酒も料理も体にやさしいワインと味わう中華ビストロ『ビストロシノワYASMIN』【西荻窪】
銀座にある中華料理の名店出身の佐藤恭生さんと、妻の真由子さんが開いた中華ビストロ。“体に負担のかからない食事を”という思いから、無添加、無化調にこだわる。料理は、水煮肉片(スイジューロウピエン)にはエゾシカ肉、黄ニラや香竹を使った麺メニューなど、ジャンルを飛び越えた創作中華が展開される。料理と相性もよいワインは、ナチュラルワイン中心の品ぞろえで、フランスやオーストリア、ドイツなど産地もさまざま。
『ビストロシノワYASMIN』店舗詳細
際立つ香りを愉しむ新感覚中華料理店『香噴噴 XIANG PEN PEN』【木場】
店名は、中国語で“よい香りがぷんぷんする”という意味。「出来たてはより強く香りを届けられるので、臨場感を大切にしています」と話すシェフの九鬼修一さん。その言葉どおり、チャーシューの豊潤な風味や、中国野菜の炒め物はニンニクの香ばしさで食欲が刺激される。酒は「自分たちが中華料理と一緒に飲みたいものをそろえた」ということで、フランス産ナチュラルワインや、国内の人気ブルワリーのクラフトビールなどが並ぶ。
『香噴噴 XIANG PEN PEN』店舗詳細
和の要素も取り入れた精彩を放つ料理を楽しむ『酒亭中華 いこい』【仙川】
仙川出身の店主・小池良紀さんが、“地元で飲食店をもちたい”という夢を叶(かな)え、本格中華や和食居酒屋の経験を経て2022年にオープンした。噛むとジュワッと旨味たっぷりのスープがあふれ出る焼き餃子、マグロとピータン香味和えなど、どの料理も小池さんのアレンジが光る。白酒(パイチュウ)や紹興酒といった中国の酒との相性がよいが、約15種類そろう日本酒や焼酎、日本ワインとの組み合わせもよいので試してみよう。
『酒亭中華 いこい』店舗詳細
予約必須の人気店。伝統中華の鉄鍋を『味坊鉄鍋荘』【湯島】
中国東北地方の伝統料理である鉄鍋料理とワインが自慢。オーナーの梁さんや中国人スタッフが現地で親しんできた本場の味を再現している。鉄鍋料理は全部で8種類。なかでも自家製発酵白菜を使った酸菜白肉(スワンツァイパイロウ)は、まろやかな酸味とやわらかな豚肉が調和しておいしい。コースには日替わりの前菜や水餃子、締めにはスープを楽しむ饅頭(まんじゅう)やとうもろこしパンも付く。3000円台からそろう自然派ワインとのコラボを楽しんで。
『味坊鉄鍋荘』店舗詳細
酒とのマッチングもよい台湾バルの攻めの一品『天天厨房』【千歳烏山】
和食の技術も学んだ、台湾人店主が営む台湾料理店。料理は本場にも負けないという評判で、蚵仔煎(オアジェン、台湾風カキオムレツ)や麵線(ミュンシェン、麺入りとろみ汁)もひと味違う。夏は台湾直送の緑筍竹の刺し身、冬はセイコガニの茶碗蒸しなど、珍しい季節料理も。本来は食事と飲食を切り分ける台湾料理を、酒にマッチするように工夫しているので、厳選ワインや日本酒との共演も楽しみだ。
『天天厨房』店舗詳細
盛りも多くてこの値段。本格中華をお手頃に『興隆菜館』【清澄白河】
清澄通り沿いにある本格的な中華料理店。メニューには焼き餃子、マーボー春雨、豚タンの薬膳煮込みとおなじみ料理が並ぶ。一皿400〜800円前後の価格も魅力だ。焼き餃子は薄皮に具がみっしりと詰まり、噛むとジュワッと肉汁があふれ感動する。地元・深川蒸留所のクラフトジン「FUEKI(フエキ)」を使ったハイボールで味わえば、爽快な風味が口の中を洗い流し、また次のひと口と、無限ループがとまらない。
『興隆菜館』店舗詳細
取材・文・撮影=アド・グリーン 撮影=岡田孝雄、高野尚人、丸毛透、井上洋平
『散歩の達人 東京名酒場』より