目で舌で味わう南部鉄器『油金 金子金物店 KADOCAFE』[新板橋]

+α 金物

鉄瓶の向こうの金物店には日用品が積み上がる。
鉄瓶の向こうの金物店には日用品が積み上がる。
KADOCAFEブレンド500円。売り切れ御免のババロア(オレンジ)480円は季節替わりで、パイナップルやカシスになることも。セット950円。
KADOCAFEブレンド500円。売り切れ御免のババロア(オレンジ)480円は季節替わりで、パイナップルやカシスになることも。セット950円。

白壁をくり抜いた棚に見目麗しく並ぶのは、モダンな南部鉄器の鉄瓶。その先に金物店が覗(のぞ)き見える。明治期創業の老舗の半分を2020年にカフェに変えたのは店主の志田栄一さん。
「若い世代にも金物に興味を持ってもらえたら」と、機能美の高い南部鉄器やホーロー製品をカフェで販売する。鉄瓶の沸かし湯で入れたコーヒーを飲めば、まろやかさに驚愕。お手製ババロアの軽い口溶けにも頬が緩む。

金物店を母・則さん、カフェを息子・栄一さんが担当。
金物店を母・則さん、カフェを息子・栄一さんが担当。

『油金 金子金物店 KADOCAFE』店舗詳細

住所:東京都板橋区板橋1-33-6/営業時間:11:00~18:00(金物店は水・土の午後営業)/定休日:月・火/アクセス:地下鉄三田線 新板橋駅から徒歩4分

フレンチ流にあるがままを楽しむ『green CAFÉ』[上板橋]

+α フローリストアトリエ

サラダ付きガレットの生ハム・ルッコラ・目玉焼き・チーズ1100円と、ミントシロップ&ペリエのペリエマント650円。
サラダ付きガレットの生ハム・ルッコラ・目玉焼き・チーズ1100円と、ミントシロップ&ペリエのペリエマント650円。
植物に覆われた築60年の建物で14年営む。
植物に覆われた築60年の建物で14年営む。

田口夫妻が営む店は、みずみずしい草花、ドライフラワーが壁や天井に混在し、まるで森の中。
「生花の後、変わりゆく風合いも楽しんでほしくて」と、妻の奈美江さん。
その下、不揃いの家具が並び、夫・敬崇さんが手作りするフレンチメニューが楽しめる。パリッと香ばしく、ふくよかなソバの香りに驚くのが長野県産ソバ粉のガレット。ペリエマントの爽快さで、一気にボタニカル気分へ上がる。

フランスの食&花文化を伝える田口夫妻。
フランスの食&花文化を伝える田口夫妻。
カフェの定休日はフローリストである奈美江さんのアトリエ『green』に。オーダーに応じてリースやアレンジメントを制作し、月1でワークショップも開催。
カフェの定休日はフローリストである奈美江さんのアトリエ『green』に。オーダーに応じてリースやアレンジメントを制作し、月1でワークショップも開催。

『green CAFÉ』店舗詳細

住所:東京都板橋区常盤台4-5-23/営業時間:11:00~18:00(月1でモーニング、のり弁販売あり)/定休日:水~土/アクセス:東武鉄道東上線上板橋駅から徒歩8分

粋な空間でシフォンやリノベーション相談を『さがつく Craft&Cafe』[板橋区役所前]

+α 不動産

マネージャーの横尾さんと不動産スタッフの山本さん。
マネージャーの横尾さんと不動産スタッフの山本さん。
本日のシフォンサンド(キウイとレモン)450円。初夏にはメロンやマンゴーが登場。自家製レモネード500円。お冷代わりのショウガ湯にも和む。
本日のシフォンサンド(キウイとレモン)450円。初夏にはメロンやマンゴーが登場。自家製レモネード500円。お冷代わりのショウガ湯にも和む。

運営は地域密着の不動産会社。家主に直談判し、元の牛乳店の面影を残す形で2021年にカフェに変貌させた。
「作ることが大好き」と話す、マネージャーの横尾百合子さんお手製のシフォンサンドがふわっふわ。生地や具に用いた旬果実の香りにも癒やされる。
ふと見れば、猫と暮らすアイデアを記したイラストや建材が。「売買やリノベについて、小さなことでも隣室のスタッフが気軽に相談に応じますよ」。

建材は自由に見て触れる。
建材は自由に見て触れる。
テラス席は愛犬連れに人気だ。
テラス席は愛犬連れに人気だ。

『さがつく Craft&Cafe』店舗詳細

住所:東京都板橋区板橋3-12-1/営業時間:10:30~16:30LO/定休日:火・水・日/アクセス:地下鉄三田線 板橋区役所前駅から徒歩3分

猫好きの心を射抜くアートな隠れ家『すあま商會』[大山]

+α 保護猫シェルター

雑居ビル2階へ。アンティーク家具と小笠原真里さん画のアートが印象的な空間だ。
雑居ビル2階へ。アンティーク家具と小笠原真里さん画のアートが印象的な空間だ。
猫部屋入室時は必ず声がけを。常時10匹前後が里親を待つ。
猫部屋入室時は必ず声がけを。常時10匹前後が里親を待つ。

藍色の壁を彩るのは、猫のアート、絵本、雑貨たち。小窓には隣室でくつろぐ保護猫が顔を出す。店主のすあまさんは、保護猫専用部屋を借りる際、猫たちのごはん代を稼ぐべく、カフェを開店した。
海外で覚えた味を基に考案したチリドッグはピリッと辛くジューシー。ラッシーやバラジャム入り発酵乳のケフィアドリンクはほのかな酸味と香りが口中に広がりため息。堪能後は、存分に猫分注入を。

自家製ケフィアのマンゴーラッシー620円、チミチュリチリドッグ670円。
自家製ケフィアのマンゴーラッシー620円、チミチュリチリドッグ670円。

『すあま商會』店舗詳細

住所:東京都板橋区大山町7-8 2F-A/営業時間:11:00~19:00/定休日:水・木/アクセス:東武鉄道東上線大山駅から徒歩2分

スコーンを頬張りながら花を選ぶ幸せ『YES COFFEE/EDIT』[上板橋]

+α 生花

「草花や八重咲きの花が好きで、つい選んでしまいます」と、店主の綱田さん。
「草花や八重咲きの花が好きで、つい選んでしまいます」と、店主の綱田さん。
エスプレッソトニック539円、酒粕スコーン341円とチョコまみれ418円。スコーンは日替わり。
エスプレッソトニック539円、酒粕スコーン341円とチョコまみれ418円。スコーンは日替わり。

窓辺に揺れる花に誘われて中に入ると、コーヒーの香りに包まれる。店主の綱田皐月さんはフローリスト。出産を機にベーグル店を立ち上げ、新たに花とスコーンとコーヒーの店を開店した。
ケースを彩る約10種のスコーンは卵を用いず、国産中力粉とたっぷりバターで焼いたもので、ザクッほろっしっとり。ロースター仕入れのコーヒーとも相性抜群だ。
イートインしながらの花談義も楽しい。

店先に椅子が並ぶが、店内にベンチもある。
店先に椅子が並ぶが、店内にベンチもある。

『YES COFFEE/EDIT』店舗詳細

住所:東京都板橋区上板橋1-25-10/営業時間:10:00~17:00/定休日:火/アクセス:東武鉄道東上線 上板橋駅から徒歩3分

自家焙煎と日本酒のうれしい出会い『自家焙煎コーヒー角打ち VIVA COFFEE』[西台]

+α 角打ち

燗コーヒー1500円~はクラッカーサンド付き。酒を含んだコーヒー粉をクリームチーズで和えたオツな味。
燗コーヒー1500円~はクラッカーサンド付き。酒を含んだコーヒー粉をクリームチーズで和えたオツな味。
スピーカーにもこだわる中川夫妻。ワイン、クラフトビールも用意。
スピーカーにもこだわる中川夫妻。ワイン、クラフトビールも用意。
チロリで注ぎ、エアロプレスで抽出。
チロリで注ぎ、エアロプレスで抽出。

自家焙煎の豆をいかに楽しむか。
日本酒も大好物の店主、VIVA中川涼太さんは試行錯誤の末、熱燗で入れる燗コーヒーを考案。飲みきり次第替わる限定酒の味を考慮し、苦味や酸味などが特徴的なコーヒーの品種と掛け合わす。
「常温、熱燗で風味が変わる日本酒同様、コーヒーも冷めながら風味やコクが変化します。ゆっくり味わってください」。レコードの音も相まって、ほろ酔い気分が心地いい。

燗コーヒーは用いる酒の常温、熱燗の味見も楽しみ。
燗コーヒーは用いる酒の常温、熱燗の味見も楽しみ。
風を感じる外席。
風を感じる外席。

『自家焙煎コーヒー角打ち VIVA COFFEE』店舗詳細

住所:東京都板橋区高島平1-38-11/営業時間:11:00~19:00(月は18:00まで)/定休日:火・水/アクセス:地下鉄三田線 西台駅から徒歩9分

取材・文=佐藤さゆり 撮影=加藤熊三
『散歩の達人』2023年6月号より