羅生門

五感で味わうノスタルジックな一杯

レンガ造りの高架下、電車の音も心地よい。

当初はおでん屋としてスタートし、以後70年近くにわたって愛され続ける憩いの場。カウンター奧の大鍋で香り立つ伝統の「煮込み」は、おかわりする人もいるほどのおいしさだ。評判の「しのえ焼」は手羽先の骨を抜いて肉と野菜をつめたオリジナルの一品。酢醤油でさっぱりといただこう。清酒は煮込みの鍋の上、巨大徳利からたっぷりこぼしながら注がれる、目にも楽しい一献だ。

5合の徳利からなみなみ注がれる清酒両関380円。
奧から煮込み630円、生ゆば520円、しのえ焼440円。

『羅生門』店舗詳細

住所:東京都港区新橋1-13-8/営業時間:17:00~22:00LO(土は~20:30LO)/定休日:日・祝/アクセス:JR・地下鉄・私鉄新橋駅から徒歩3分

鳥よし

質と安さにこだわった焼き鳥

手前から盛り合わせB 1250円。エシャレット400円。煮凝りは380円。越乃景虎600円。

当初は歌舞伎俳優・市川雷蔵の義理の父が始めたというこの店。鶏肉専門店を営んでいたオーナーが質のよい鶏肉を厳選。串に打たれた生肉はガラスケース越しにも新鮮で、ぷりぷりした鳥刺しも注文の多い一品だ。「サラリーマンも大変な時期。そんなにお金をもらってもね」といって笑う店長は安さにもこだわる。透き通るような煮凝りも、灰汁と脂を丁寧に抜き続けたシンプルながら手のかかる名物。

鶏肉の質に自信あり!
仕事帰りのサラリーマンの憩いの場。

『鳥よし』店舗詳細

住所:東京都台東区上野5-20-4/営業時間:17:00~ 22:00LO/定休日:日・祝/アクセス:JR山手線・京浜東北線御徒町駅から徒歩1分

ミルクワンタン 鳥藤

戦後を支えた、やさしい味わい

納豆炒飯とミルクワンタンのみのセットは1000円。日本酒は1合500円で、小さなヤカンから自分で注ぐユニークなスタイル。

戦後、有楽町で場所を変えながら70年以上も営業。10品前後の料理が勝手に運ばれてくる独自ルール(料理だけなら3000円程度)で、シメに登場する「ミルクワンタン」は戦後の貧しい時代に「少しでも栄養があるものを」と初代が考案。塩味の牛乳にワンタンや野菜、鳥もつを煮込んだやさしい味。頭上を電車が走るたびに店内は揺れ、酔客は轟音に負けじと声を張る。この喧噪も店の魅力。

カウンターの奧にはお座敷がある。

『ミルクワンタン 鳥藤』店舗詳細

住所:東京都千代田区丸の内3-7-9/営業時間:17:00~ 22:30LO/定休日:土・日・祝/アクセス:JR・地下鉄有楽町駅から徒歩4分

登運とん

店を長年守り抜く、こだわりの串

薄暗いガード下で提灯が華やぐ。

1953年創業、「ガード下のもつ焼き屋」といえば真っ先に名が挙がる老舗だ。名物の串焼きは開店前にその日提供する分だけ串打ちし、備長炭で焼き上げるこだわりよう。「冷凍ものなんて使ってたら何十年も店持たないよ」と店長の眞田さんは笑う。月替わりのおすすめ焼酎と日本酒は店長自ら厳選し、ワンコインで販売。変わらぬ安さと旨さに引かれ、最近は女性のひとり客も増えているとか。

牛もつ煮込み638円。
店の自慢、豚盛合わせ(5本)935円、嬬恋キャベツ漬け495円。雷門サワー495円はライムとレモンをブレンド。

『登運とん』店舗詳細

住所:東京都千代田区有楽町2-1-10/営業時間:13:00~ 22:30LO(土・日・祝は12:00~)/定休日:無/アクセス:JR・地下鉄有楽町駅から徒歩5分

老酒舗

北京の庶民の味を堪能できる

北京の大衆的な食堂風の内観。

昔ながらの北京の大衆酒場のツマミを気取らず味わえるこの店。炒飯や土鍋、酸菜(さんさい)と呼ばれる白菜の漬物を使った餃子が人気で、素朴で懐かしい味わいは中国出身のお客さんからも人気が高い。朝飲みも可能で、モーニングも用意。現地をイメージした内装と相まって、ひと味違ったディープな中華探訪ができるだろう。焼酎と割り材を組み合わせて自分好みのサワーを作れるのも楽しいところ。

紅星二鍋頭660円、しそバイス165円、キンミヤ396円。好きな割り方を試そう。発酵白菜水餃子264円、漬物大豆炒め660円、豚と漬物の炒飯990円。
外観も北京の大衆的な食堂風。

『老酒舗』店舗詳細

住所:東京都台東区上野5-10-12/営業時間:7:00~10:00・11:00~23:00/定休日:無/アクセス:JR山手線・京浜東北線御徒町駅から徒歩1分

新日の基

有楽町で新鮮な魚を味わうならここ

トンネルのような独特な内観。

復員兵の宿舎を改装した歴史ある居酒屋。店内には何本もの梁がアーチを描き、隠れ家のような趣だ。外国人のお客さんも多く、ガード下らしい風情と多国籍の雰囲気が絶妙にミックスした味わい深い空間となっている。店の目玉は新鮮な海鮮料理で、3代目店主のアンディさんが毎朝豊洲市場で仕入れる魚が日替わりのメニューに上る。旬の魚を手軽に食べられるとあって、足しげく通う常連も多い。

菜の花カラシ和え500円、金目煮付2200円。生グレープフルーツサワー860円。
刺身の盛合わせ2800円。創業70余年を記念した米焼酎「新日の基」はボトル2500円。

『新日の基』店舗詳細

住所:東京都千代田区有楽町2-4-4 /営業時間:17:00~ 23:10LO/定休日:日/アクセス:JR・地下鉄有楽町駅から徒歩2分

取材・文=いつか床子 撮影=加藤熊三 オカダタカオ 本野克佳
『散歩の達人』2020年4月号より