アクセス
電車:JR・私鉄・地下鉄上野駅からJR東北本線で約1時間30分の石橋駅下車。関東自動車バスに乗り換え約11分の峰町ほか下車。
車:東北自動車道川口JCTから東北自動車道・北関東自動車道を利用し、宇都宮上三川ICまで約95㎞。同ICから上三川町中心部まで約6㎞。
蓼沼親水公園
多くの町民に親しまれる憩いの場
鬼怒川の河川敷に広がる明るくのどかな公園。子供や家族連れが気軽に水遊びを楽しめる親水ゾーン、湿生植物が生息する鑑賞ゾーンのほか、保全観察ゾーン、多目的ゾーンの4つのゾーンからなる。東蓼沼橋からほど近い場所なので、あわせて訪れたい。
●散策自由。栃木県河内郡上三川町東蓼沼1013番地先
東蓼沼(たてぬま)橋
ここにしかない風景を見たくなる
栃木県を代表する河川の一つ、鬼怒川にかかる長さ200mの潜り橋。幅は2mに満たず、途中に待避所があるものの、1t以上の車は原則通行できない。渡った先に特段見どころがあるわけではないが、わざわざ足を運ぶ歩行者やサイクリストの姿もちらほら(通行不可の場合あり)。
●栃木県河内郡上三川町東蓼沼
磯川緑地公園
周囲から隔絶された静けさも魅力
日産自動車栃木工場のすぐ東を流れ下る磯川。貴重な自然が残る水辺公園として手厚く保全され、清らかな流れに沿うように片道約1.4㎞の平坦な遊歩道が整備されている。「とちぎの道と川100選」「栃木の自然100選」に選ばれているのも納得の環境だ。
●散策自由。栃木県河内郡上三川町上郷2166-1ほか
日産自動車栃木工場ゲストホール
クルマ好きなら一度は足を運びたい
日産自動車の国内生産工場では最も敷地面積が広い栃木工場。高級車とスポーツカーを生産する工場の一角にあり、円形の外観が目を引く。館内では日産GT-Rなど常時4台が来館者を出迎え、クルマができるまでの概要を示した説明パネルがぐるりと取り囲む。ファンにはたまらない希少なグッズを扱う自販機も置かれ、ひそかに人気だとか。
夕顔の里かみのかわ むかしなつかし館
大人も思わず童心に帰る
上三川町観光協会事務局が置かれ、同町商工会が管理運営。情報発信もさることながら、ひときわ目を引くのは駄菓子コーナー。200種ほどの駄菓子が所狭しと並べられ、子供の頃のワクワク気分が一気によみがえってくる。
上三川いきいきプラザ農産物直売所
「かみのかわブランド」売り場を常設
町民交流施設『上三川いきいきプラザ』の一角にあり、新鮮な野菜などを販売。特産のかんぴょうが入ったお菓子をはじめ、「かみのかわブランド」の商品も数多く揃う。
御食事処 うえ乃家
ご当地グルメ・黒チャーハンが評判
県道沿いにある素朴な食堂。町おこしの一環として同業者らと開発した黒チャーハン860円は、地元で採れた旬の野菜を具材に特製のウスターソースで炒めたもの。見た目ほど辛くなく、濃厚な味わいが癖になる。店内は家庭的な雰囲気で、フレンドリーなお母さんの接客も好印象だ。定食や丼メニューも充実している。
にっこり
濃厚な甘みに思わず笑みがこぼれる
コンテナを再利用したユニークなやきいも・焼き栗専門店で、オープンは2021年10月。干しいも加工などを手がける佐藤商会の敷地内にあり、県道を通る車がドライブスルー感覚でふらりと立ち寄る。やきいもは糖度が高く、しっとりとした茨城県産紅はるかを使用。焼き栗には本業で培った仕入れルートを生かし、中国遼寧省産の良質な有機栽培和栗を用いている。
上三川城址公園
四角形の土塁に沿って遊歩道を整備
建長元年(1249)、宇都宮氏の一族である横田氏により築かれ、以後慶長2年(1597)まで350年近く続いた上三川城。広大な敷地に郭(くるわ)が並ぶ往時の姿は失われたが、わずかに残された本丸跡を公園として整備。石垣や周囲を巡る堀にかつての様子が偲(しの)ばれる。
●散策自由。栃木県河内郡上三川町上三川5078
Butch Cafe(ブッチ カフェ)
スイーツ&ドリンクの小さな店
自宅の一部を改装した隠れ家風カフェ。娘の栞(しおり)さん手作りのこだわりスイーツを、ドリンクとともに母の湯澤仁美さんがにこやかに提供してくれる。スイーツはケーキ500円前後、スコーン350 〜400円などがあり、ドリンクはぶっちブレンド500円ほか。スープや麺などピリ辛の台湾風メニューもある。
“ORIGAMIのまち”を積極的に発信!
年齢や性別、国籍を問わず、紙さえあれば誰もが気軽に楽しめる折り紙。上三川町は、創作折り紙の第一人者で、海外での個展などを通じて“ORIGAMI”を世界の共通語として広めた故・吉澤章の出身地であることから、2021年には“ORIGAMIのまち”を宣言。町役場内には町民の作品が飾られ、2022年に入りロゴマークも決まるなど、機運も上昇中だ。
白鷺(しらさぎ)神社
町の歴史を見守ってきた古社
延暦2年(783)の創建とされ主祭神は日本武尊(ヤマトタケルノミコト)。社名は康暦2年(1380)に小山(おやま)城主の小山義政が上三川城を攻めた際、神社の森に群れる白鷺を旗と見間違え、退去した故事に由来する。手水舎(てみずや)では白鷺の口からご神水「金明水」が湧く。
上神主(かみこうぬし)・茂原官衙(もばらかんが)遺跡
古代の役所跡で国の史跡に指定
上三川町と宇都宮市にまたがる役所(官衙)跡で、7世紀後半(飛鳥時代後期)から9世紀(平安期前半)の遺構と推定。規模は東西約250m、南北約400mにも及ぶが、調査を終え、現在は草に覆われている。東山道(とうさんどう)跡を隔てた南隣には頂上部に浅間(せんげん)神社を祀(まつ)る「浅間神社古墳」が残る。
●栃木県河内郡上三川町上神主387ほか
旅のワンポイント
幕末の志士ゆかりの寺が町内に
戊辰戦争での宇都宮城の戦いの際、新選組副長・土方歳三が3泊陣を置いたのが東蓼沼の満福寺。表門前では官軍藩士3名を処刑したとされる。
取材・文・撮影=横井広海
『散歩の達人』2022年8月号より