『麺処 ほん田』出身の店主が営むラーメン店

看板の『麺処 夏海』の脇には『麺処ほん田』とある。2017年に店舗を買い取って『麺処ほん田』の支店から独立したが、北区エリアでは『麺処ほん田』は馴染み深い店なので、看板には文字を残しているという。

「本田さんとは仲良くやっています」と店主の吉越さん。「『麺処 ほん田』で働いてから独立した人間は多く、横の繋がりもあります。休みの日には、それぞれの店に食べに行って『おお~おいしいもん作ってるな!』と叩きのめされる。そして次の日、店で『がんばろう!』と。その繰り返しですね」と話す。

期待が高まるなか、特製塩ラーメンをいただいてみた。

カウンター10席。昼時には常連さんで埋まる。
吉越旭さん。ラーメン歴は10年以上。

体に染み込む旨さの塩ラーメン。手間暇をかけて作ったチャーシューが絶品

全部のせ特製塩ラーメン1050円。縮れ麺と細麺から選べる。

特製塩ラーメンの澄んだスープは、魚介や生姜、柚子の香りが香ばしい。スープは鶏や豚などの動物系がメインだが、味に複雑さを出すために乾物、煮干し、ホタテ、鯛などの魚介も使う。あっさりしていながら深みのある味わいで、体に染み込むような美味しさだ。麺やスープはもちろん、3種類のチャーシューも絶品。三元豚の赤身の部分を香味ダレに漬け込んだレアチャーシュー、脂身の多い肩ロースの部分は、塩・胡椒と少しタレもつけて吊るし焼きにしている。これをスープに浸すと、しっとりとして食べやすくなるのだ。

「香味ダレのメインは生姜、玉ネギ、ハチミツ。甘いですが、焼いた時にバランスがよくなる配合です。塩ラーメンに入っている柚子は、夏はタイミングでスダチ、冬は取れれば各地の厳選柚子を入れています」と、吉越さん。この味の深みは、手間暇をかけて作ったものなのだ。「手間を惜しまず、価格も抑えて週に何度でも足を運んでもらえるようなラーメンを目指しています」。

モッチリとした多加水の縮れ麺。

毎月最終木曜に限定ラーメンを発売

達筆のお品書きは、大東文化大学の先生が書いてくれているそう。

店内には達筆な文字のお品書きがズラリ。食数限定の日替わり限定ラーメンを販売し、毎月最終木曜には、シジミや入梅イワシといった旬の素材で新しいラーメンを作っている。1年に1回、7月23日の「夏海(ナツミ)の日」には、冷やしの塩ラーメンを出す。このラーメンも人気だが、一番寒い2月に提供される豚汁ラーメンを心待ちにしている人も多いという。

住所:東京都北区赤羽1-18-4/営業時間:11:00~15:00・18:00~22:00/定休日:無休/アクセス:JR赤羽駅から徒歩3分

取材・文・撮影=新井鏡子