“ひと口のバランス”にこだわったハンバーガー『McLean -OLD BURGER STAND-』
厩橋(うまやばし)のたもとに現れる、まるで西部劇に登場しそうな外観の『McLean -OLD BURGER STAND-』。オーナーの落合浩平さんによると、コンセプトは「アメリカに初めてバーガースタンドが誕生した1800年代後半頃のスタイル」をイメージしているそう。看板やフライヤー、店内に飾られている写真やアンティーク雑貨など、至るところにその世界観がよく表されている。そんなオールドスタイルに惹かれた落合さんが生み出すのは、“ひと口のバランス”にこだわったハンバーガー。食材のどちらかが主張しすぎることのない、平等なバランスを重要視しているという。定番のグッドオールバーガーをはじめ、ニンジャテリヤキエッグバーガーや蔵前天麩羅バーガーなど日本らしいメニューも登場する。
『McLean -OLD BURGER STAND-』店舗詳細
厳選された良いモノが揃う街のコミュニティマーケット『Marked』
2021年7月末にオープンした『Marked』は、『パーラー江古田』が監修を行う手作りのパンや新鮮なオーガニック野菜、そして目利きのプロがセレクトした調味料類などが一堂に会したグローサリーショップ兼カフェだ。粉の配合をアレンジしてオリジナル感を出しているというハード系パンの一部は、オーガニック野菜などとともにサンドイッチに活用され、イートインも可能。手作りのアイスクリームとともに楽しんでいく人が多いという。“作る・繋ぐ・回す”という3つの軸をもとにセレクトされた商品は、どれも生産者が手間暇を惜しまずに作り上げているだけでなく、人や環境にも優しいものばかり。そんな商品を介して、作り手と消費者が繋がるハブ的存在としての役割を果たしている。
『Marked』店舗詳細
世代を超えて愛される名コンビを看板メニューに『Pretty Good – coffee & donut』
浅草橋で長年カバンの製作や修理に携わってきた企業が業態変更し、2019年にホテルをオープン。その一部として、翌年新たにオープンしたのが『Pretty Good – coffee & donut』だ。自家製食パンで作るサンドイッチや全国各地のクラフトビールなど、多様なメニューを提供するが、看板メニューはドーナツとコーヒー。CMOの宮林誠之さんは、この2つを選んだ理由を「この辺りで働く人や住人の年齢層が幅広いため、どの世代にも愛されるドーナツがぴったりだと思いました」と話す。生地や揚げ方にもこだわって作られるドーナツは、この店1番のオススメである揚げたてドーナツのほか、イートインでは選べるオプションメニューとともにワンプレートで楽しむこともできる。『Little Darling Coffee Loasters』や近所の『WESTSIDE COFFEE』の豆を使ったコーヒーとも相性抜群だ。
『Pretty Good – coffee & donut』店舗詳細
味だけでなく接客にもこだわるカフェ『WESTSIDE COFFEE』
『WESTSIDE COFFEE』の店主である西方優さんは、かつて某カフェチェーンでマネージャーを務めていた経験の持ち主。この店では、豆の焙煎から手掛ける本格的なコーヒーを味わうことができる。豆は、シングルとブレンドで常時7種類ほどを産地や味わいにこだわって仕入れる。焙煎度合いは、豆の持っている素材の味わいが分かるよう浅煎りから中煎りがメイン。コーヒー豆は定期的に銘柄の入れ替えも行っており、訪れる客を飽きさせない。さらに、その豆に合った最も美味しい抽出方法を採用し、豆ごとに淹れ方を変えるというこだわりも見せる。そんな西方さんが店づくりの上で何よりも大切にしているのが接客だ。訪れるお客さん全てに快適な時間を過ごしてもらえるよう、一人一人に細やかな接客を心掛けている。
『WESTSIDE COFFEE』店舗詳細
注目のコーヒーロースターの豆を使い、バリスタが丁寧に淹れるコーヒーは“必飲”『abno』
2019年11月にホテルのシグニチャー・ラウンジとしてオープンした『abno』。カフェタイムには仕事をする人や友人との時間を過ごす人で賑わい、バータイムになると酒をたしなめる場に変身する(2022年3月現在、新型コロナウイルスの影響によりバー営業は休止中)。コーヒーは「このブランドを提供する店は、都内でもここを含め3店舗ほどしかありません」と支配人の草野謙尚さんが話す、デンマークの有名コーヒーロースター『Coffee Collective』の豆を使用。シングルオリジンの豆を5種類ほど扱うが、産地ごとに香りや風味などの違いが分かりやすい味わいに仕上がっている。そのほか、オーストラリアのロースター『Single O』の豆も扱い、それらこだわりのコーヒーをバリスタが豆から1杯ずつ丁寧に淹れた1杯を味わえる。
『abno』店舗詳細
充実のカフェメニューが揃う老舗喫茶店『ゆうらく』
神田川のすぐ近くに店を構える『ゆうらく』は、まもなく創業50年を迎える老舗の喫茶店。昭和の面影を残すレトロな雰囲気漂う店内はロケ地としても使用され、映画やドラマ、雑誌などに度々登場している。そんなこの店の代表メニューは、オムライスとナポリタン、そしてフレンチトーストだ。2代目店主の宮城恒宏さんの代から提供を始めるようになったこれらのメニューは、この店を支える3本柱であり、恒宏さんの原点でもあるという。お客さんを待たせず提供できるようにと、卵でくるまずにかぶせるかたちにしたオムライスは、今では1番人気のメニューに。様々な時代の波に翻弄されながらも、柔軟な発想とひたむきな営業姿勢で、今日も元気に我々を迎えてくれる。
『ゆうらく』店舗詳細
自慢は寝かせ玄米の定食『結わえる本店』
昼は玄米定食を、夜は季節料理を提供する酒場となる『結わえる本店』。定食は、主菜がない箱膳定食、主菜がついたハレ箱膳定食、主菜・刺身・デザートがついたちょっぴり贅沢な結わえる御膳の3種類から選べる。モチモチの食感が特徴の寝かせ玄米を中心に、数種類のおかずと汁ものから自由に組み合わせできるスタイルだ。おかずや汁ものなど、寝かせ玄米以外はすべて日替わり。夜になると、刺し身や焼きものなど新鮮な魚を使った料理から、自家製の味噌や麹に漬け込んだ肉料理、ハーブを効かせた野菜料理や定番のおつまみメニューまで、ナチュールワインや日本酒に合う魅力的な品々が並ぶ。昼も夜も、発酵食品や無添加食品など、体によい食材を積極的に扱い、美味しく健康になることを提案している。
『結わえる本店』店舗詳細
目指すのは誰でも気軽に立ち寄れる街のコーヒー屋さん『Bridge COFFEE & ICECREAM』
『Bridge COFFEE & ICECREAM』が入るのは、90年以上も前に建てられた歴史ある建物の1階。イーグルビルという名のこのビルは、かつて東京大空襲の被災も免れたという逸話を持つ。店内は、大きな窓と高い天井が開放的な雰囲気を与えている。公園をイメージしてつくられたという内装は、どこか異国のカフェのよう。大きな窓に沿うかたちで配されたベンチに、現在はヨーロッパテイストのアンティークテーブルが置かれているあたりには移転当初、広場を設けていたのだとか。『Little Nap COFFEE ROASTERS』の豆を使用するコーヒーは、オーダーごとに1杯ずつ豆を挽き、丁寧に淹れられる。ビジネスマンから親子連れまで、幅広い層のお客さんが名物のコーヒーやアイスクリームを求めて訪れる。
『Bridge COFFEE & ICECREAM』店舗詳細
取材・文・撮影=柿崎真英