレー『神楽坂 和らく』[神楽坂]
『神楽坂 和らく』は、牛込神楽坂駅から大久保通りを牛込坂上に向かい、交番の脇の路地を入った路地にある1軒古民家。炉端席や階段下の隠れ家のような個室、畳敷きにテーブル席の広間や個室がある。細めの格子や使い込まれた簾、数寄屋風の床の間を設えた和空間で、平日ランチ限定の復刻・生麩入りグリーンカレーを注文。
艶消しの黒の器に盛り付けて、トーンの近い生麩を添えたグリーンカレーは、しっとりとした風情と華やぎのある和のお膳。揚げた生麩を箸でつまんでみると、しっかりとした食感。口に入れると、ぷにっとした弾力、揚げの香ばしさがグリーンカレーを受け止めている。
豚のスライス肉と鶏肉の両方が入っていて、グリーンカレーならではの香りと爽快さがあるけれど辛さはマイルド。タケノコやきくらげの歯ごたえも楽しい。
まずは平日ランチを全制覇、そしていつかは懐石コースやお祝い膳、夜のメニューも味わってみたい。
『神楽坂 和らく』店舗詳細
海鮮&魚卵を使った生パスタ『シーフードビストロ 魚卵House Eni』[飯田橋]
2013年7月にオープンした『シーフードビストロ 魚卵House Eni』。JRの高架と交差する目白通り沿いにあり、路面にはさまざまな店舗がひしめくなか、ひときわ目立つ赤い縁取りのビルだ。外観には可愛らしいエビとカニのイラストが描かれている。この店のコンセプトは「エビとカニ、魚卵をリーズナブルに楽しんでいただきたい」らしい。なるほど、外観のイラストと合点がいった。
平日ランチは650円から、シーフードと魚卵を使った生パスタとご飯ものを用意。サラダやポテト、ドリンクなどのサイドメニューはそれぞれ100円なので、1000円でも充分満足できる。
休日ランチはカニやウニなど高級食材のメニューも加わり、ややリッチになる。たとえば、タラコとイクラのパスタ950円は、モッチモチで太めの生パスタに、バターやマヨネーズ、しょうゆなどを加えたオリジナルのタラコソースがたっぷり和えてある。タラコのツブツブが惜しみなく入っていてソースがふわふわしている不思議な食感。まさに専門店ならではの味である。
江戸前の“粋”な心を感じるお手頃な天丼『一心 金子』[飯田橋]
飯田橋駅前の複合施設・飯田橋プラーノの1階にある『一心 金子』は、天麩羅専門の調理士の団体である一心会が手がける天麩羅専門店。伝統ある江戸前の味を多くの人に広めたいという思いからお手頃価格で提供している。
1000円以下でいただけるのは、大かき揚げ天丼920円。かき揚げの具はエビ、マイタケ、マコモダケ、長ネギ、ナス、アスパラ。厚めの衣にいい塩梅にしみこんだ丼つゆは、ずっとつぎ足しで使われている金子伝統の味。揚げたてのかき揚げを熱々の丼つゆにくぐらせることによって、かき揚げに丼つゆがぎゅっとしみこむのだ。
丼つゆは、毎日火を入れて、毎日味見をする。“だしは一番だししか使わない”“醤油を利かせたメリハリのある味”が江戸料理の「粋」な味付けなんだそう。この甘すぎない丼つゆのおかげで、どんどん箸が進む。
ぜひ天麩羅を揚げる職人の技を目の前で眺められるカウンター席に座って、贅沢なひと時を過ごそう。
『一心 金子』店舗詳細
食材にこだわり抜く。庶民派だけど価値アリ『神楽坂 むすびや』[神楽坂]
「無添加でおいしく安全な食材を使い、冷めてもおいしいおむすびをみなさんに提供したい」という想いから、2016年の元旦にオープンした『神楽坂 むすびや』。
30種以上から好きなおむすびを2個選べるおむすびセット700円のほか、店内ではお茶漬けも楽しめる。店頭でテイクアウトのおむすびやお弁当の購入も可能だ。
米から付け合わせの漬物まで良質な素材にこだわり抜いており、たとえば米は、お米マイスターが無農薬、減農薬、有機栽培で作っている農家を廻って厳選した1等米だけをオリジナルでブレンドし、おむすびに適した、甘くて柔らかく、口に入れるとホロホロとほどけるようなお米だ。
具材もできるだけ店内で手作りし、一番人気の鮭は築地で仕入れた良質な北海道産銀鮭を店内で焼き、手ほぐししている。旨味たっぷりのご飯とふわふわの銀鮭、香りの良い海苔が織りなすのは格別の味。なお、毎月2のつく日は鶏飯、5のつく日は鯛めしが食べられる。
『神楽坂 むすびや』店舗詳細
五臓六腑に染み渡るラーメン『しゃぶしゃぶ シャ豚ブリアン』[神楽坂]
神楽坂駅から徒歩1分、神楽坂通りから1本路地に入り、店の前にある樽が目印の肉料理店『しゃぶしゃぶ シャ豚ブリアン』。幻の豚肉と名高い、群馬県・加藤畜産の加藤ポークを使ったしゃぶしゃぶのほか、生姜焼きやヒレカツ、黒酢酢豚などが人気だ。
ランチはしゃぶしゃぶのスープを使ったテールスープのラーメンを展開している。ふわっとショウガが香り、滋味深いスープが五臓六腑に染み渡るテールスープのラーメンは、臭みが一切なく口に入れた瞬間にショウガが香る。サラサラとしたスープで、スッキリなのにコクが深く旨味がじんわり口の中に広がる。平たい太ちぢれ麺がそのスープを持ち上げてくれるので箸が進む。
加藤ポークのチャーシューもしっとりして柔らかい。チャーシューが鮮やかなバラ色なのに、しっかりタレの味が染みているところもすごい。トッピングの金ごまや長ネギのサポートもしっかりいい仕事をしている。
『しゃぶしゃぶ シャ豚ブリアン』店舗詳細
【町中華が旨い】
肉汁たっぷりパリパリ羽餃子は1日1300個も売れる!『おけ以』[飯田橋]
飯田橋駅西口から徒歩2分のところにある餃子の超人気店『おけ以』は、1954年創業というから、すでに70年弱(2022年時点)の歴史がある。開店当初は東京に餃子を出すお店が1店しかなかったという。つまり、東京の餃子の歴史そのものともいえるお店なのだ。
お店の一番人気はもちろん餃子。来店された客のほとんどが注文し、1日に1300個も出るとのこと。
そのおいしさの秘密は店主のこだわり。餡、皮、焼き方すべてに工夫を凝らし、作り始めからお客さんに提供するまでに、なんと3日間もかけている。皮は信じられないほどのもちもちで、羽のパリパリとのハーモニーもたまらない。そしてあふれる肉汁と野菜の甘み。その味は一口食べて明らかに違う。
餡にしっかりと味付けがされているので「最初の一口は何もつけずにどうぞ」と店主。ライスによし、ラーメンによし、そしてもちろんビールにも相性抜群。多くの人がわざわざこの餃子を目当てにこのお店を訪ねるのも納得だ。
『おけ以』店舗詳細
ぱらぱらチャーハンと創作料理で人をつなぐ『幸せのはし』[神楽坂]
神楽坂駅から徒歩4分、2006年創業の『幸せのはし』。店主は洋食、フランス料理、イタリア料理、エジプト料理、スペイン料理、日本料理とさまざまなジャンルで30年以上修業してきた。店先には“創作料理とぱらぱらチャーハンの店”とあり、ランチメニューはバラエティー豊かなチャーハンが並ぶ。
人気のチャーハンは、よりぱらぱらになるように小粒のブレンド米を使用。ぱらぱらだけどほどよくまとまり食べやすい仕上がりだ。餡は鰹と鶏ガラのスープに醤油、砂糖、酢など、具は蒸し鶏や干し椎茸、タケノコ、ニンジンなど、和テイストのあっさりした味わい。味噌汁付きなのも和食風。原点が母の手料理であり、日本料理の経験も活かされている。
ランチに味噌汁、サラダ、杏仁豆腐が付いているのは、食材をバランスよく食べてもらうための心配り。フレンチの技法を用いた杏仁豆腐は硬すぎず柔らかすぎず、ほどよいコクもある本格的な一品。夜は、多彩な創作料理とワインやお酒が楽しめる。
『幸せのはし』店舗詳細
ボリューム満点&格安ランチで老舗創作中華を堪能。『宝龍』[神楽坂]
1952年、神楽坂の地で産声を上げた中華料理店『宝龍』。代々親子で営んできた町中華は、長年、地元の人たちに親しまれている。
お得なランチセットは、麻婆豆腐800円、上海焼きそば850円、酢豚930円、週替わりメニュー930円の4種類。メイン料理のほかに、ジャンボシュウマイ、自家製ザーサイ、スープが付く。プラス焼飯、ライス、杏仁豆腐の中からもう1品選べてコスパ最強!
先代オリジナルの中華をおなかいっぱい食べられるのが人気の理由だ。なかでも上海焼きそばは絶品。中華スープで炒め煮した、たっぷり野菜としっとりつるつるの麺が特長だ。
店イチオシのふんわりモチモチしたジャンボシュウマイには国産もち豚を使用。ゴロッとしたジューシーな挽き肉と玉ねぎの甘みが後を引く。
常連さんが多くアットホームな雰囲気で、こまやかな気配りのある接客が嬉しい。初めてでも気軽に入れて居心地がよく、味・価格・ボリューム・雰囲気、すべてが折り紙付きだ。
『宝龍』店舗詳細
ハラペコを支える早い・うまい・安い町中華『神楽坂飯店』[飯田橋]
飯田橋から徒歩1分、飯田橋西口を外堀通り沿いに歩くとすぐ「一升炒飯・ジャンボ餃子・百ヶ餃子 挑戦受付中!」と書かれた青いテントが見えてくる。チャレンジメニューで有名な『神楽坂飯店』だ。
ランチメニューはラーメン550円から定食までほとんどが1000円以内。なかでもおすすめは、ネギとエビ、卵チャーハンのコントラストが美しい海老かけ炒飯780円。やや塩が利いたあんにはプリップリのエビと、シャキシャキのネギががたっぷり。卵チャーハンはふんわりとしている。あんとチャーハンを混ぜれば、お茶漬けのようにサラサラと食べられる。
注文するや否や、5分と待たずに提供してくれるのもうれしい。早い、うまい、安い『神楽坂飯店』は、2階に麻雀クラブも併設されており、ゲームをしながらの食事も可能だ。
『神楽坂飯店』店舗詳細
【神楽坂の絶品定食】
コスパ最強な鶏から揚げランチ『とり酒場 わや 神楽坂』[神楽坂]
神楽坂駅から徒歩1分の『とり酒場 わや 神楽坂』は鶏料理をメインとした居酒屋。オーナーはチェーンの居酒屋で10年修業した鶏料理のエキスパートだ。
低価格なのに小鉢が充実のランチは、ボリューム満点で地元で働く人たちに大人気。ごはんとお味噌汁はおかわり無料。しかも大盛りも無料だ。
人気メニューの1つ、鶏から揚げ定食は、オリジナルレシピの自家製たれで味つけ。注文が入ってから揚げ始めるので、外はカリカリ、中はジューシーな揚げたてのから揚げをいただける。ランチではチキン南蛮定食や絶品スープの水炊き鍋定食もおすすめだ。
仕事帰りにアルコールを飲みながら夕食をいただく人のために夜定食も用意されている。居酒屋メニューもこだわりの焼き鳥やじっくりと煮こんだ鶏白湯仕立ての鍋など絶品ぞろいで、ランチだけでなく夜に訪れるのもおすすめだ。
『とり酒場 わや 神楽坂』店舗詳細
目の前に出されるおかずは二人前『ろくでもない喰いもの屋 くま』[神楽坂]
東西線神楽坂駅を出て約10分。早稲田通り沿いにそこだけ樹々が豊かに生えている一角が現れる。茂み中央の緑のトンネルを分け入るように進んでいくと、「ここは絶対おいしい店」であることを予感させるボードいっぱいの手書きのメニューが立てられた入口に到着する。ここが知る人ぞ知る定食屋『ろくでもない喰いもの屋 くま』だ。
店に入ると、目の前の壁には「あれもこれも食べたい!」というお客さんの贅沢な気持ちにこたえるように、おかずが組み合わされたセットメニューがたくさん並んでいる。
注文し待つこと数分。運ばれてきた定食に思わずのけぞる。サラダが添えられた巨大なコロッケにハムエッグがトッピングされた一皿。そして同じくサラダ付き豚の生姜焼き。それぞれのおかずは、ほかの定食屋さんであれば、立派に一人前の分量。つまり二人前のおかずにご飯とお味噌汁という構成なのだ。
江戸っ子気質、一見こわもてのご主人も一言話せばとてもハートフル。たまらない魅力の定食屋さんだ。
『ろくでもない喰いもの屋 くま』店舗詳細
取材・文・撮影=丸山美紀(アート・サプライ)、大熊美智代、松本美和、夏井誠、パンチ広沢、コバヤシヒロミ