進化を止めないラーメン店『麺処 夏海』

全部のせ特製塩ラーメン1050円。縮れ麺と細麺から選べる。
全部のせ特製塩ラーメン1050円。縮れ麺と細麺から選べる。

店主は人気店『麺処 ほん田』出身。故郷、新潟の生姜醤油ラーメンを独自の解釈で進化させたラーメンや、日替わりや月一の限定ラーメンを出すなど、新しい味の追求に余念がない。特製塩ラーメンのスープは、鶏、豚など動物系をメインに、煮干しやホタテ、鯛など魚介から出汁をとり、あっさりしていながら深みのある味を出している。香味ダレに漬け込んだレアチャーシューや、脂身の多い肩ロースを吊し焼きにしたチャーシューなど、3種のチャーシューも絶品。

達筆のお品書きは、大東文化大学の先生が書いてくれている。
達筆のお品書きは、大東文化大学の先生が書いてくれている。
カウンター10席。昼時には常連さんで埋まる。
カウンター10席。昼時には常連さんで埋まる。

カウンター10席。昼時には常連さんで埋まる『麺や さい門』

鮮やかなオレンジ色のオマール海老味噌味玉ラーメン980円。
鮮やかなオレンジ色のオマール海老味噌味玉ラーメン980円。

2019年12月にオープン。店名の「さい門」は、料理人であるサイモンさんの名前から。サイモンさんは、故郷のオーストラリアで奥様の須永有沙さんと出会って日本へ移住。フランス料理とラーメンを学んだ後、夫婦で出店した。来日してからはさまざまなラーメンを食べ歩き、研究したという大のラーメン好きだ。人気はスープに濃厚な海老の旨みが凝縮された、オマール海老味噌ラーメン。サイモンさんが学んだフランス料理の知識を生かして作り上げた珠玉の一杯だ。

現在はカウンター9席。シンプルで清潔感あふれる店内。
現在はカウンター9席。シンプルで清潔感あふれる店内。
シェフのサイモンさんと奥様の須永有紗(すながありさ)さん。
シェフのサイモンさんと奥様の須永有紗(すながありさ)さん。

一度食べたら忘れられない担々麺『自家製麺ほうきぼし』

基本の汁なし担々麺880円。テイクアウト900円もおすすめ。
基本の汁なし担々麺880円。テイクアウト900円もおすすめ。

店主の毛利友紀乃さんが、まだ10代でオープンさせた店。中華料理店を営んでいた祖父の影響で、辛い物のなかでも、特に担々麺が好きだった毛利さん。母の後押しもあり、オリジナルの担々麺を作り上げた。看板料理となった汁なし担々麺は、担々麺には珍しい太麺を使用。歯応えがある手打ちのような麺に、ラー油や特製ダレがよく絡み、ナッツや揚げ麺の食感もいい。コクの強いゴマや、花椒の香りも食欲をそそる。思わず箸が止まらなくほどのおいしさだ。

店主の毛利友紀乃さん。現在は横浜の関内店で腕を振るうかたわら、新店舗オープンに向けて企画プロデュース中。
店主の毛利友紀乃さん。現在は横浜の関内店で腕を振るうかたわら、新店舗オープンに向けて企画プロデュース中。
赤やピンクが基調のアジアンな雰囲気の内装。かわいい。
赤やピンクが基調のアジアンな雰囲気の内装。かわいい。

飲み屋街の外れに行列ができる『麺 高はし』

肉入りつけそば950円。麺は210g、チャーシューは肩ロース。
肉入りつけそば950円。麺は210g、チャーシューは肩ロース。

飲み屋街の一角にある店主ひとりで営む店。つけそば(つけ麺)が人気で、常に数人の行列ができるほど。創業以来使っているという浅草開化楼の麺は210gとボリュームたっぷり。つゆはじっくり煮込んだモミジと魚介がベース。つゆにありがちな甘さや酸味はなく、魚介の香ばしさや脂の旨みが際立つ。麺を食べ終わったタイミングで小鉢に入ったスープがすっと出てくる。つゆに入れて、スープ割りを楽しむのがこの店の流儀。

現在(2020年7月)は、カウンター6席。ちょうどいい間隔だ。
現在(2020年7月)は、カウンター6席。ちょうどいい間隔だ。
ひっそりとした佇まい。
ひっそりとした佇まい。
住所:東京都北区赤羽1-38-10 内山ビル1F/営業時間:11:00~13:20・17:20~18:20(土・祝は10:30~12:30。売り切れ次第閉店)/定休日:日(土・祝不定)/アクセス:JR赤羽駅から徒歩5分

初代から受け継いだ青竹手打ち麺が自慢『手打ら~めん 満月』

ら~めん750円。具は自家製チャーシュー、メンマ、のり、カイワレにネギとシンプル。
ら~めん750円。具は自家製チャーシュー、メンマ、のり、カイワレにネギとシンプル。

1973年創業のラーメン店。初代店主から代替わりした二代目は和食の道で6年修業し、初代の味を守りつつ和食の経験を活かして進化させてきた。豚ガラ、鶏ガラなど動物系だった基本のらーめんスープは、鰹節を加えて和食寄りの味に。上品にまとめられたスープは、あっという間に飲み干してしまいそうになるほど絶品だ。

初代から受け継いだ青竹手打ち麺は、柔らかな食感にほどよい縮れでスープを吸い上げる極上の麺。スープで8時間茹で、3時間タレで煮込んだチャーシューも、初代と二代目がぶつかりながら仕上げた自慢の味だ。

賄いから生まれた『野菜炒めざるらーめん』、お客さんやお店のスタッフの何気ないひと言で生まれた『ベーコンらーめん』など、豊富なメニューも魅力。子供や孫、ひ孫と5世代にわたって通う常連客や、母から娘と代々バイトに来てくれる方も多い。みんなが「ただいま」といって帰ってくる、赤羽で長く愛されてきた店だ。

名物青竹手打ち麺。練り上げた麺塊を切り分け孟宗竹に足をかけ体重を乗せて伸ばしていく。
名物青竹手打ち麺。練り上げた麺塊を切り分け孟宗竹に足をかけ体重を乗せて伸ばしていく。
タレで煮込まれるチャーシュー。右のちゃーしゅうめん用は左のらーめん用のほぼ倍の大きさ!
タレで煮込まれるチャーシュー。右のちゃーしゅうめん用は左のらーめん用のほぼ倍の大きさ!

『手打ら~めん 満月』店舗詳細

住所:東京都北区赤羽西1-37-3 赤羽アイ・エスビル1F/営業時間:11:30~14:30(土・日・祝は~15:00)・17:30~21:30/定休日:月/アクセス:JR各線赤羽駅から徒歩3分

那須塩原のご当地麺スープ入り焼きそばが名物『中華 凛凛』

スープ入り焼きそば800円。店主が子供の頃から慣れ親しんだ味を再現しつつ、ボリューム満点に仕上げた一杯。
スープ入り焼きそば800円。店主が子供の頃から慣れ親しんだ味を再現しつつ、ボリューム満点に仕上げた一杯。

店主は上野の中華料理店『東天紅』で修業後、赤羽で開業して31年の料理人歴48年。地元・那須塩原で子どもの頃から慣れ親しんだご当地麺「スープ入り焼きそば」を、都内で唯一提供している。故郷の味を再現しつつ、ご当地では豚肉、鶏肉が入るところを海鮮や野菜をたっぷり使ってボリューム満点に仕上げた一杯だ。

まずは純粋なスープを味わい、徐々に麺からソースが溶け出していく味の変化を楽しむのがスープ入り焼きそばの醍醐味。テレビや雑誌でよく取り上げられるので、それを見て遠方から足を運ぶ人も多い。

カウンター5席のこぢんまりとした店を夫婦二人で営みながら、出前や弁当の配達にも対応。4年前に西口から移転しているので、ちょっと遠くなった常連さんも多く出前は喜ばれている。もちろん「スープ入り焼きそば」を出前で堪能するのもありだ。ラーメンスープの中に入った焼きそばという未知の味をぜひ味わってほしい。

麺を焼き付けるのがポイント。しっかり炒めることで麺にソース味がしみこむ。
麺を焼き付けるのがポイント。しっかり炒めることで麺にソース味がしみこむ。
焼きそばは蒸し麺を使うところラーメン用の中麺を使用。通常の焼きそばにしても美味しい麺だ。
焼きそばは蒸し麺を使うところラーメン用の中麺を使用。通常の焼きそばにしても美味しい麺だ。

『中華 凛凛』店舗詳細

住所:東京都北区志茂1-10-1/営業時間:11:00~13:30・17:00~21:00(出前は20:00まで)/定休日:水/アクセス:JR京浜東北線赤羽駅から徒歩11分

こだわりの豚骨醤油は毎日食べられる味『赤羽らーめん 粋』

らーめん550円。濃厚な豚骨醤油スープに太麺。具はバラチャーシュー1枚、硬めの海苔3枚、ほうれん草。
らーめん550円。濃厚な豚骨醤油スープに太麺。具はバラチャーシュー1枚、硬めの海苔3枚、ほうれん草。

店主がトラックで全国を食べ歩いて生まれたラーメンは、家系での修業とさまざまなラーメンのテイストが詰まったハイブリッドな醤油豚骨ラーメン。カスタマイズは、タレの濃さ、鶏油の量、麺の硬さだけでなく、細麺・太麺も選べて替玉もあるという、確かに家系だけでない要素がいたるところに満載だ。

大きな寸胴にゲンコツ、背ガラ、鶏ガラを入れ、長いエンマ棒で攪拌しながら長時間炊き上げるスープは、濃厚な豚骨でとろりと粘度もある。やや甘めだがあっさりした醤油ダレで、なめらかな口当たりのなかにほんの細かな骨粉も。しっかり炊かれた豚骨の旨味あふれるスープだ。

らーめんは豚骨醤油のほかに、豚骨塩、豚骨味噌、さらに豚骨魚介つけめんもあり、じっくり炊いた豚骨をいろんなバリエーションで楽しめる。麺も細麺と太麺をお好みや飲んだ〆には細麺とか、その日のシチュエーションに応じて選ぶのもよし。手間暇かけてお値段以上とお財布にもやさしい!

大きな寸胴にゲンコツ、背ガラ、鶏ガラを入れ、長いエンマ棒で攪拌しながら長時間煮込むことで旨味が凝縮。
大きな寸胴にゲンコツ、背ガラ、鶏ガラを入れ、長いエンマ棒で攪拌しながら長時間煮込むことで旨味が凝縮。
卓上の調味料は卸しニンニク、ショウガ、豆板醬、胡椒、一味、ゴマ。
卓上の調味料は卸しニンニク、ショウガ、豆板醬、胡椒、一味、ゴマ。

『赤羽らーめん 粋』店舗詳細

住所:東京都北区赤羽2-13-2/営業時間:11:00~翌2:30/定休日:無/アクセス:JR京浜東北線赤羽駅から徒歩5分

ラーメンの神様・山岸氏の弟子が紡ぐ店『大勝軒まるいち』

つけ麺850円。並盛で麺量は茹で後600gとボリューム満点。やや黄色い玉子色でつやつやなめらか。
つけ麺850円。並盛で麺量は茹で後600gとボリューム満点。やや黄色い玉子色でつやつやなめらか。

『東池袋大勝軒』創業者の山岸一雄マスターの志を受け継ぐ弟子の店。お馴染みの「もりそば」は、時代に合わせて「つけ麺」と名前を変えて提供している。

元祖の味を受け継ぎつつ、味を進化させていったつけ麺は、今風にアレンジしてこってりした豚骨魚介のつけ麺。豚骨と鶏ガラに鯖節と煮干しなどを加えて、最後にもう一度、追い鯖節・煮干しで魚介を強く仕上げることで、濃厚ながら魚介の風味であっさりいただける。

麺は、グルテンの強い小麦粉とタンパク質が多い小麦粉を合わせ、加水率が高めでコシが強くてもっちり感があるのが特徴。並盛で麺量は茹で後600gというボリュームに、「美味しい麺をたくさん食べてもらいたい」という山岸マスターから受け継がれた想いも伝わる。小食の方、女性向けには麺少な目のちょいつけ麺(180g)も用意されているという心配りも。元祖の味とともに、冬には生姜味噌ラーメンなど四季折々の限定商品も見逃せない。

卓上には胡椒、一味唐辛子、醤油、酢、ラー油、豆板醤、おろしニンニクなど。
卓上には胡椒、一味唐辛子、醤油、酢、ラー油、豆板醤、おろしニンニクなど。
山岸一雄氏の書「赤羽に旨いものあり特もりのわすれられないそばの味」。
山岸一雄氏の書「赤羽に旨いものあり特もりのわすれられないそばの味」。

『大勝軒まるいち 赤羽店』店舗詳細

伯父や父の煮干し中華の味を世界に広める『自家製麺 伊藤』

肉そば 小(焼豚4枚)800円。基本の具はネギのみというシンプルなスタイル。
肉そば 小(焼豚4枚)800円。基本の具はネギのみというシンプルなスタイル。

煮干し中華そばの先駆け的存在である、秋田角館『自家製麺 伊藤』を伯父、王子神谷『中華そば 伊藤』を父に持ち、その味を受け継ぐ伊藤家の店。ラーメンは九十九里の煮干しを使った「中華そば」と、秋田比内地鶏に煮干しを合わせた「比内地鶏そば」の二枚看板。尊敬する父と伯父、2人の味を広めたいと2つの味を提供する。

今では多くの店で煮干し出汁のラーメンを出すようになったが、「最初に煮干しそばを食べたのは『伊藤』」という人も多いはず。ガッツリ煮干し香るスープに煮干し粉がキラキラ光る。上品だが凝縮された旨味が後を引く。煮干しは2カ月に1度、九十九里まで直接店主が仕入れにいくこだわりよう。

煮干しスープにポキポキの低加水麺を合わせるのも『伊藤』ならでは。具はネギだけとかけそばスタイルの「中華そば」で純粋な煮干しを味わうもよし。豚バラ肉を味付けしたやわらかチャーシューがのった「肉そば」もよし。煮干し好き必食の店だ。

煮干し粉がキラキラ光るスープ。上品だが旨味はしっかり。
煮干し粉がキラキラ光るスープ。上品だが旨味はしっかり。
店主は伊藤家の次男。由緒正しき煮干し中華そばのサラブレッドだ。
店主は伊藤家の次男。由緒正しき煮干し中華そばのサラブレッドだ。

『自家製麺 伊藤』店舗詳細

住所:東京都北区赤羽1-2-4/営業時間:11:00〜24:00(土は11:00〜16:00・17:00~23:00、日・祝は11:00~21:00)/定休日:不定/アクセス:JR赤羽駅から徒歩1分

赤羽の夜のにぎわいとともにオープンする『赤羽とんや』

味玉入り正油ラーメン850円。具はチャーシュー、メンマ、ほうれん草、のり。
味玉入り正油ラーメン850円。具はチャーシュー、メンマ、ほうれん草、のり。

赤羽駅東口からすぐの歓楽街の路地にある、深夜営業のラーメン店。21時開店で、飲み歩きの〆で訪れる人や仕事を終えた飲食業の人で明け方までにぎわう。ラーメンは正油と塩の2種類。ついまたお酒を飲みたくなってしまう少し濃いめの味付けが特徴だ。

スープは鶏ガラ、豚の背ガラに野菜や煮干しなどを煮込んだもの。麺はラーメン好きにはよく知られている菅野製麺所の麺で、平打ち麺1種類。モチっとした食感でスープによくからむ。口の中でとろりとほぐれる自家製チャーシューは、バラ肉を4時間煮込んで、その後さらにタレで1時間煮込み、火を止めてタレの中で5~6時間置いたもの。翌日の分を毎日仕込んでいる。

ラーメン以外のサイドメニューは自家製餃子350円、冷やしワンタン500円、おつまみチャーシュー550円など。ビールのつまみにぴったりだ。お客さんのピークは朝4時ごろ。24時間眠らない街・赤羽に集う人々の深夜の胃袋を満足させてくれるお店だ。

スープは、鶏ガラや豚の背ガラに野菜や煮干しなどを煮込んで作る。
スープは、鶏ガラや豚の背ガラに野菜や煮干しなどを煮込んで作る。
町中華が原点の店長は餃子作りもお手のもの。
町中華が原点の店長は餃子作りもお手のもの。

『赤羽とんや』店舗詳細

住所:東京都北区赤羽南1-8-7/営業時間:21:00~翌7:00LO/定休日:日/アクセス:JR京浜東北線赤羽駅から徒歩1分

取材・文・撮影=京澤洋子・丸山美紀(アート・サプライ)、大熊美智代、新井鏡子