『ヨリミチ』燗酒とスパイスの越境ペアリング

夜はカウンター6席に絞って営業。
夜はカウンター6席に絞って営業。

客がセルフでお燗できるお燗場の設置をはじめ、店主・史路(ふみじ)さんの日本酒LOVEが随所に。
「ぜんぶ半合550円なのは、自分の愛するお酒たちに価格差を付けられないから!」。スパイス料理とのペアリングがウリで、この日はクミン香るラム肉のキョフテ(トルコ風肉団子)で、熟成酒の燗を提案。一方隣には「このラベルかわいい~」と、日本酒ビギナーの若き女性客の姿もあり、お店の門戸の広さを実感。

キョフテ1100円(手前)、モロッコの焼きナスとトマトのスパイス煮込み、ザアルーク660円。
キョフテ1100円(手前)、モロッコの焼きナスとトマトのスパイス煮込み、ザアルーク660円。
シナモンやグローブを使ったスパイスチョコケーキ660円は熟味のあるお酒と。
シナモンやグローブを使ったスパイスチョコケーキ660円は熟味のあるお酒と。
「POST OMIYA」の一画で営業中。
「POST OMIYA」の一画で営業中。
リストは置かず、客の好みや料理との相性で提案する。入門編として香り華やかな冷酒から、「天穏」などゆるりと飲める燗映え銘柄、スパイス料理に合う酸味のある熟成タイプまで約80種。
リストは置かず、客の好みや料理との相性で提案する。入門編として香り華やかな冷酒から、「天穏」などゆるりと飲める燗映え銘柄、スパイス料理に合う酸味のある熟成タイプまで約80種。

『ヨリミチ』店舗詳細

住所:埼玉県さいたま市大宮区桜木町2-491-2 POST OMIYA 102/営業時間:11:30~15:00・17:00~22:00(日は12:00~20:00)/定休日:水(不定休あり)/アクセス:JR各線・私鉄大宮駅から徒歩8分

『蔵元直送 埼玉の地酒処 うりんぼう』埼玉地酒の名店が発酵食に開眼

蔵に通い、杜氏の人柄にまで詳しい店主。「埼玉野菜&発酵づくしコースもぜひ!」。
蔵に通い、杜氏の人柄にまで詳しい店主。「埼玉野菜&発酵づくしコースもぜひ!」。

2005年の開業時に、埼玉の酒蔵36軒を巡った佐藤紀子さん。「おいしい温度帯が広く、主張が控えめで食事に合う酒質に魅力を感じ、扱う日本酒はすべて埼玉県産と決めました」。2022年に移転してからは、自家製発酵調味料による発酵食に注力。発酵ゆずシロップのラペや秩父えのき醬油麹なめたけなど、どれもお酒の名脇役に。砂糖を使わない自然な甘さの発酵あんこで、燗酒をゆるゆる飲む幸せときたら。

彩たまごの醤油麹・赤酢漬けなどが並ぶ麹酒肴3点盛700円、発酵納豆麹550円、発酵あんこ600円。
彩たまごの醤油麹・赤酢漬けなどが並ぶ麹酒肴3点盛700円、発酵納豆麹550円、発酵あんこ600円。
「釜屋新八」「寒梅」、酒造りを毎年手伝う「菊泉」など定番4蔵に、時々加わる蔵が5蔵ほど。すべて蔵から直接仕入れている。120㎖ 550~800円、お燗は150㎖からプラス50円で提供。
「釜屋新八」「寒梅」、酒造りを毎年手伝う「菊泉」など定番4蔵に、時々加わる蔵が5蔵ほど。すべて蔵から直接仕入れている。120㎖ 550~800円、お燗は150㎖からプラス50円で提供。

『蔵元直送 埼玉の地酒処 うりんぼう』店舗詳細

住所:埼玉県さいたま市大宮区宮町4-107-1 2F/営業時間:17:00~21:15LO/定休日:日・祝/アクセス:JR各線・私鉄大宮駅から徒歩8分

各串にパワフル大将、渾身(こんしん)の技が詰まる『路地裏食堂 たけぞう』

手前から、ねぎま440円、つくね440円。甘だれが合うピーマンチーズ330円。まろやかなかめ出し焼酎・松露の前割り550円。
手前から、ねぎま440円、つくね440円。甘だれが合うピーマンチーズ330円。まろやかなかめ出し焼酎・松露の前割り550円。

大将の山本充典(みつのり)さんは赤坂のやきとりの名店『ろく助』で修業。総州古白鶏(そうしゅうこはくどり)のモモを半身も使うねぎまは、一度火を通し、箱の中で休ませ、さらに火入れするほど巨大。肉の旨味を師匠考案「ろく助塩」が引き立てる。返す刀でつくねを頬張れば、炭火で焦がしつけた香ばしさと黒胡椒・オレガノなどのスパイスが口の中で渾然一体に。お酒の品書きもCOEDO伽羅の生770円などセンスがきらり。

また行きたくなる一品! モモ肉をワインで煮込む鶏煮込みカレーライス1100円。
また行きたくなる一品! モモ肉をワインで煮込む鶏煮込みカレーライス1100円。
トークが楽しい大将は大宮出身。
トークが楽しい大将は大宮出身。
紺地ののれんが目印。奥にテーブル席も。
紺地ののれんが目印。奥にテーブル席も。

『路地裏食堂 たけぞう』店舗詳細

住所:埼玉県さいたま市大宮区大門町2-28/営業時間:17:00~21:30フードLO/定休日:日・祝・第1月/アクセス:JR・私鉄大宮駅から徒歩5分

雑居ビルの奥で、実直な酒と料理に唸(うな)る『馳走番波』

左の牛もつ煮込み540円(季節限定)、くじら赤身刺650円、神泡アートが美しいザ・プレミアム・モルツ中550円。
左の牛もつ煮込み540円(季節限定)、くじら赤身刺650円、神泡アートが美しいザ・プレミアム・モルツ中550円。

喧騒(けんそう)から離れた立地にあり、靴を脱いで上がるため心からくつろげる。お酒はザ・プレミアム・モルツマイスターのスタッフが注ぐプレモルや角ハイなど、サントリーが中心。きめ細かな泡で喉を潤したら、いざお通しへ。当日はアジフライで、手間隙かけた味に期待が膨らむ。山椒のたれで味わうしびれ鶏490円(料理写真手前)やさばのへしこ刺650円など、飲み助の心をつかむ肴に頬緩みっぱなし!

また行きたくなる一品! 「本日の赤字」の刺し身200円。当日はカガミダイ刺。
また行きたくなる一品! 「本日の赤字」の刺し身200円。当日はカガミダイ刺。
カウンターや掘りごたつの席、畳の個室を用意。
カウンターや掘りごたつの席、畳の個室を用意。
雑居ビル2階の隠れ家的立地。大宮の名酒場『番風』の兄弟店。
雑居ビル2階の隠れ家的立地。大宮の名酒場『番風』の兄弟店。

『馳走番波』店舗詳細

住所:埼玉県さいたま市大宮区桜木町2-244 望月ビル2F/営業時間:16:00~24:00/定休日:日/アクセス:JR・私鉄大宮駅から徒歩8分

自然派ワインと野菜で心ほくほく『ワイン居酒屋 NECCO』

絶妙な火入れで赤身の旨味を引き出す幸手の合鴨ロースト2800円など。ザクロのような風味のシチリアワイン、コス’20は900円。
絶妙な火入れで赤身の旨味を引き出す幸手の合鴨ロースト2800円など。ザクロのような風味のシチリアワイン、コス’20は900円。

白いんげんと菜の花のくたくた煮700円を食べて驚き。味付けはあっさりなのに白インゲンがとにかく滋味深い。「味の濃い在来種や固定種の野菜を作るときがわ町の有機農家さんから、野菜を仕入れてます」と店主の藪上充(やぶかみみつる)さん。グラス6種、ボトル70種ほど揃うワインも多くがナチュール系。食材を活かした味付けや料理に寄り添うワイン、穏やかな店主など“やさしさ”に満ちる良店なのだ。

また行きたくなる一品! 開店以来、改良を重ねているパテドカンパーニュ1000円。
また行きたくなる一品! 開店以来、改良を重ねているパテドカンパーニュ1000円。
「季節で料理が変わるのでSNSで更新してます」と店主。
「季節で料理が変わるのでSNSで更新してます」と店主。
生活路に明かりがひっそりともる。
生活路に明かりがひっそりともる。

『ワイン居酒屋 NECCO』店舗詳細

住所:埼玉県さいたま市大宮区下町2-3-9/営業時間:17:00~22:00/定休日:月・火/アクセス:JR・私鉄大宮駅から徒歩7分

家族の笑顔と新鮮なモツが最高の酒肴『もつ焼 大阪屋』

治子さん(中央)や架月さんを中心とした家族経営。「大宮の市場から朝ジメのいいモツが入ってきます」。
治子さん(中央)や架月さんを中心とした家族経営。「大宮の市場から朝ジメのいいモツが入ってきます」。

ネオン煌(きら)めく南銀座から逃れ、暖簾をくぐると2代目女将・赤坂治子さんの「いらっしゃい」という温かい声。名物のやきとんを焼くのは息子の架月(かづき)さんで「大宮の食肉市場で2年間働いたのでモツの扱いは自信があります」。薄膜を丁寧にはがし軽く包丁でたたいたカシラはジューシーで、シロは大腸を使っており脂プルプル。「5歳の頃から遊びに来てたこの店を潰したくなくて継ぎました」という3代目の話を聞くと、酔いがさらに深まるのだ。

左からネギ、シビレなど串各100円。ガツ七味和え430円。麦焼酎・伝説お湯割り2合570円。
左からネギ、シビレなど串各100円。ガツ七味和え430円。麦焼酎・伝説お湯割り2合570円。

『もつ焼 大阪屋』店舗詳細

住所:埼玉県さいたま市大宮区仲町1-7-1/営業時間:16:00~23:00/定休日:日・祝月(12月30日~1月3日)/アクセス:JR・私鉄大宮駅から徒歩2分

並ぶ短冊に心躍る酒飲みの竜宮城『ろばた焼 北海』

カウンター客には櫂(かい)で提供。メニューは100種以上。
カウンター客には櫂(かい)で提供。メニューは100種以上。

短冊メニューが店内をぐるりと囲み、カウンターの氷には鮮魚や貝が彩りよく並ぶ。カワハギやアジが泳ぐ水槽の前では、ねじり鉢巻きの男衆が手際よく魚をさばいており、この風景だけで気分が高揚!「代表と私で毎日大宮市場に仕入れに行ってます。旨味も水分も抜けるから炉端焼きを含め冷凍ものは使いません」と店長の浅野裕史さん。確かに生にしん焼きは身がふっくら、キンメの刺し身は脂ノリノリ。「冬はズワイや毛ガニも登場します!」。

テーブル席は靴を脱いで座る。
テーブル席は靴を脱いで座る。
当日は本マグロやキンメなどが並んだ刺身の盛合せ2592円、生にしん焼き756円。上尾の地酒・文楽純米吟醸864円。
当日は本マグロやキンメなどが並んだ刺身の盛合せ2592円、生にしん焼き756円。上尾の地酒・文楽純米吟醸864円。

『ろばた焼 北海』店舗詳細

住所:埼玉県さいたま市大宮区仲町1-50 福田産業ビル/営業時間:17:00~24:00/定休日:無(12月31日~ 1月3日)/アクセス:JR・私鉄大宮駅から徒歩2分

大宮の酒場と言えば、この店抜きには語れない『いづみや本店』

席数は60以上。すぐ隣にある「第二支店」を合わせると優に100を超える収容人数を誇る大箱酒場『いづみや』。
席数は60以上。すぐ隣にある「第二支店」を合わせると優に100を超える収容人数を誇る大箱酒場『いづみや』。

もとは定食屋として開業したため、開店は朝の10時。高く抜けのよい天井の周囲に、ぐるりと設えられた採光窓から日の光が差し込み、その光の向こうには壁一面に圧巻の手書きメニュー短冊。まだ日の高いうちからこの空間で、端正な佇まいの肉豆腐をつまみに、梅割をちびちびとやる時間には、他に替えがたい喜びがある。「長いお客さんとは、みんな友達みたいになっちゃって」と言って楽しそうに働く店員さん。大宮を代表する大衆酒場は、決して気取らず、しかしきちんと店の味わいを守り続ける、この街の奇跡そのものだ。

この短冊メニューを前に、あれこれ今日の作戦を練るのも至福の時間。
この短冊メニューを前に、あれこれ今日の作戦を練るのも至福の時間。
上から時計回りに、まぐろぶつ360円、梅割、わかめときゅうりの酢の物280円、『いづみや』名物のもつ煮込み170円、そして肉豆腐。
上から時計回りに、まぐろぶつ360円、梅割、わかめときゅうりの酢の物280円、『いづみや』名物のもつ煮込み170円、そして肉豆腐。
毎日仕込む特製の焼酎、梅割220円は、一升瓶でグラスいっぱいに注いでくれる。一升瓶が7本も空く日もあるほど人気。
毎日仕込む特製の焼酎、梅割220円は、一升瓶でグラスいっぱいに注いでくれる。一升瓶が7本も空く日もあるほど人気。
厨房では一日を通し、料理人の手が休まることはない。
厨房では一日を通し、料理人の手が休まることはない。
数度の建て替えはあれど、70年以上にも及ぶ歴史の堆積がそのまま残る空間。
数度の建て替えはあれど、70年以上にも及ぶ歴史の堆積がそのまま残る空間。
駅を出れば正面に堂々たる看板が目に入る。ここはまさに酒飲みのランドマークだ。
駅を出れば正面に堂々たる看板が目に入る。ここはまさに酒飲みのランドマークだ。

『いづみや本店』店舗詳細

住所:埼玉県さいたま市大宮区大門町1-29/営業時間:本店10:00~翌2:15、第二支店9:30~22:00/定休日:不定/アクセス:JR・私鉄大宮駅から徒歩1 分

大迫力のマグロの頭に仰天!『いろは三世』

2代目が寿司屋ということで、お客さん同士の距離が近い。ガラスケースには魚がずらり。
2代目が寿司屋ということで、お客さん同士の距離が近い。ガラスケースには魚がずらり。

暖簾をくぐると奥のカウンターの上に、マグロの頭がドンと置かれているのが目に入る。これを指さし、「その刺し身は頭のこの部分ね」を説明してくれるのは店主・新井國広さん。顎あごや頬など、同じ頭でも部位によって味が変わるという。毎朝仕入れるマグロの頭の刺し身は脂がのっていて、酒が進む。お店は1946年の創業で、新井さんが3代目ということで「三世」なのだそう。リーゼントがキマった名物店長だ。

マグロの頭とサエズリ(のど肉)が楽しめるイロハ梅盛1000円。
マグロの頭とサエズリ(のど肉)が楽しめるイロハ梅盛1000円。

『いろは三世』店舗詳細

住所:埼玉県さいたま市大宮区大門町1- 48/営業時間:17:00~ 24:00LO/定休日:日・祝/アクセス:JR・私鉄大宮駅から徒歩3分

おでんを肴に全国のレアな日本酒を『おでんと魚菜 基』

店長の妹尾和明さん。
店長の妹尾和明さん。

埼玉県産野菜をはじめ、この店のおでん種は個性豊か。利尻昆布、トビウオ、魚のアラでとる出汁は、京風の上品で控えめな味付け。約20銘柄がそろう日本酒は、全国各地から厳選。随時入れ替わるので、訪れるごとにおすすめを聞いてみたい。おでんと並んで店の二枚看板が刺し身。大間のマグロ、高知のシマアジなど、各地の旬が並ぶ。冬場には、高知や九州産のクエのしゃぶしゃぶも登場する。

春菊のはんぺん300円、丸ごとトマト580円など。フレッシュで華やかな味の米沢・新藤酒造の九郎左衛門・裏雅山流など、銘酒とともに。
春菊のはんぺん300円、丸ごとトマト580円など。フレッシュで華やかな味の米沢・新藤酒造の九郎左衛門・裏雅山流など、銘酒とともに。
カウンター席もあるので、1人飲みにも使える。
カウンター席もあるので、1人飲みにも使える。

『おでんと魚菜 基』店舗詳細

住所:埼玉県大宮区桜木町2-158-2 スプリングアートビルディングB1F /営業時間:17:00~23:00/定休日:無(臨時休業あり)/アクセス:JR・私鉄大宮駅から徒歩3分

地酒愛から生まれたほぼ全蔵飲み放題『酒蔵 栄楽』

「世界鷹」「豊明」「藍の郷」各1合750円。魚介や野菜で25種ある串天ぷら1本150円。
「世界鷹」「豊明」「藍の郷」各1合750円。魚介や野菜で25種ある串天ぷら1本150円。

創業60年の居酒屋で1年前に始めたのは、埼玉県内34蔵の酒の飲み放題(2000円)。ほぼ全蔵網羅するのは現在こちらだけらしい。「数年前に仙台で地元の人の通う酒場に行ったら、全部宮城県の酒だったので衝撃を受け、コレだ! と。埼玉の人は地方の酒は知ってても地酒を知らない人が多くて残念だと思っていたんです」と30代の店主・安田大輔さん。飲み放題は先入観なしで気軽に飲めるようにと考えてのこと。さらに飲んだ酒を忘れないよう全種類のラベルのコースター(しかもQRコード付き)やスタンプカードも自作する。料理は刺し身に焼き物、炒め物に煮物と和食全般。串天ぷらと〆鯖の新旧名物はぜひお供に。

店内は全60席。掘りごたつの部屋もある。
店内は全60席。掘りごたつの部屋もある。
板場で調理を担当する3代目の安田大輔さん。
板場で調理を担当する3代目の安田大輔さん。
厚切りの〆さば木の葉造り700円は昔からの名物。
厚切りの〆さば木の葉造り700円は昔からの名物。
店内2つの冷蔵庫に収まる埼玉の地酒。
店内2つの冷蔵庫に収まる埼玉の地酒。

『酒蔵 栄楽』店舗詳細

住所:埼玉県さいたま市大宮区桜木町2-159 安田ビル2F/営業時間:11:30~13:30(土は休)、17:00~23:00/定休日:日・祝/アクセス:JR・私鉄大宮駅から徒歩3分

【BAR】

いい酒、いい音、いい時間。『BAR Dram Beg』

安藤さんは大宮『アルカサル』で修業し、2020年3月に開店。「絶対に入れたかった」というカウンターは幅80cm、長さ6m。ゆったりくつろげる。
安藤さんは大宮『アルカサル』で修業し、2020年3月に開店。「絶対に入れたかった」というカウンターは幅80cm、長さ6m。ゆったりくつろげる。

バーの名は、ゲール語で「少しのお酒」。転じて「ちょっと寄って行こうか」を意味する。安藤大介さんの「職場と家の往復だけでなく、短時間でもリフレッシュできる場所になれば」という思いがこもる。スコッチ、薬草酒、リキュールに頼らず旬のフルーツでつくるカクテルに力を入れる。初めの一杯は、まろやかなフランス産ジン、レモンとライムの果汁、オレンジビターズをしっかりステアするジントニックを。Bowers & Wilkinsのスピーカーから流れるレコードの音がいっそう心を緩ませる。

初めの一杯は、ジントニック900円。
初めの一杯は、ジントニック900円。
推しの一杯は、とちおとめでつくるストロベリーマティーニ1200円~。
推しの一杯は、とちおとめでつくるストロベリーマティーニ1200円~。
レコードを持ち込む常連もいるという。
レコードを持ち込む常連もいるという。

『BAR Dram Beg』店舗詳細

住所:埼玉県さいたま市大宮区大門町2-11 プロスパーワンビル1F奥/営業時間:18:00~翌1:00/定休日:不定/アクセス:JR各線・私鉄大宮駅から徒歩5分

知られざるラム酒と出合う、味わう『Bar R』

カウンターは、アフリカ産アパの一枚板。
カウンターは、アフリカ産アパの一枚板。

開店は2016年3月。揃えるラム酒は200種を超え、さらに毎月必ず新しい種類をラインナップしている。マスターの柴田博美さんは、「多種多様な文化の中で造られているため柔軟性があって自由度が高く、まだまだ知られていない銘柄があります」と、その魅力を語る。冬の一杯目でトライしたいのが、ホットバダードラム。シナモンやクローブなどのスパイスに蜂蜜、バター入り。ダークラムを使った深い味わいのホットカクテルだ。

シェリー罇で熟成させたバルデスピノロン ビエホ1800円。ボディ感の厚いスペインラムの代表格。バカラのアンティークグラスも素敵。
シェリー罇で熟成させたバルデスピノロン ビエホ1800円。ボディ感の厚いスペインラムの代表格。バカラのアンティークグラスも素敵。
ホットバタードラム1200円。
ホットバタードラム1200円。

『Bar R』店舗詳細

住所:埼玉県大宮区宮町1-91-1/営業時間:18:00~深夜/定休日:火(1月1 ・ 2日)/アクセス:JR・私鉄大宮駅から徒歩5分

取材・文=高木健太、下里康子、平野貴大、光松 瞳、本田直子、パリッコ、沼 由美子、鈴木健太 、風来堂  撮影=加藤昌人、オカダタカオ、井上洋平、井原淳一、金井塚太郎、本野克佳、門馬央典、原 幹和

どこの都道府県にも県民歌というのがある。埼玉県にも1965年に制定された「埼玉県民歌」がある。けど、郷土意識希薄な県民性のせいなのか、その存在を知らない人も多い。かくいう私も、いまwikiを検索してはじめて知った。埼玉県民歴20年以上のベテランなのだが……。知ったついでに歌詞を見てみたのだが、これがまったくココロに響かない。「輝く埼玉」とか言われてもなぁ。地元をそんなに誇らしく思ったことがないし。
新幹線も止まる一大ターミナルで鉄道の街と言われるが、「大宮は浦和の後発」なんて街の人はあっけらかん。そんな大らかな街の魅力は何なのか。大宮駅周辺の西も東も巡ってみれば、きっと分かってくるはずです。
芝川や見沼代用水沿いの散歩道。水辺と緑陰の道は気持ちよく、民家園や古刹、植物園などがアクセントになって楽しく歩ける。とはいえ、見学や拝観を含めるとかなりの距離になるので、立ち寄りポイントを選択してもいいし、帰りはバスを利用するのも一案。