【阿佐ケ谷で行くべきはカープ酒場!?】
オリオンビール片手に、応援しようや!『瀬戸海人 阿佐ヶ谷店』
大画面にはいつも大きな声援が飛ぶ。ここだけ見たら普通のカープ酒場だけど、卓の上にはオリオンビール。そう『瀬戸海人』はその名の通り、広島×沖縄のハイブリッドな店なのだ。オーナーが広島出身で沖縄好きというのがその理由だがオープンから2021年で16年目、ファンが集う店としておなじみに。スタッフも皆、カープ好きで広島愛がスゴい。カープが勝ったらお好み焼きはなんと108円! ファンならずともカープを応援するっきゃない。
『瀬戸海人 阿佐ヶ谷店』店舗詳細
お好みも応援も全力じゃ!『広島鉄板☆バリュー兄弟 こめちゃん』
店主こめちゃんはTHE☆バリュー兄弟というバンドでベースを務めるミュージシャン。音楽を続けながら『瀬戸海人』や飯田橋の名店『花子』などで修業し、2018年の鯉のぼりの日、5月5日に自分の店をオープンした。「お好み焼きと音楽、二足のわらじです」と店主は笑うが、それにカープの応援も加わるから三足のわらじだ。いずれも広島投手陣ばりの全力投球。大型ルーキーが、阿佐ケ谷の広島熱をさらに高める。
『広島鉄板☆バリュー兄弟 こめちゃん』店舗詳細
今日も野球好きがぶちおるけぇ!『TachiMachi』
『TachiMachi』はカープファン以外にも野球好きが集う店。とはいえ店主の吉川さんは根っからのカープっ子だ。「昔は町田ファン。今は田中広輔を応援してます」と熱く語るその笑顔は野球少年そのものだ。新橋の有名お好み焼き店『ソニア』で働いていたという名手は、高校時代からお好み焼きを焼き続けるベテラン選手でもある。麺に野菜、素材にこだわった本場の味が堪能できる。店内は朝まで野球談議に花が咲く!
『TachiMachi』店舗詳細
【スターロードでゴキゲン酒場】
光る提灯に引き寄せられて。『立呑焼鳥 阿佐立ち』
印象に残る店名は、店主の小西英之さんが修業していた焼き鳥屋の大将がつけた。「はじめはこの名前で大丈夫か?と思っていました」と笑う。朝びきの山梨味どりを毎日さばき、修業先から受け継いだ注ぎ足しのタレでそれを焼く。合わせる酒はレモンサワー550円で決まり。ホッピーのように客が自分で焼酎と炭酸を混ぜるのだが、ひとつ頼めば2杯分飲める酒の量。このお得感が阿佐ケ谷の飲んべえにはたまらない!
『立呑焼鳥 阿佐立ち』店舗詳細
トークの合間の手品と占いも目が離せない。『カクテルバー メリデ』
マスターの高木敏隆さんが「バーテンなんて暇なもんでね、いつもこんな遊びしているの」と語りはじめると、特技の手品を披露してくれる合図。鮮やかな手並みはもちろん、時折はさむ酒のうんちくも面白い。ニューヨークで人気のカクテル・コスモポリタンを追加し種明かしをねだろう。カフェロワイヤルと占いで500円。
『カクテルバー メリデ』店舗詳細
つまみには新鮮野菜をたっぷり使う。『リサバル 』
「おいしい野菜には、作り手の心根が出る気がするんです」と、店主の髙田リサさん。贔屓(ひいき)にしている茨城の農家から有機野菜を仕入れ、煮込みやキッシュ、お好み焼きなど幅広いつまみを作る。合わせるお酒は、高田さんの友人が造ったニュージーランドワインがおすすめだ。
『リサバル 』店舗詳細
【一番街はハズレなし!】
全てがハズレなしの居酒屋メニュー。『酒菜や まつ』
その日に入荷した新鮮な魚を店に並べる店主の松井章さんは、「仕入れによって毎日メニューが変わります」と、笑う。時には、サメの心臓のような珍しいネタが登場することも。また、40種ほど揃えた日本酒をはじめ、冷凍レモンを使ったサワーなど、酒のラインナップも豊富だ。
『酒菜や まつ』店舗詳細
沖縄の泡盛と肴を楽しもう。『沖縄倉庫』
店主の岩元俊英さんは、定番の沖縄料理のほか、自身が考案した創作料理も作る。中でも人気は沖縄そばめしで、締めにも酒のアテにも◎。オリオンのグラスが空になると、岩元さんが泡盛の瓶を持って「これいく?」とニヤリ。やはり、それを外すわけにはいかないのだ。
『沖縄倉庫』店舗詳細
【いちょう小路の厳選酒場はここ】
串カツとおでんの食べ飲み放題が楽しい。『でんでん串』
「ほとんどのお客さんは、阿佐ケ谷フィーバーが目当てですね」とは、マスターの福岡一樹さん。阿佐ケ谷フィーバーとは、90分間1800円でなんと食べ飲み放題できる。カリカリの衣がついた串揚げをソースで食べるのもいいが、途中で塩味の砂肝やハツの素揚げを挟むと飽きがこず、また酒が進む。
『でんでん串』店舗詳細
【ひと足延ばして……】
胃の腑からほっこり温まる『SUGAR Sake&Coffee』
引き戸を開ければ青が印象的な食堂風情だが、この店ではぜひ、地酒を味わいたい。冷酒、熟成酒などが揃うものの、佐藤夫妻がこよなく愛するのは燗酒。「温度によって味が変化するし、食事との合わせも楽しいんです。翌日の体にも残りにくい!」。ハモの炙りや鰾(うきぶくろ)など余すことなく味わう茶碗蒸しや、ラム料理などを、ゆるゆるやりたい。津軽風に麩をのせた中華そばは締めにうれしい一杯。
『SUGAR Sake&Coffee』店舗詳細
太陽と海が香りたつシチリア食堂。『Capio』
三重県鳥羽市答志島の漁師から仕入れる魚介を見て、シチリア島で腕を磨いた齊藤純さんは現地の味を再現。なかでも、セモリナ粉をポロポロに練り、蒸し、野菜満載スープを吸わせるクスクスは旬魚が満載だ。エビと魚介の出汁をジャブジャブかけて口に運べば、磯の香りがふくらむばかり。また、一般にトラパネーゼと呼ぶアッギアは、ニンニクにアーモンド&チーズ、トマト、バジルが絡まるパスタ。忍ばせたミントが爽やかな風のようだ。ワインとともに地中海を感じよう。
『Capio』店舗詳細
取材・文=半澤則吉、高橋健太(teamまめ) 撮影=オカダタカオ、木村心保