羊齧協会(ひつじかじり・きょうかい)
北京留学を機に羊肉の魅力にハマってしまった菊池一弘さんを代表とし、2012年に発足。日本における羊肉文化の普及を目指し、羊好きがいつでも楽しく羊を食べられるようにと、消費者主導で羊肉界を盛り上げている。「羊とタイ料理」「羊齧落語会」など、さまざまなテーマを設けたイベントを開催するほか、2014年からは都内有数の羊肉料理店が集結する「羊フェスタ」を主催。

北海道や岩手県遠野市など、一部地域の名物だったジンギスカンが、東京を中心にブームとなったのが2004年ごろ。各地でジンギスカン屋がオープンした。BSEや鳥インフルエンザなどの問題もありあらたな食肉として注目されたのだ。が、同ブームはわずか2年ほどで収束。最盛期には200店を超えていた都内のジンギスカン店も、あっという間に激減してしまった。

一度は衰退した羊肉だが、再び静かなブームを迎える。日本人にとって、肉といえば 「牛 ・豚・鶏」 だった。それが、エスニック料理の人気も後押ししたのか、皆が 「羊」 の魅力に目覚めたのだ。その証拠に、スーパーや精肉店でも、羊肉を見かける機会が増えてきている。2000年代のジンギスカンブームは店や企業、業者などの牽引型だったのに対し、今では消費者主導型。ジンギスカンはもちろん、そのメニューも百花繚乱だ。中華をはじめ洋の東西を問わず各国料理。そして、ワインバルやビストロなど、店のスタイルも幅広い。羊人気は増す一方だ。

味坊鉄鍋荘

大陸仕込みの豊富な鍋メニュー

紅焖羊肉(ホンムンヤンロウ、ラム肉スペアリブと干し大根の醤油煮)1680円。脂の味も極上。

店主の梁宝璋(リョウホウショウ)さんは、神田駅前にある中国東北料理「味坊」のオーナー。「故郷の満州でよく食べていた鍋料理を出したくて」、2015年1月にこの店をオープン。基本コースのみで、3500円と5000円の2種。鍋料理と前菜を、それぞれお好みで数種の中からチョイスするスタイルだ。煮込みには現地から取り寄せた鉄鍋を使用。味付けはシンプルに、醤油や塩ベース。かすかに利かせたスパイスで肉の臭みを抑えるなど、小技が効いている。

少年時代から料理が好きだったという梁さん。
手前から、清水羊蹄(羊足の塩茹で)3本780円、羊アキレス腱のパテ980円。

『味坊鉄鍋荘』店舗詳細

住所:東京都台東区上野1-12-9/営業時間:18:00~23:30/定休日:日(予約の場合は営業)/アクセス:地下鉄千代田線湯島駅から徒歩2分

ヤマダモンゴル 神田北口店

目指すはジンギスカンで世界征服!

マトン・生ラムジンギスカン。ロース・ショルダー・モモ肉の生ラム3種セット2728円。ジンギスカンは、もやし・玉ねぎがサービスで付く。隠れメニューのラムチョップ550~770円(数量限定)も絶品!

店名は、ジンギスカン普及に貢献した羊飼育技師の”山田”喜平氏と、チンギス・ハンが築いた”モンゴル”帝国から。「ジンギスカンで世界征服したいです!」と店長の中野大介さん。チルド輸送にこだわったオーストラリア産の生ラムは赤身と脂のバランスが良く、ジューシーで柔らかい。歯ごたえがあり、より旨味も強いマトンも人気高し。少し赤みが残るくらいで頬張れば、その味わいに納得、世界征服も夢じゃない。

どさんこマトン649円。
2005年にオープンしたジンギスカン専門店。
生ラム肉は毎日、使う分だけ手切りする。

『ヤマダモンゴル 神田北口店』店舗詳細

住所:東京都千代田区鍛冶町2-11-22/営業時間:11:30~14:00・17:00~23:00(土は夜のみ)/定休日:日・祝/アクセス:JR神田駅から徒歩3分、地下鉄銀座線神田駅から徒歩2分

中国料理 喜羊門

丸ごと一本!肉付きのいい羊足

羊の足丸焼き4800円(3~4人前)。クミンなど10種の香辛料を混ぜた特製スパイスが、肉本来の旨味を引き立てる。

客の目の前で、約1.5kgもの羊足を丸ごと炭火で炙(あぶ)る。肉の表面を炙った後にハサミで切り分けるのだが、その一つひとつに火が通るのが待ちきれない。『喜羊門』が扱う羊足は前足のみ。「前足は、筋肉質の後足よりも旨味があって柔らかいんです」と店主の寧作偉(ねいさい)さん。玉ねぎや八角、韓国人参などを混ぜた甘ダレに、24時間じっくり漬け込んでいるので、味わいは香ばしく濃厚。羊の奥深さを、心ゆくまで味わえる一品である。

モダンなビルの4Fにある。
店の外廊下。目にも鮮やかな「紅」色に、食欲を刺激される。

『中国料理 喜羊門』店舗詳細

住所:東京都文京区湯島3-38-11 エスパス上野広小路4F/営業時間:11:00~15:00・17:00~23:30/定休日:無/アクセス:地下鉄千代田線湯島駅から徒歩4分

下町バル ながおか屋

年間14万本!日本一ラムチョップを売る店

かぶりつきラムチョップ1本440円。

『ながおか屋』の仔羊の骨つきあばら肉は、旨味が凝縮された自慢の一本。香ばしい匂いに、思わずかぶりつきたくなる。生後約7カ月のニュージーランド産ラム肉は、驚くほど柔らかい。コクのある醤油ベースのタレに1日漬け込む「タレ」味と、スペイン産の塩でサッパリ系「シオ」味の2種類がある。常連には、1年で350本もラムチョップを食べた「ラムクイーン」なるツワモノも。通いたくなる気持ち、わかります。

特等席は、店中央のカウンター席。炭火で焼かれる肉の香りがたまらない。
2009年3月オープン。その味に魅せられたファンが、全国から来店する。

『下町バル ながおか屋』店舗詳細

住所:東京都台東区上野2-9-5/営業時間:17:00~23:30(土・日・祝は16:00~)/定休日:無休/アクセス:地下鉄銀座線上野広小路駅から徒歩2分

ジンギスカン霧島 御徒町店

良質な羊と秘伝のタレの絶妙タッグ

生ラムジンギスカン。生ラム【肩】750円、もやしは食べ放題。

店に入ると「新弟子募集!」の貼り紙が。ここは元大関・霧島の陸奥親方がプロデュースするジンギスカン専門店。自慢の生ラムは脂と赤身のバランスが絶妙。ジューシーな脂の甘さが赤身のしっかりとした味わいを引き立てる。フレッシュがゆえに、羊特有の臭いが少なく肉質もやわらか。野菜とフルーツをブレンドした醤油ベースの秘伝のタレをつければ、脂の甘みと相まって、口中に力強い旨味がほとばしる。

希少部位の炙りラム1050円。
白鵬など現役力士の手形も。

『ジンギスカン霧島 御徒町店』店舗詳細

住所:東京都台東区上野3-27-3 ハトヤビル3号館5F /営業時間:11:30~15:00・17:00~22:00(第1日曜のみ~21:00)/定休日:月/アクセス:JR山手線・京浜東北線御徒町駅から徒歩1分

構成=フラップネクスト 取材・文=稲葉美映子、今田壮(風来堂)、佐久間春奈 撮影=井原淳一、本野克佳