大自然に抱かれ、秘境の湯に浸かる『ホテル祖谷(いや)温泉』【徳島県三好市】

深い祖谷渓の谷底にある露天風呂。
深い祖谷渓の谷底にある露天風呂。

急峻な山々と深い谷に囲まれた祖谷渓。外界から切り離されたかのような断崖に佇む一軒宿の自慢は、約170m下の谷底に自噴する源泉かけ流しの露天風呂だ。

専用のケーブルカーに乗ること約5分、傾斜角42度の急勾配にドキドキしながら谷底へ。祖谷川の清流にせり出すように造られた、野趣あふれる湯船から壮大な渓谷美を独り占めできる。

贅沢なロケーションもさることながら、泉質や湯量も申し分なし。ぬめりのある湯は、アルカリ成分を多く含む美肌の湯。古い角質を除去し、肌本来の自然治癒力を高めてくれる。

さらに、心地よいぬる湯は絶景を堪能するのにもってこい。30分以上(時間が許すなら1時間)浸かるのがおすすめだ。途中、外気にふれて深呼吸すれば、心身ともにリセット完了!

2階の展望風呂では、大きなガラス窓から祖谷渓の絶景を見渡せる。
2階の展望風呂では、大きなガラス窓から祖谷渓の絶景を見渡せる。
川魚や季節の山菜など、祖谷の大自然が育んだ食材をふんだんに使った素朴な郷土料理は滋味深い味わい。
川魚や季節の山菜など、祖谷の大自然が育んだ食材をふんだんに使った素朴な郷土料理は滋味深い味わい。
展望風呂を備えた和モダンな客室も。
展望風呂を備えた和モダンな客室も。

『ホテル祖谷温泉』詳細

住所:徳島県三好市池田町松尾松本367-28/アクセス:JR土讃線大歩危駅から車30分(宿泊者のみ送迎あり、要予約)

湯治場の趣残す、素晴らしき木造の湯殿『霧島湯之谷温泉 霧島湯之谷山荘』【鹿児島県霧島市】

奥の白濁した湯が硫黄泉、手前の小さな浴槽が炭酸泉。名物の打たせ湯や露天風呂も。
奥の白濁した湯が硫黄泉、手前の小さな浴槽が炭酸泉。名物の打たせ湯や露天風呂も。

昭和15年(1940)開業の古きよき湯治宿で、木造の浴室が醸し出す鄙びた雰囲気がたまらない。

自家源泉を5本所有し、その湧出量に合わせて浴槽が造られているため、大小さまざま。3つの浴槽が並ぶ内湯は45度の硫黄泉と32度の炭酸泉、その間に40度の混合泉があり、あつ湯とぬる湯の交互浴をするもよし、混合泉で長湯を楽しむもよし。

周囲の自然にマッチしたような木造の和風旅館。
周囲の自然にマッチしたような木造の和風旅館。
鹿児島や宮崎の食材を使って丁寧に作られた田舎料理に心も満たされる。
鹿児島や宮崎の食材を使って丁寧に作られた田舎料理に心も満たされる。

『霧島湯之谷温泉 霧島湯之谷山荘』詳細

住所:鹿児島県霧島市牧園町高千穂4970/アクセス:JR日豊本線霧島神宮駅から車20分

湯治客が絶えない自然自噴のラジウム泉『増富温泉 不老閣』【山梨県北杜(ほくと)市】

「不老の湯」には、天然ラジウム泉を利用した蒸気吸入室も併設。
「不老の湯」には、天然ラジウム泉を利用した蒸気吸入室も併設。

地下約40mから自噴する5本の源泉は、鉄分の多い茶褐色のラジウム泉。気体となったラドンを吸い込むことで細胞を活性化し、免疫力が高まるといわれる。まずは刺激の少ない内湯「不老の湯」に浸かろう。30~32度の冷泉で、沸かし湯との交代浴が効果あり。

体を慣らしたら天然岩風呂へ。本格的な湯治ができるとあってリピーターが多いのもうなずける。

神秘に満ちた岩風呂は宿泊者限定。天井の大岩からもラドンが放出され、全身で取り込める。
神秘に満ちた岩風呂は宿泊者限定。天井の大岩からもラドンが放出され、全身で取り込める。
療養目的で連泊するお客さんも多い。
療養目的で連泊するお客さんも多い。

『増富温泉 不老閣』詳細

住所:山梨県北杜市須玉町小尾6672/アクセス:JR中央本線韮崎駅からバス1時間の増富温泉郷下車、徒歩1分

ラムネに入ったようなしゅわしゅわ温泉『七里田温泉 下湯(したんゆ)』【大分県竹田市】

炭酸の泡がまるでシルクのように全身を包み込み、リラックスできる。
炭酸の泡がまるでシルクのように全身を包み込み、リラックスできる。

浴槽に入るとものの数秒で肌に無数の泡がびっしり。日本屈指の高濃度炭酸泉で、約37度のぬる湯は長く浸かることで血行促進や冷え性の改善、自律神経をととのえるのに効果があるという。

地下から自噴する源泉は、約5分で湯が入れ替わるほど豊富な湯量を誇り、常に新鮮な炭酸泉を享受できる。地域住民によって運営され、人のぬくもりも感じられる名湯だ。

水面では泡が絶えず発生し、ときに30㎝以上立ち上ることも。
水面では泡が絶えず発生し、ときに30㎝以上立ち上ることも。

『七里田温泉 下湯』詳細

住所:大分県竹田市久住町有氏4050/営業時間:9:00~19:00受付/定休日:第2火/アクセス:JR豊肥本線豊後竹田駅から車30分

あの偉人も浸かった!? 山奥に湧く極上湯『霧積(きりづみ)温泉 金湯館(きんとうかん)』【群馬県安中(あんなか)市】

浴槽の外まで惜しげもなくお湯がドバドバとあふれ出す。泡付きがいいのは新鮮な証拠。
浴槽の外まで惜しげもなくお湯がドバドバとあふれ出す。泡付きがいいのは新鮮な証拠。

群馬と長野の県境に位置する、山中にひっそりと佇む一軒宿。明治時代には伊藤博文が宿泊し、憲法草案を作成した歴史も言い伝えられている。

温泉は内湯のみで、毎分300Lという豊富な湯量が自慢だ。無色透明で肌ざわりのよい湯はいわゆる石膏泉で、痛みをやわらげる鎮静作用が高いといわれる。細かな泡に包まれながら浸かる39度のぬる湯は、極楽のひと言。

駐車場から山道を1km登った場所にある秘境に湧く。
駐車場から山道を1km登った場所にある秘境に湧く。

『霧積温泉 金湯館』詳細

住所:群馬県安中市松井田町坂本1928/アクセス:JR信越本線横川駅下車、車30分の無料駐車場から徒歩20分(宿泊者のみ横川駅から送迎あり、要予約)

岩の上に立つ、昭和風情薫る温泉宿『下部温泉 湯元ホテル』【山梨県身延町】

1300年の歴史を誇る下部温泉。大岩の下から湧く源泉が浴槽に注がれる。右がぬる湯の源泉風呂。
1300年の歴史を誇る下部温泉。大岩の下から湧く源泉が浴槽に注がれる。右がぬる湯の源泉風呂。

岩風呂で目を引くのは、壁一面を覆いつくすごつごつとした岩。もともとこの大岩があった場所に風呂を造ったからで、大岩の下から生まれた源泉が滔々と注がれる。

下部の湯は殺菌力が秀でていて、外傷や火傷、神経痛などに効能があるとされる。浴槽は31度の源泉と41度の加温泉があり、温冷を交互に行き来することで疲労回復や冷え性改善も見込める。

戦時中は陸軍の療養所として利用されていた。
戦時中は陸軍の療養所として利用されていた。
昭和レトロな館内で静かな時間を過ごせる。
昭和レトロな館内で静かな時間を過ごせる。

『下部温泉 湯元ホテル』詳細

住所:山梨県身延町下部35/アクセス:JR身延線下部温泉駅から徒歩15分(15:00~20:00で送迎あり)

浮遊感を味わえる不思議な源泉『旅館 日の出温泉』【山梨県笛吹市】

内湯のみだが、窓が大きく開放的。何時間でも浸かっていられるような不思議な感覚が味わえる。
内湯のみだが、窓が大きく開放的。何時間でも浸かっていられるような不思議な感覚が味わえる。

宿の庭先に湧く自家源泉は36度の人肌でぬくぬくと、やわらかな肌ざわりでなんとも言えぬ心地よさ。「赤ちゃんが母のおなかの中で浮かんでいる羊水のような、安心感に満ちた湯あたり」と、主人の飯田英光さんは形容する。

石和(いさわ)温泉の共同源泉を引いた40度の浴槽もあり、交互浴を楽しめる。都心からのアクセスがよく、思い立ったら行ける気軽さも魅力だ。

2匹のキュートな看板猫がお出迎え。
2匹のキュートな看板猫がお出迎え。
落ち着いた雰囲気の和室。ひとり旅にもおすすめだ。
落ち着いた雰囲気の和室。ひとり旅にもおすすめだ。

『旅館 日の出温泉』詳細

住所:山梨県笛吹市春日居町鎮目1646/アクセス:JR中央本線石和温泉駅から徒歩8分

文=香取麻衣子
『旅の手帖』2026年2月号より