【店主のこだわりが光るおしゃれなカフェ】

赤羽の外れにあるアートに囲まれたカフェ『豆電COFFEE』

名物の豆電プリン400円。金属製の器は年代物。
名物の豆電プリン400円。金属製の器は年代物。

レトロなマンションの一角にある隠れ家のようなカフェ。店内には、店主が創作した絵画やオブジェなどのアート作品が飾られ、まるで絵本の世界のような賑やかさ。名物の豆電プリンは、店主がコーヒーに合うスイーツを追求して作り上げた逸品。濃厚で甘さ控えめ、ほろ苦いカラメルソースとのバランスも絶妙だ。味もさることながら、山盛りのクリームと金属製の器に乗ったフォルムも美しく、SNSで多くの写真が掲載されている。

来店は朝の光が満ちる午前中がおすすめ。
来店は朝の光が満ちる午前中がおすすめ。
カウンター席には色々なところに、かわいい動物が潜んでいる。
カウンター席には色々なところに、かわいい動物が潜んでいる。
住所:東京都北区赤羽3-3-3 ドミール赤羽103号室/営業時間:9:30頃~15:00/定休日:火・木・土・日/アクセス:地下鉄南北線赤羽岩渕駅から徒歩5分

気持ちをリセットしたい時に行きたい『anzu to momo』

オレンジのチーズケーキ550円とブレンドコーヒー400円。
オレンジのチーズケーキ550円とブレンドコーヒー400円。

「ぜひ、ひとりで来てください」と店主の上條杏子さん。「ひとりでおいしいコーヒーを飲みながら、気持ちをリセットして欲しい」と客席は背中合わせに2席ずつの4席のみ。駅からすぐの場所にありながら、とても静かで、心地よい風が吹いているよう。フランスの片田舎のような内装も素敵で、遠方から訪れるカフェマニアもいる。定番のスイーツは季節のフルーツを使ったチーズケーキと、生クリームをたっぷり使ったミルクプリンのブランマンジェ。

店主の上條杏子さん。すっかり赤羽の街におなじみになった。
店主の上條杏子さん。すっかり赤羽の街におなじみになった。
壁際のカウンター席。その日のメニューは黒板に書かれている。
壁際のカウンター席。その日のメニューは黒板に書かれている。
住所:東京都北区赤羽西1-16-9/営業時間:12:00~17:00(8月3日~は夏時間15:00~20:00)/定休日:水・木・不定/アクセス:JR赤羽駅から徒歩5分

ベビーカーで入店OKのゆったりカフェ『cafe milk』

チョコレートとバターをたっぷり使ったガトーショコラ520円。
チョコレートとバターをたっぷり使ったガトーショコラ520円。

バス通りに面した一軒家カフェ。店主の落合恵さんは赤羽が地元。カフェの専門学校を卒業した後、パスタ店勤務などを経て理想のお店をオープンさせた。木目を生かした白壁に、大きめのソファが置かれ、天井も高いので開放感もたっぷり。ガトーショコラやシフォンなどのスイーツは全て店内の厨房で手作りしている。多い時には7種類がショーケースに並ぶそう。入り口には段差がなく、間口も広いのでベビーカーや車椅子でも入店できる。

ソファ席とテーブル席合わせて30席。テーブルの間隔も広い!
ソファ席とテーブル席合わせて30席。テーブルの間隔も広い!
チキンカレー850円。ミニサラダとチーズ、福神漬けが付く。
チキンカレー850円。ミニサラダとチーズ、福神漬けが付く。
住所:東京都北区赤羽南2-20-5/営業時間:11:00~18:30LO/定休日:月(不定休あり)/アクセス:JR赤羽駅から徒歩7分

バーっぽさに心が鎮まる大人カフェ『CAFE B-3』

親しみこもる柴田秀行さんと踊子さんの接客。小さな空間だが使い勝手の間口はとても広い。
親しみこもる柴田秀行さんと踊子さんの接客。小さな空間だが使い勝手の間口はとても広い。

昼下がりのアルコール、真夜中の一杯立てのコーヒー。バーテンダーの柴田秀行さんとカフェで働いていた踊子さんが築いた、バーとカフェ、どっちの気分にも応えてくれる空間だ。空腹でもオーライ。17時までのレイトランチや、夜ごはんが充実。バターチキンをイメージした、白ワインに合うカレーには、秘かにファンも。赤羽でも日本でもなく、遠い旅先の街角に居る心地になるのは、記憶を揺さぶるレコードの音色のせいかも。

アイリッシュコーヒー1200円。ゆるいホイップは甘くない。
アイリッシュコーヒー1200円。ゆるいホイップは甘くない。
ブルースやオルガンジャズなどのブラックミュージックをアナログで。
ブルースやオルガンジャズなどのブラックミュージックをアナログで。

『CAFE B-3』店舗詳細

住所:東京都北区赤羽1-65-9 やまなかビル1F/営業時間:13:30~24:00/定休日:水/アクセス:JR赤羽駅から徒歩5分

【赤羽で長く愛される名物喫茶店】

赤羽には、長く愛される名物喫茶店も数多い。ナポリタンやトースト、オムライスといった、喫茶店ならではの軽食とおいしいコーヒー、そして何より「喫茶店」という空間を楽しめる店を一挙紹介しよう。

毎日通える「いつもの喫茶店」『昔ながらの喫茶店 友路有 赤羽本店』

独立した席が多くゆったりした店内。喫煙は喫煙ボックス内へ。
独立した席が多くゆったりした店内。喫煙は喫煙ボックス内へ。

「喫茶店は日本の文化」をコンセプトに、コーヒーから定食まで多種多様なメニューが揃う。早朝5時30分から22時までという長い営業時間内、客足が絶えることがない“いつもの”店だ。こだわりのブレンドコーヒーは、友路有専用に焙煎しているオリジナル。すっきりとした苦味で飲みやすいが、この店に来たなら、トーストやナポリタン、定食を楽しみたい。

パスタランチは930円でサラダ、スープ、飲み物が付く。
パスタランチは930円でサラダ、スープ、飲み物が付く。

真っ赤な色のナポリタンが喫茶店らしい。ケチャップでの味付けかと思ったら、自家製のピザソースを使っているという。具はベーコン、玉ねぎ、ピーマンと、エビが入っているのがちょっと贅沢な感じだ。自家製のソースはコクがあり、なかなか食べごたえのある味。玉ねぎの甘味とピーマンがいいアクセントだ。サラダとスープが付くのでバランスもいい。

幅広いメニューの定食で人気なのは、その日によって変わる焼き魚定食。きちんとした栄養バランスのメニューを提供し、毎日来てもらいたいという店のこだわりが感じられる。徹底的に「いつもの喫茶店」を貫く店だ。

『昔ながらの喫茶店 友路有 赤羽本店』店舗詳細

赤羽の歴史とともに進化を続ける老舗喫茶『梅の木 新館』

ゆったりした席の店内。照明の明るさもちょうどいい。
ゆったりした席の店内。照明の明るさもちょうどいい。

初代と家族で営んでいたのが、創業約75年の『梅の木本館』。1985年に『梅の木新館』が開店した。本館と新館は、初代の息子二人がそれぞれ営み、お互いが自由に作り上げてきた。

新館は2階にあり、窓が大きいため、シックなアンティーク調だが明るさも十分。天井が高く広々としていて、ゆったりと寛げる雰囲気だ。お代わり半額サービスなど、喫茶店らしいサービスも。コロンビア、ブラジル、マンデリン、モカ、インドネシアロブの5種を配合したブレンドが自慢。1階の焙煎機で生豆から自家焙煎し、すぐに冷凍して保管するので鮮度が保たれる。

アイスコーヒー480円。ガムシロ抜きの場合はシェイクしないので泡立たない。
アイスコーヒー480円。ガムシロ抜きの場合はシェイクしないので泡立たない。

泡が立った名物のアイスコーヒーは、ブレンドよりもインドネシアロブを深く焙煎していて、より深いコクが味わえる。ガムシロップを入れてシェイカーで混ぜてあるので、深く濃い味わいの中、ほんのりとしたやさしい甘みが特徴だ。

最近は小倉トーストがメニューに加えられ、とても人気だという。バターを塗ったトーストの上にあんこがたっぷり。甘さとしょっぱさが絶妙で、和風なのにコーヒーとの相性もいい。玉子と小倉トーストと飲み物がセットになった小倉モーニングとしても人気だという。

小倉トースト250円。軽食やおやつにもぴったり。
小倉トースト250円。軽食やおやつにもぴったり。

『梅の木 新館』店舗詳細

住所:東京都北区赤羽1-2-3 2F/営業時間:8:30~21:00/定休日:日/アクセス:JR赤羽駅から徒歩1分

赤羽で約40年。変わらぬ味と雰囲気を楽しめる純喫茶『純喫茶 デア』

落ち着いたシックな内装。
落ち着いたシックな内装。

往年の映画音楽をBGMに深煎りのコーヒーの香りが漂う、1983年創業の歴史ある純喫茶。オープン数年後に変えた壁紙以外はすべてそのままというインテリアには、なぜか懐かしさを感じずにはいられない。

朝は豆を粗く碾くところから始まる。かなり濃い味のブレンドは、キリマンジャロ、ブラジル、モカ、ブルーマウンテン、マンダリンを配合。味は長年変わらないという。

シンプルな白い器がシックな内装に映える。ブレンドコーヒー480円。
シンプルな白い器がシックな内装に映える。ブレンドコーヒー480円。

軽食で人気なのはやっぱりオムライス。定番のケチャップ味は、鶏肉、玉ねぎ、ピーマンのケチャップライスが入っている。しっとりちょっと濃いめの味が喫茶店らしい。ケチャップ味の他、カレーピラフの入るカレー味と、塩コショウで味付けたピラフの入るマイルド味が選べる。どちらも玉子の上にはパセリのみなので、ケチャップが苦手な人に人気があるそう。ゆったりと静かな時間を楽しみたい店だ。

ケチャップ味のオムライス。スープとドリンクが付いて910円。コーヒーか紅茶が選べる。
ケチャップ味のオムライス。スープとドリンクが付いて910円。コーヒーか紅茶が選べる。

『純喫茶 デア』店舗詳細

手作り好きな店主と家族が織りなす、あったかムードの喫茶店『エリーズ カフェ』

バラの蔦に囲まれた外観。花が咲く5月はとても美しい。
バラの蔦に囲まれた外観。花が咲く5月はとても美しい。

昭和58年(1983)、洋品店としてオープン。店内でときどき行っていたライブでお茶を出していたことから、自然にカフェができあがってしまったそうで、雑貨・洋品スペースとカフェスペースの2つの顔を持つ。共通するのは「できる限り手作りのものを提供したい」という思いだ。

カフェで人気の焼きチーズナポリタンのトマトソースも、その日使う分を毎朝作るという。生のトマトで作るため、フレッシュでさわやかな酸味があり、中太のパスタによく絡み、たっぷりとかかったチーズとの相性もぴったり。すりおろしたニンジンの甘さがたまらないドレッシングや、デザートもすべて自家製で、ほっこりとやさしい味だ。

店長自らが制作・販売している「エリーちゃん人形」や雑貨類、バラの苗など、店長の好きなものにあふれた空間は、不思議とあたたかく居心地がいい。

焼きチーズナポリタンハーフ980円。サラダ、副菜、デザートが付く。
焼きチーズナポリタンハーフ980円。サラダ、副菜、デザートが付く。

『エリーズ カフェ』店舗詳細

住所:東京都北区赤羽2-24-1/営業時間:10:30〜17:00LO/定休日:水・日/アクセス:JR赤羽駅から徒歩6分

心もからだも潤う旬のフルーツ三昧『フルーツパーラー プチモンド』

フルーツサンド850円、底までぎっしりフルーツパフェ1000円、紅茶450円。
フルーツサンド850円、底までぎっしりフルーツパフェ1000円、紅茶450円。

「父が駅近くで戦前から果物店をやっていて」と、店主の関元修さん。リンゴ箱の中で育てられ、気が付いたら果物博士になっていた。もっと気軽に果物を食べてほしいと願い、果物店にフルーツパーラーを併設し、30年以上になる。名物は、ふわっと軽いフルーツサンド。ホイップしたての生クリームと細かく切った果物を、1日寝かした食パンで挟む。「7種類の宝石が口の中で弾(はじ)けます」。宝石との表現に、果物への愛がうかがえる。

蝶ネクタイが似合う関元さん。
蝶ネクタイが似合う関元さん。
店内は広々。おみやげに旬の果物を求める人もいる。
店内は広々。おみやげに旬の果物を求める人もいる。

『フルーツパーラー プチモンド』店舗詳細

取材・文=ミヤウチマサコ、新井鏡子、松井一恵(teamまめ) 撮影=新井鏡子、鈴木愛子、ミヤウチマサコ

東京最北端の繁華街として栄える赤羽。その中心部にあるJR赤羽駅は、1日10万人近い乗降者数を誇る要衝駅として、街のにぎわいを支える。 駅の東口には昔ながらの横丁や商店街がドシンと構え、昼間から酔ったオヤジが管を巻いていたり、威勢のいいお母さんたちが井戸端会議に花を咲かせていたり。かと思えば女子に受けそうなバーやカフェもある。駅の西側にはショッピングモールやスーパーマーケットが並び、学生や子育て世代からも人気のエリアだ。