【散歩コース】

スタート:湯島駅は地下鉄千代田線で西日暮里駅から5分・180円、大手町駅から4分・180円。地下鉄銀座線上野広小路駅からも近い。

地下鉄千代田線湯島駅→(2分/0.3㎞)→湯島天満宮→(6分/0.4㎞)→麟祥院→(12分/0.8㎞)→文京ふるさと歴史館→(4分/0.3㎞)→樋口一葉旧居跡→(12分/0.8㎞)→東大赤門→(15分/1.0㎞)→竹久夢二美術館→(9分/0.6㎞)→横山大観記念館→(5分/0.4㎞)→旧岩崎邸庭園→(3分/0.2㎞)→地下鉄千代田線湯島駅

ゴール:湯島駅からの交通は、スタート参照。

今回のコース◆約4.8㎞/約1時間10分/約6400歩

梅香る季節は受験生でにぎわう「湯島天満宮」

1995年に造営した総ヒノキ造りの社殿。
1995年に造営した総ヒノキ造りの社殿。

雄略天皇2年(458)天之手力雄命(あめのたぢからをのみこと)を奉斎し創建と伝わる。室町時代の正平10年(1355)に菅原道真公を合祀。徳川家康の朱印地寄進や徳川綱吉の金500両寄進など、徳川家の崇敬も篤かった。

33段の女坂の両脇に梅が咲く。
33段の女坂の両脇に梅が咲く。

「湯島天満宮」詳細

住所:東京都文京区湯島3-30-1/営業時間:6:00〜20:00/定休日:無/アクセス:地下鉄千代田線湯島駅から徒歩2分、またはJR御徒町駅から徒歩8分

家光の乳母・春日局(かすがのつぼね)の菩提寺「麟祥院」

徳川3代将軍家光の乳母であった春日局は、大奥で勢力をふるった後、この地で仏門に帰依した。麟祥院という名は春日局の法号に由来する。墓地には無縫塔という卵形の春日局の墓がある。

「麟祥院」詳細

住所:東京都文京区湯島4-1-8/営業時間:参拝自由/アクセス:地下鉄千代田線湯島駅から徒歩7分

樋口一葉や森鷗外の展示も『文京ふるさと歴史館』

文京区は弥生土器命名の地であり、江戸時代には武家や寺社、町家などが発展し、明治時代には東京大学が開校して文教の街となる。こうした街の歴史を資料や模型で紹介する。

『文京ふるさと歴史館』詳細

住所:東京都文京区本郷4-9-29/営業時間:10:00〜17:00/定休日:月・第4火(祝の場合は翌)/アクセス:地下鉄丸ノ内線・大江戸線本郷三丁目駅から徒歩5分

一葉の切ない人生を垣間見る「樋口一葉旧居跡」

24年の生涯に『たけくらべ』『にごりえ』などの名作を残した作家・樋口一葉。ここは明治23年(1890)から約4年間、母・妹と住んだ地。他人の洗濯物を洗い、生計の足しにしたという共同井戸が残る。住居地区なので見学は静かに。

「樋口一葉旧居跡」詳細

住所:東京都文京区本郷4-31-32/アクセス:地下鉄三田線・大江戸線春日駅から徒歩5分

国指定重要文化財の赤い門「東大赤門」

正式名称は「旧加賀屋敷御守殿門」。この地は、かつて加賀藩の上屋敷があり、加賀藩13代藩主前田斉泰が、徳川11代将軍家斉の娘の溶姫を正室に迎える際に、住まいの御守殿とともに文政10年(1827)に建立したもの。

「東大赤門」詳細

住所:東京都文京区本郷7-3-1/アクセス:地下鉄丸ノ内線・大江戸線本郷三丁目駅から徒歩8分

儚(はかな)くも美しい夢二の美人画『竹久夢二美術館』

大正ロマン漂う美人画からデザイン作品まで常時約200~250点の竹久夢二の作品を展示。昭和初期の抒情挿絵画家・高畠華宵(かしょう)の作品や、出版美術をテーマとした企画展を行う弥生美術館を併設。

『竹久夢二美術館』詳細

旧宅と庭園は国の史跡及び名勝『横山大観記念館』

日本画家・横山大観が明治41年(1908)から1958年に90歳で没するまで住んだ旧宅跡。往時のまま残された客間、居間、アトリエなどに大観の作品が展示されている。

『横山大観記念館』詳細

住所:東京都台東区池之端1-4-24/営業時間:10:00〜15:30/定休日:月・火・水・展示替え時/アクセス:地下鉄千代田線湯島駅から徒歩7分

国指定重要文化財の明治時代の名建築『旧岩崎邸庭園』

明治29年(1896)に建てられた三菱財閥3代社長岩崎久彌の旧本邸。イギリス人建築家のJ・コンドル設計の洋館とビリヤード場、大工棟梁の大河喜十郎が設計したと伝わる和館が現存する。

『旧岩崎邸庭園』詳細

住所:東京都台東区池之端1-3-45/営業時間:9:00〜16:30/定休日:無/アクセス:地下鉄千代田線湯島駅から徒歩2分

【本郷のグルメを堪能!】

金魚モチーフにあふれた喫茶店でコーヒーを『金魚坂』

かつて金魚卸問屋が集まった金魚坂にある古民家喫茶。金魚模様をあしらったカップに注がれるブレンドコーヒーは880円~。名物のビーフ黒カレーはサラダやコーヒーなどが付き2200円。

『金魚坂』店舗詳細

住所:東京都文京区本郷5-2-5/営業時間:11:30〜21:00/定休日:月不定・火(祝の場合は営業)/アクセス:地下鉄丸ノ内線・大江戸線本郷三丁目駅から徒歩5分

江戸初期から伝わる名物最中『壺屋総本店』

寛永年間(1624~44)に、江戸の庶民が初めて開いた和菓子店。砂糖壺をかたどった壺形最中は、こし餡270円とつぶ餡290円があり、香ばしい皮と小豆の風味が豊かな餡が絶妙に調和する。

『壺屋総本店』店舗詳細

住所:東京都文京区本郷3-42-8/営業時間:9:00~16:00(土・祝は~15:00)/定休日:日/アクセス:地下鉄丸ノ内線・千代田線本郷駅から徒歩5分

今も昔も東大生に愛されるカレー『喫茶ルオー』

1952年に画廊喫茶として開業。小麦粉から丹念にルーを作り、大きく切ったチキンやジャガイモとともに煮込んだセイロン風カレー1000円(デミコーヒー付き)が名物。

『喫茶ルオー』店舗詳細

住所:東京都文京区本郷6-1-14/営業時間:9:30〜20:00/定休日:日/アクセス:地下鉄丸ノ内線・大江戸線本郷三丁目駅から徒歩7分

【街探検】菊坂界隈には一葉の暮らしを知る旧居跡や質店が残る!樋口一葉が暮らした街

旧伊勢屋質店。
旧伊勢屋質店。

樋口一葉は、明治5年(1872)東京に生まれる。本郷との縁は、明治9年(1876)に、東大前の法真寺隣接地に引っ越してきたことに始まる。境内の桜が印象的であったようで、後に日記に「桜木の宿」として回想している。

裕福な家であったが、父と長男が相次いで亡くなり、母と妹を養わなければならなった。そのため、明治23年(1890)に家賃の安い菊坂に引っ越し、針仕事や洗い張りなどをしながら一家の暮らしを支えた。この時住んだ家は今も残され、一葉ファンの聖地になっている。

翌年、雑誌「武蔵野」に掲載された『闇桜』で作家デビューするが、相変わらず生活は苦しく、近所の伊勢屋質店をたびたび訪れている。

明治28年(1895)から29年(1896)にかけて『たけくらべ』『にごりえ』『十三夜』など代表作を相次いで発表。しかし、11月に肺結核により他界。わずか24歳6カ月の生涯であった。

法真寺の一葉像。
法真寺の一葉像。

取材・⽂・撮影=アド・グリーン
『散歩の達人 歩きたい人のための 東京散歩地図』より