激ウマ鶏のオモテナシが海外で評判『鳥樹 本店』[旗の台]
焼き鳥など鶏料理の専門店。一見でも気楽に入れる雰囲気ながら、朝絞めの新鮮な鶏肉を使った料理はどれも絶品! 首やヒザ軟骨など珍しい部位も味わえる。ここを取り上げた海外ドキュメンタリー番組がきっかけでブロガーやYouTuberも多数来店、ネットでの知名度も高い。大将が豪快に鶏をさばく様は見応えのあるパフォーマンスだ。
『鳥樹 本店』店舗詳細
優しい味わいのエスニック料理『ハヌマン 石川台店』[石川台]
ネパール出身のスディープ・サプコタさんが兄弟で経営するエスニック・レストランの1号店。外国人が来店しやすい雰囲気で「大田区ウェルカムショップ」としても登録されている。カレーのほか、タイやベトナム、中華などアジア各国の料理を楽しめる。マイルドな味で、ほとんどのメニューをテイクアウトできるのもうれしい。
『ハヌマン 石川台店』店舗詳細
ネタは一流でも大将はフレンドリー『髙砂寿司』[洗足池]
1962年創業、2代目店主の菅田勇樹さんが毎日築地で吟味した新鮮なネタを提供。「住宅地なので、海外のお客さまは常連さんがお連れになるビジネスマンが多いですね」と菅田さん。アメリカでの修業経験もある大将ゆえ、フレンドリーな雰囲気に、海外出張の疲れも癒やされるのだろう。
『髙砂寿司』店舗詳細
天然活魚を用いつつ懐に優しい粋な店『寿し 和』[御嶽山]
白板に踊るのは、活と天然の文字。毎日出向く市場で目利きし、江戸前の穴子だって定番だ。カウンター脇の生(い)け簀(す)では、さまざまな活貝や車エビなどが出番を待つ。2012年に独立した店主の野村和宏さんは、海苔に至るまで、毎年試食して決める念の入れようだ。富山産コシヒカリを用いたシャリで、手早くていねい握った寿司は、ネタと米粒と口中でほどけ、甘みと香りを放つ。漬けのトロタクや、ゴマ油を施したイカなどの創作寿司もあり、追加注文が後を絶たない。
『寿し 和』店舗詳細
肉のプロもしびれる無菌豚の底力『とんかつ皆川』[久が原]
肉塊から切り出すロースは、厚さ2cmほど。生パン粉をまとわせ、ラードと植物性を混ぜた油へ。「泡の立ち方と音でわかるもんです」とは、店主の皆川久仁(きゅうじ)さん。肉の中心がほのかにピンク色した絶妙の火入れ加減だ。芝浦の食肉店から仕入れるのは、千葉の農場が育てた SPF豚。ボリビア産岩塩を振れば、野太い旨味が突き上がる。また、定食にはおろしポン酢も付き、後味さっぱり。減農薬栽培の宮城産ひとめぼれとともに、至高の味だ。
『とんかつ皆川』店舗詳細
モダンと伝統の二重奏にワクワク『フレンチレストラン メイ』[五反田]
同じ素材を違う調理法で供するメインディッシュ二皿に岩田充弘シェフの想(おも)いが凝縮。「フランスでは軽快でモダンな料理を得意とするグラメゾンと、重厚な味わいのネオビストロで修業しました。両方のいい面を表現したくて」。メニューは毎月変わるので、毎月楽しんでいただける内容。契約農家から仕入れた野菜の一皿やジビエ料理もオススメです。
『フレンチレストラン メイ』店舗詳細
素朴な味わいながら食通が遠方より通う『ジェンティール』[荏原中延]
縄暖簾(のれん)をくぐると、コックコートを着た菅野さんが迎えてくれる。外観とのギャップに戸惑うが、「私も最初、焼き鳥屋と思って入ったのよ」と、妻の敦子さん。料理の虜(とりこ)となり通ううち、結ばれたという。自慢のアイスバインは、豚の前スネ肉を使う豪快な一品だ。塩と砂糖、ハーブ数種を調合した液に2週間漬けるドイツの保存食で、コトコト煮込んで仕上げるため、脂が落ちて、コラーゲンが残る。気合を入れ骨を手に頬張るが、意外にあっさり軽い食感。
『ジェンティール』店舗詳細
炎揺れる薪窯が店の真ん中にドン!『Pizzeria Oca』[荏原中延]
「空中で生地をクルっと回す技に憧れて」。ピッツァ職人を志したきっかけを、店主の岡田茂記さんが照れくさそうに話す。本場ナポリの名店で4年間働いた経験を活かして完成させた岡田流は、やや薄めに伸ばし、ぐるりにフチを作らず、まん丸の形にこだわらない。フランスパン用の小麦粉を使ってしっかり焼き切るので、サクッとした食感が持ち味だ。メニューは、全13種類の定番と肉料理が少しだけ。ピッツァの技で勝負し続ける心意気も、燃えている。
『Pizzeria Oca』店舗詳細
真っ赤な店で大人のミートソースに夢中『スペランツァ』[戸越銀座]
ミートソースパスタの専門店を料理担当の北原広志さんとソムリエの椚(くぬぎ)優佳さんで切り盛り。特製ミートソースパスタ690円のソースはタマネギを飴色に炒め、さらにニンジン、ニンニク、セロリを加え、野菜の甘みとコクを引き出す。「ひき肉は牛なら首とモモ、豚なら腕とモモを指定し、肉々しさとジューシーさの黄金比を求めてます」。絶品ソースに手打ちのもちもちフィットチーネを絡ませれば、大人も目尻を垂らすご馳走ミートパスタの完成だ。
『スペランツァ』店舗詳細
一日1万食売れた伝説の冷麺『平壌冷麺 食道園』[蒲田]
一時は東北地方で30店舗展開していたが、麺を機械打ちに変えた途端、客足が途絶えた。「お客さんの舌は正直。初心に戻り、手打ちで再開しました」と代表の上田喜代治さん。北海道産のジャガイモ粉とつなぎの米粉で練り上げた麺は、注文ごとにプレス機で押しだす。8時間かけて煮込んだ出汁と絡めていただけば、しっかりした弾力と出汁の旨味が喉を狂喜させる。手作りの大根キムチも、絶品。
『平壌冷麺 食道園』店舗詳細
スタンダードから個性派まで目移りする『うどん茶屋嵯峨野』[戸越銀座]
麺打ちやつゆ作りは父親の中根滋さん、調理全般がお嫁さんの淳子さんと家族で切り盛り。うどんだけでレギュラー 25種、季節メニュー 10種ほどと目移りするが、宮崎風の細い手打ちうどんを素直に味わいたいなら釜揚げ660円をぜひ。かたや、個性派をご所望ならキムラーうどんを。行儀も気にせずかき混ぜれば、自家製肉味噌のコク、キムチの酸味、甘めのつゆなどが細い麺に全力で絡み、後ひくうまさ!
『うどん茶屋嵯峨野』店舗詳細
ナポリタンの焼けたケチャップの匂いがそそる!『廣栄屋』[蓮沼]
とある夕時の風景。男性客全員が定食のおかずで一杯やりつつTVの五輪ダイジェストに見入っている。そんな正しき大衆食堂の3代目が熊切広一さん。「俺の代で定食セットやら中華やら増やしてね」。コシの強い自家製麺にケチャップを絡めニンニクを利かしたナポリタンうどん定食も3代目の考案だ。ごはんや漬物がセットになっており驚くが「小さい頃作ってもらった弁当にもナポリタン入ってたろ。あんな感じさ」と言われ納得!
『廣栄屋』店舗詳細
デリー出身店主による日本人のためのカレー『ロサニ』[池上]
『ロサニ』の電話が今日も鳴る。デリー出身のラサマナ・バタライさんが作るのは、泣く子も黙るインドカレー……ではなく、いわく「日本人のための」カレー。連日予約が絶えない秘密は、食後感の良さにあり。塩や油をできるだけ減らし、素材の力で旨味を表現。緋色のチキンカレーも深碧のサグカレーも鮮烈な香りを放つけれど、味は円みを帯びてじんわり染みる。近隣病院の病院食にもなっていると聞き、深~く納得。
『ロサニ』店舗詳細
醤油とニンニクを利かせた濃厚カレー『26号くるりんカレー』[荏原中延 ]
「サメ、使ってみる?」。常連のサメ研究家の一言から生まれたサメカレーだが、語感に尻込みすることなかれ。カラリと揚げられた身は柔らかく繊細で、醤油とニンニクを利かせた濃厚カレーと“無垢×男前”の見事なコントラストを描く。全てのメニューの骨子となるブイヨンはラーメンスープを意識し、力強いものを。店主の自由な発想が生む味に、ひと口で虜(とりこ)になる人続出。聞けば、1年間ほぼ毎日食べた強者までいるとか!
『26号くるりんカレー』店舗詳細
取材・文=神田ぱん、鈴木健太、井上こん 撮影=丸毛透、小野広幸、市原浩二