鯵家
朝な夕な使えるアジずくめの味な店
店名に冠した通り、ずらりと揃えたアジ料理。「次にブームが来るのはアジですから!」と、店長の中西大祐さんは言い切る。鳥取県の境港に揚がった新鮮なアジを、近くの工場で捌いて直送。ゆえに、青臭さは皆無だ。アジの漬け丼は、九州の出汁醤油をベースにブレンドした特製タレが旨味を引き出し、丼をつかんでわしわし頬張れる一品。アジフライや、骨と尻尾を叩いたアジメンチは単品注文もでき、酒の肴にも最高。昼飲みも!?
『鯵家』店舗詳細
タイ料理 Red Orchid
ハーブとスパイス癒やしのサワディーカー
「パクチーは根っこが大事よ」と、常連客からビーちゃんと呼ばれる寺山シリワンさんが微笑む。白い根はスープストックに用い、特有の香りを生むのだが、とにかく料理の要となる野菜とハーブが新鮮で、タイのナスやガパオも味の濃さに驚く。「実は、タイ人の農家さんが売りに来るんです」。これが、ひと味違うゆえんだろう。バンコクの料理学校で学んだ本場直球の味だが、「パクチーと辛いの大丈夫ですか」と聞き、好みに仕上げてくれる。
『タイ料理 Red Orchid』店舗詳細
ラーメン専門店 ゆうひ屋
ゆず香るあっさり系
開店10周年を記念した新メニューが評判となり、いまでは看板メニューにまで成長。ゆずの香りをより楽しんでもらえるよう、器は口が広く、背が高いものを使用している。ゆず感を最大限に味わうなら、無料トッピングの「ユズショウガ」をオーダーするのがおすすめ。さっぱりとした煮干しベースのスープと相性抜群のゆず、そしてショウガの香りが織りなすハーモニーが、飲んだあとの締めにも合いそうな。これも飲み屋が多い赤羽ならでは?
『ラーメン専門店 ゆうひ屋』店舗詳細
竹山食堂
笑顔満載のいぶし銀な味
壁に並ぶお品書きで、いきなり迷いの森。でもまずは、人気のハンバーグ定食に手を出すべし。2代目店主の竹山正義さんは、帝国ホテルの総料理長だった故村上信夫氏に薫陶を受けていて、「ハンバーグの焼き方がうまいって褒められてね。お世辞でもうれしくて、帝国ホテル風って黒板に書いちゃった」と、ちゃめっ気たっぷり。豚ひき肉に生のタマネギを加えたのは甘みを抑えるため。ふんわり柔らかく、目玉焼きとともに頬張れば口福実感。
『竹山食堂』店舗詳細
手打うどん すみた
東京讃岐の狼煙はここから上がった
「普通のことをやってるだけ」と店主は謙遜するが、東京での讃岐うどん人気の火付け役の一端を担った名店。粉の量に対し、水50~51%と加水率の高い生地を、何度も踏んで鍛えたうどんは、最初もちっとした食感ながら噛むと跳ね返すような弾力が官能的。いりこなどの天然出汁に、讃岐うどんには珍しくかえしを加えたやや甘めのつゆは、パワーのある麺とがっぷりよつなのだ。夜は地酒を傾けながら茹で上がりを待つのも乙。
『手打うどん すみた』店舗詳細
焙煎汐蕎麦処金字塔
塩ラーメンの進化形がここにある
竹の塚の名店『らーめんしおの風』を手がけた店主が立ち上げた。塩ラーメンの進化形がコンセプトで、塩ラーメンの金字塔になるようにと、名を付けたという。国産鶏ガラやモミジ、ゲンコツなどをじっくりとオーブンで焼いた後にスープを作る「焙煎スープ」は、素材の旨味を極限まで出し、白トリュフオイルが独特の風味と香りを加えている。別で供されるコーヒーオイルを好みで加えれば、味わいが変化し、まるで違う塩そばを食べているようだ。
『焙煎汐蕎麦処金字塔』
構成=佐藤宇紘 取材・文=上原 純、佐藤さゆり・松井一恵(teamまめ)、鈴木健太、鈴木さや香、速志 淳(アドグリーン) 撮影=オカダタカオ、小野広幸、加藤昌人、鈴木愛子、高野尚人、塙弘明(アドグリーン)、山出高士