こんなところからも富士山が!「富士見散歩」はどこでする?
東京都環境局では、都庁舎から「富士山が見えた日数」の統計を取っています。2021年までの10年間の平均値を計算すると、富士山が見えた日は、夏はひと月に2、3日程度ですが、12月と1月は約20日もありました。
そんな富士山を見に出かけるには都庁など特別な場所へ行かないといけないわけではありません。突然ですが、こちらの橋に見覚えがある人は多いのではないでしょうか?ここは、ことし社会現象級に話題になったドラマのロケ地でもある世田谷区の「代田富士見橋」です。この橋に佇めばドラマの余韻に浸れるだけでなく、その名の通り、富士山の姿が見えます。
少し雲は出ていましたが、青空に雪をかぶった富士山の雄姿が拝めました。運がよければすぐ近くの世田谷代田駅の改札からも富士山が見えます。東京都内をはじめ首都圏には、街中から富士山の見える場所がいくつもあります。よく訪れる街の中にも、実は意外な富士見スポットが隠れているかもしれません。
休日にのんびりと富士見をするなら、見晴らしの良い高台からはいかがでしょうか?冬は山の稜線がくっきりと見えやすく、広々とした青空と白い富士山のコントラストの美しさも格別です。日没の時間まで長い時間晴れたときには、夕日で赤く染まる姿も楽しめます。遠くまでよく見渡せる高台だからこそ、夕焼け空に沈む富士山を堪能できます。
年末年始の移動中にもチャンスあり
3年ぶりに行動制限のない年末年始には、帰省や旅行などを考えている人も多いのではないでしょうか。新幹線や飛行機の中でお弁当を食べながらの富士見も、お花見のように楽しいものです。特に飛行機に乗って、雲の上から見下ろす富士山は必見です。
東海道新幹線でお出かけするなら、シャッターチャンスは三島駅から新富士駅間です。この区間は周りに高い建物などがないため、迫力ある富士山を存分に写真に収められます。静岡県側からの富士見だからこそ見える「宝永山」にも注目してみてください。
「富士見日和」の天気とは?
晴れ予報であれば、いつでも大丈夫かというと、そうはいかないのが「富士見」の難しいところです。おすすめしたいのは、「よく晴れる日の朝」です。晴れていても日中、気温が上がると雲が発生しやすくなるため、富士山が雲に隠れてしまうことはよくあります。まだ気温の低い早朝は富士山が見えやすい傾向があります。ただし、前日の夜に雨が降ったときには、翌朝、霧が発生しやすいので要注意です。東京都環境局の「東京都大気情報」では、都庁舎からの富士山の様子を1時間ごとに見られるため、富士山周辺の雲の様子を確認するために参考になります。
「富士見」に必須のアイテムは?
朝の富士見に欠かせないのは、足元を温めるための靴下やブーツです。おだやかに晴れる朝は特に冷え込みます。これは、地面から熱が逃げる「放射冷却」と呼ばれる効果が強まるためです。晴れていると日差しの暖かさを感じるのは、地球が太陽から熱を受け取っているためです。太陽が沈む夜間は、地球からも熱を放出しています。このとき、上空に雲があると、雲が布団のような役割をするので熱の放出は抑えられますが、よく晴れていると熱がどんどん逃げるため、朝には足元からぐっと冷え込みます。
この冬は節電需要に応えるため、さまざまな種類の発熱性の靴下が登場していたり、ロングブーツの流行も再燃したりと「底冷え」対策グッズは豊富です。冬晴れの朝は少し早起きをして、いつ見ても神々しい富士山から新年を迎えるパワーをもらいましょう。