高台から列車を眺望できる絶景ポイントが多い赤羽。その代表例が赤羽“台”にある赤羽八幡神社だ。階段を上った境内からは、玉垣越しに新幹線やJR宇都宮線などを一望。境内の下を、新幹線や埼京線のトンネルが通っているのだ。
「聖域である社殿の下ではなく、社務所の下をトンネルが走っています。トンネルを通すための高さが必要で盛り土をしたため、社務所が社殿の位置より高い、珍い配置になったのです」と宮司さん。

さらなる高所から鉄道を見下ろせるのが、『ホテルウィングインターナショナル東京赤羽』。西口にあるので、赤羽駅西側の線路を走る東北・秋田・北陸・上越新幹線など計5種の新幹線を次々に見ることができる。客室でビール片手に、こまちとはやぶさの連結車両を優雅に眺めれば、アルコールと鉄分の一挙両得!

最後は東京と埼玉を隔てる、 荒川 ・新河岸川沿いへ。夕暮れ時はちょうど逆光となり、走行列車や新河岸川鉄橋のトラス構造ならではの三角の影が川面に落ち、叙情的な美しさ。この鉄橋は、中州を隔てて荒川橋梁とつながっている。夏場はそちらの方へ日が落ちるので、ぜひ荒川側へも足を延ばしてほしい。

赤羽八幡神社

境内から見える列車の量は日本随一

JRの線路沿いに位置し、階段下の最初の鳥居から東を見ると特急〔草津〕など(写真)、階段を上って上の鳥居を振り返ると上野東京ラインや京浜東北線が! 境内西側の地中を新幹線が通っており、車用参道まで来れば、新幹線も見渡せる。

ホテルウィングインターナショナル東京赤羽

窓枠の向こうで新幹線劇場が開演!

赤羽駅西口にある唯一の大手ビジネスホテル。写真の1301号室ほか一部客室から新幹線や東京スカイツリーなどを一望! 6階以上の廊下東側の窓からも広い空と鉄道を眺望できる。鉄道眺望の部屋に泊まれるトレインビュープランはツインで1人6250円~。

●JR各線赤羽駅から徒歩2分。東京都北区赤羽西1-39-17 ☎03-5993-8800

新河岸川鉄橋

トラス三兄弟に夕日が映える

貨物列車、高崎線、宇都宮線、京浜東北線などが走るトラス鉄橋3本の総称。好天時、新荒川大橋から見ると、正面に新河岸川鉄橋、遠景に秩父山系、奥に夕焼けという風景を望める。運がよければ東武の特急〔スペーシア〕の姿も。

●地下鉄南北線・埼玉高速鉄道赤羽岩淵駅から徒歩8分。東京都北区赤羽北1-24-11

取材・文=鈴木健太 撮影=加藤昌人
『散歩の達人』2021年6月号より

東京最北端の繁華街として栄える赤羽。その中心部にあるJR赤羽駅は、1日10万人近い乗降者数を誇る要衝駅として、街のにぎわいを支える。 駅の東口には昔ながらの横丁や商店街がドシンと構え、昼間から酔ったオヤジが管を巻いていたり、威勢のいいお母さんたちが井戸端会議に花を咲かせていたり。かと思えば女子に受けそうなバーやカフェもある。駅の西側にはショッピングモールやスーパーマーケットが並び、学生や子育て世代からも人気のエリアだ。