江戸八

赤羽っ子3代で通うハレの日の寿司屋

自慢のネタが堪能できる特上3600円。

大将の池田隆さんは、北区志茂の生まれ。赤坂や六本木の料亭で修業後、「地元の人においしい寿司を」という気概から赤羽2丁目で開業。大将の確かなネタ選びの目と技に惚(ほ)れ込み、親子3代で通い続ける人も珍しくなく、4代目に差し掛かった人もいるほどだ。甘くとろけるマグロや、口に入れた瞬間にほどけるあなごをほおばれば、その理由がわかるはず。末永く赤羽っ子のハレの日を彩り続けてほしい。

羽田沖のあなごは、50年以上注ぎ足し続けたツメか、ワサビのみで。新いくらの醤油漬けなど一品料理にも技が光る。
大将の池田さん。

『江戸八』店舗詳細

住所:東京都北区赤羽2-38-3/営業時間:11:30~21:30LO/定休日:月/アクセス:JR各線赤羽駅から徒歩8分

天ぷら・日本料理 あら川

活気あふれる人気店で職人技に陶酔境

おまかせ4400円は約10品。銀杏(ぎんなん)や牡蠣(カキ)は旬の味覚。十四代「本丸」正一合990円。

老舗『天一』の技を受け継ぐ店主・荒川敏郎さんは、「うまいもんを、揚げるぞ」の気迫に満ちる。ならば受けて、すべてをゆだね、「おまかせ」でいこう。冒頭、お決まりは、クルマエビ。注文後に水槽のピチピチをすくい、殻を剝く。揚げたてを頬張れば、プリッとした歯応えの後、甘い。そんな口に運ぶべきは、酒蔵直送の十四代。無名の頃から懇意で、22種類揃う冷蔵庫は圧巻。目当ての通客も多い。

臨場感あるカウンター席。
九十九里のハマグリ1100円は殻ごと揚げる。

『天ぷら・日本料理 あら川』店舗詳細

住所:東京都北区東十条3-3-1 小田急マンション1F /営業時間:11:30~14:00(日・祝は12:00~)・17:00~21:00LO/定休日:火・水/アクセス:JR京浜東北線東十条駅から徒歩4分

味処 佐竹

五感喜ぶ会席料理を敷居低く日常に

あおりいか、かんぱち935円、いしがれい880円。

わずか5席の檜のカウンターは、店主・佐野正徳さんの手さばきを望む特等席。包丁がそっと当たる白魚の、ねっとり感まで伝わってくる。「コテコテやんない、シンプルが一番」を信条に作る料理は、揚げ出し豆腐のように、食材の色そのままの彩りにドキリ。日本の旬の美しさに気付く瞬間だ。新橋や乃木坂で腕を磨き、独立した。「まだこれから」と意気込み、季節ごとの会席料理4400円も好評だ。テーブル席とお座敷もある。

日本酒750円~。
揚げ出し豆腐770円。
佐竹さんと妻の真喜子さん。

『味処 佐竹』店舗詳細

住所:東京都北区赤羽1-37-5/営業時間:17:30~22:00LO(土・祝は~21:30 LO)/定休日:日(祝日も定休日の場合あり)/アクセス:JR各線赤羽駅から徒歩5分

㐂久家

地元の人々が愛すエビ自慢のそば屋

かき揚げ天もり1100円はワサビ代わりに大根おろしが添えられる。

1955年創業以来、昼時を過ぎても客がひっきりなし。店員さんがくるくると客の間を往来しての目配り気配りにも感服だ。初めて来店するなら、かき揚げ天もりを頼むべし。「うちはエビが自慢」と、2代目店主の境修一さんが胸を張るかき揚げは、小エビのみ、という混じりっけなしのぜいたくさ。ザクザクの衣からプリップリのエビが香味を放つ。出汁をおごったつゆにどぼんと付け、更科の手打ちそばを手繰れば、お腹も心も満足必至。

15cmはある巨大エビの天丼1680円も見事。エビの香味がたまらない。
2代目ご夫妻。

『㐂久家』店舗詳細

住所:東京都北区王子本町1-15-20/営業時間:11:30~19:00/定休日:土、第1・3金/アクセス:JR京浜東北線 ・地下鉄南北線王子駅から徒歩5分

鯵家

朝な夕な使えるアジずくめの味な店

鯵家定食840円には漬け丼にフライなどが付く。

店名に冠した通り、ずらりと揃えたアジ料理。「次にブームが来るのはアジですから!」と、店長の中西大祐さんは言い切る。鳥取県の境港に揚がった新鮮なアジを、近くの工場で捌いて直送。ゆえに、青臭さは皆無だ。アジの漬け丼は、九州の出汁醤油をベースにブレンドした特製タレが旨味を引き出し、丼をつかんでわしわし頬張れる一品。アジフライや、骨と尻尾を叩いたアジメンチは単品注文もでき、酒の肴にも最高。昼飲みも!?

アジメンチ1個200円は生ビール400円と抜群コンビ。生ビールセット500円がお得。
麦わら帽がトレードマーク。

『鯵家』店舗詳細

住所:東京都北区赤羽2-12-3/営業時間:8:00~22:00(土・日・祝は9:00~)/定休日:無/アクセス:JR赤羽駅から徒歩4分

タイ料理 Red Orchid

ハーブとスパイス 癒やしのサワディーカー

グリーンカレー850円。

「パクチーは根っこが大事よ」と、常連客からビーちゃんと呼ばれる寺山シリワンさんが微笑む。白い根はスープストックに用い、特有の香りを生むのだが、とにかく料理の要となる野菜とハーブが新鮮で、タイのナスやガパオも味の濃さに驚く。「実は、タイ人の農家さんが売りに来るんです」。これが、ひと味違うゆえんだろう。バンコクの料理学校で学んだ本場直球の味だが、「パクチーと辛いの大丈夫ですか」と聞き、好みに仕上げてくれる。

店主のシリワンさん。ガイ・トーッド・ナンプラー500円やパパイヤサラダ850円。メニュー多数。
新鮮な野菜とハーブ。

『タイ料理 Red Orchid』店舗詳細

住所:東京都北区赤羽1-48-2 第2近藤ビル/営業時間:11:30~14:00・18:00~23:00/定休日:日/アクセス:JR赤羽駅から徒歩5分

TREVO

魅惑の大盛りに食欲が止まらない

魚介類のダシがしっかり染み出た地中海風のパエリアはまさに本場の味わい。

赤羽でスペイン気分に浸れるスペインバル。小皿の一品料理タパスは超立体の盛り付け、アヒージョの具も器にギュッと満杯で、「チマチマしたのは嫌い」というシェフ・舘野真司さんの心意気が伝わる。オーガニックやビオなど、ナチュラル系を中心としたスペイン各地のワインは、ボトルで50種類、グラス14種類と充実している。バレンシア米で作る具だくさんの魚介のパエリア2800円は、ハズせない逸品だ。

シェフの舘野さんと妻のソンイさん。

『TREVO』店舗詳細

Osteria Ta~mia

気軽にご馳走を地域密着イタリアン

日替わりステーキ。この日は短角牛のサーロイン2000円、ハマグリと松茸のリゾット1200円、ワインはグラス350円~、ボトル1800円~。

生まれも育ちも、もちろん出会いも王子の、田澤貴宣さん・光子さん夫妻が迎えてくれる。週に何度も通う人がいるパスタランチ、とりこにさせるのは野菜など具の多さだ。夜の日替わり料理では、土地柄必須のボリュームと安さに応えつつ、ヴェネト州で鍛えた腕を光らせる。香りのいい短角牛は素焼きでジューシーに、ハマグリのリゾットは芳醇なハマグリの出汁だけで。素材にとことん寄り添うやさしさが持ち味だ。

気取らぬ店内。
ワイン好きの田澤夫妻。

『Osteria Ta~mia』店舗詳細

住所:東京都北区豊島2-6-4ミマスビル1F/営業時間:11:30~14:30LO・17:00~22:00LO/定休日:水/アクセス:JR京浜東北線 ・地下鉄南北線王子駅から徒歩10分

構成=フラップネクスト 取材・文=佐藤さゆり・松井一恵(teamまめ)、鈴木さや香 撮影=オカダタカオ、鈴木愛子、高野尚人、山出高士
『散歩の達人』2016年12月号より

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