大自然に抱かれ、秘境の湯に浸かる『ホテル祖谷(いや)温泉』【徳島県三好市】
急峻な山々と深い谷に囲まれた祖谷渓。外界から切り離されたかのような断崖に佇む一軒宿の自慢は、約170m下の谷底に自噴する源泉かけ流しの露天風呂だ。
専用のケーブルカーに乗ること約5分、傾斜角42度の急勾配にドキドキしながら谷底へ。祖谷川の清流にせり出すように造られた、野趣あふれる湯船から壮大な渓谷美を独り占めできる。
贅沢なロケーションもさることながら、泉質や湯量も申し分なし。ぬめりのある湯は、アルカリ成分を多く含む美肌の湯。古い角質を除去し、肌本来の自然治癒力を高めてくれる。
さらに、心地よいぬる湯は絶景を堪能するのにもってこい。30分以上(時間が許すなら1時間)浸かるのがおすすめだ。途中、外気にふれて深呼吸すれば、心身ともにリセット完了!
『ホテル祖谷温泉』詳細
湯治場の趣残す、素晴らしき木造の湯殿『霧島湯之谷温泉 霧島湯之谷山荘』【鹿児島県霧島市】
昭和15年(1940)開業の古きよき湯治宿で、木造の浴室が醸し出す鄙びた雰囲気がたまらない。
自家源泉を5本所有し、その湧出量に合わせて浴槽が造られているため、大小さまざま。3つの浴槽が並ぶ内湯は45度の硫黄泉と32度の炭酸泉、その間に40度の混合泉があり、あつ湯とぬる湯の交互浴をするもよし、混合泉で長湯を楽しむもよし。
『霧島湯之谷温泉 霧島湯之谷山荘』詳細
湯治客が絶えない自然自噴のラジウム泉『増富温泉 不老閣』【山梨県北杜(ほくと)市】
地下約40mから自噴する5本の源泉は、鉄分の多い茶褐色のラジウム泉。気体となったラドンを吸い込むことで細胞を活性化し、免疫力が高まるといわれる。まずは刺激の少ない内湯「不老の湯」に浸かろう。30~32度の冷泉で、沸かし湯との交代浴が効果あり。
体を慣らしたら天然岩風呂へ。本格的な湯治ができるとあってリピーターが多いのもうなずける。
『増富温泉 不老閣』詳細
ラムネに入ったようなしゅわしゅわ温泉『七里田温泉 下湯(したんゆ)』【大分県竹田市】
浴槽に入るとものの数秒で肌に無数の泡がびっしり。日本屈指の高濃度炭酸泉で、約37度のぬる湯は長く浸かることで血行促進や冷え性の改善、自律神経をととのえるのに効果があるという。
地下から自噴する源泉は、約5分で湯が入れ替わるほど豊富な湯量を誇り、常に新鮮な炭酸泉を享受できる。地域住民によって運営され、人のぬくもりも感じられる名湯だ。
『七里田温泉 下湯』詳細
あの偉人も浸かった!? 山奥に湧く極上湯『霧積(きりづみ)温泉 金湯館(きんとうかん)』【群馬県安中(あんなか)市】
群馬と長野の県境に位置する、山中にひっそりと佇む一軒宿。明治時代には伊藤博文が宿泊し、憲法草案を作成した歴史も言い伝えられている。
温泉は内湯のみで、毎分300Lという豊富な湯量が自慢だ。無色透明で肌ざわりのよい湯はいわゆる石膏泉で、痛みをやわらげる鎮静作用が高いといわれる。細かな泡に包まれながら浸かる39度のぬる湯は、極楽のひと言。
『霧積温泉 金湯館』詳細
岩の上に立つ、昭和風情薫る温泉宿『下部温泉 湯元ホテル』【山梨県身延町】
岩風呂で目を引くのは、壁一面を覆いつくすごつごつとした岩。もともとこの大岩があった場所に風呂を造ったからで、大岩の下から生まれた源泉が滔々と注がれる。
下部の湯は殺菌力が秀でていて、外傷や火傷、神経痛などに効能があるとされる。浴槽は31度の源泉と41度の加温泉があり、温冷を交互に行き来することで疲労回復や冷え性改善も見込める。
『下部温泉 湯元ホテル』詳細
浮遊感を味わえる不思議な源泉『旅館 日の出温泉』【山梨県笛吹市】
宿の庭先に湧く自家源泉は36度の人肌でぬくぬくと、やわらかな肌ざわりでなんとも言えぬ心地よさ。「赤ちゃんが母のおなかの中で浮かんでいる羊水のような、安心感に満ちた湯あたり」と、主人の飯田英光さんは形容する。
石和(いさわ)温泉の共同源泉を引いた40度の浴槽もあり、交互浴を楽しめる。都心からのアクセスがよく、思い立ったら行ける気軽さも魅力だ。
『旅館 日の出温泉』詳細
文=香取麻衣子
『旅の手帖』2026年2月号より






