CIBI TOKYO STORE
コーヒーと始まるメルボルンの朝
2017年に誕生したメルボルンに本店を構えるコンセプトストア。“LIFEを楽しむ”を信条に、朝から暮らしを彩るデザインプロダクトも販売する。朝食は、本店でも愛されるCIBIブレックファーストを。カリッと焼いたシード入り自家製天然酵母パンに、アボカド、半熟卵、サラダを添え、元気を注入。また、先日オープンした姉妹店『CIBI corner store Kitasando』でライトな朝食を楽しめる。
MISOJYU
主役を張るガッツリ具材の味噌汁
日本人のソウルフード・味噌汁を海外に発信すべく、野菜と味噌を有機にこだわった“食べ応えある味噌汁”が看板だ。朝は、日替わり味噌汁2種とおにぎり5種からそれぞれ選び、好みの組み合わせで。湯気立つ汁椀には、大きめカットの具材がどっさり。ずずっと啜すすれば、かつお節と昆布の出汁と、島根県産やさか味噌の滋味深い風味がふわっ。碾茶(てんちゃ)をまぶした塩むすびとの相性たるや、もう。
台湾式朝御飯 喜喜豆漿
中毒性が高めな台湾モーニング
「台湾の朝は、これが定番なんです」と店主の野崎文章(ふみのり)さんが運んできたのは、台湾の豆乳スープ・鹹豆漿(シェントウジャン)と饅頭(マントゥ)だ。鹹豆漿を口に運んでみると、おぼろ豆腐のごときトロトロの口当たりに、まず驚き。ほのかな酢の酸味と塩味、桜えびの香りが鼻腔を抜け、後引く味わいだ。また、饅頭には魯肉(ルーロー)がぎっしり。豪快にかぶりつけば、煮込まれた豚肉の甘さにハッカクの風味が合わさり、知らず頬が緩む。
ガーデンスクエア カフェ・フェリーチェ
23区内とは思えぬ至極の森のテラス席
桜、紅葉、花々で彩られ、圧倒的な自然にうっとり。「季節でも変わるんですよ」と、店長の鈴木勇志(ゆうし)さん。花屋とイタリアン、パン職人手製のカフェを備えたのは江戸期から続く造園会社だ。モーニングは、キッシュなどもあって悩ましいが、ガーデンサラダなら近隣の畑仕入れがボウルにたっぷり。葉もの類にニンジン、トマト、ズッキーニなど、さまざまな食感と香りが口中でくるくる顔を出す。
ケララの風モーニング
南インド料理の軽食に舌鼓打つこと必至
プレートに所狭しと並ぶ総菜に圧倒されていると、「まず、このドーナツみたいなのを食べて」と、店主の沼尻匡彦さん。言われるままサンバルにつけて頬張ると、スパイスの芳香が瞬く間に口中を埋め尽くす。ココナッツチャトニーをのせればあら不思議。マイルドな味わいに早変わり。両方混ぜてもまた乙だ。アチャールの酸味やトーレンの辛み、食後のチャイの甘みと、多彩な味わいに心躍る。
itoma morning and night
旬味はじけるモーニングにときめく
地中海料理を軸に営む野生(のしょう)真弓さんは、「モーニングが好き」と、珍しい朝・夜営業。風が通る小さく心地よい店に、2週間替わりのセットを求めて客がひっきりなしに訪れる。農家仕入れも含めた旬野菜を中心に作るパンとスープは、ビーツが鮮やかなクリームパン、スパイスを利かせたサンドイッチ、香りはじけるフルーツスープなど、どれも独創的。組み合わせの妙で香味が立体的に立ち上る。
老酒舗
ざっかけない風情の中 北京の朝を満喫
北京大衆酒場が開くのは早朝。3種ある早餐セットの定番は「白粥と肉まん」とスタッフの宇氷(ウヒョウ)さん。1時間かけて生米を弱火で炊く粥は胃に染みわたり、日替わりザーサイの塩気がいい塩梅。肉まんもふかふかだ。また、単品も多彩。「中国の人はよく食べます」と、ゴマが香ばしい焼き餅と海苔(のり)雲呑(わんたん)スープに、自慢の水餃子や烏龍茶煮の味付け卵などを追加する常連も。自分の定番を見つけたい。
木琴堂
隠れ家カフェで静かな朝ごはんを
夫婦で鞄屋を営んでいた田中真佐男さんと佳代子さんは、「離れを作って遊び場にしよう!」と、古家を改修。卓球場、アトリエを経て、現在のカフェスタイルに。品書きは週替わりで、この日のメインはキャベツの巣ごもり玉子トースト。外カリ中フワのパンと、とろり濃厚な玉子の相性がバッチリだ。また、コーヒーは神戸の老舗『萩原珈琲』から仕入れた深煎り。心地よい苦みで、体が目を覚ます。
築地本願寺カフェ Tsumugi
寺の朝餉(あさげ)は 多彩なおかずが華やか。
「寺の朝食の定番であるお粥に合う味わい」がテーマのおかずは、鴨の山椒焼きやタコの塩麹和え、里芋田楽などに、お粥と味噌汁を足して18品。『つきぢ松露』の卵焼きや『築地 江戸一』の甘口昆布の佃煮など、名だたる築地の総菜もちりばめられている。お粥は富士の天然水で炊き上げ、甘くてもっちりとした口当たりだ。ゆっくり時間をかけて平らげたら、食後の深蒸し茶をすすって、ほっとひと息。
/営業時間:8:00~21:00(モーニングは~10:30)/定休日:無/アクセス:地下鉄日比谷線築地駅直結
取材・文=teamまめ (佐藤さゆり、高橋健太) 撮影=オカダタカオ、加藤熊三
『散歩の達人』2020年8月号より