麗しき宮殿でのバスタイム。『アミューズメント・スパ クアパレス』(習志野)
「ゴージャスな洋風にして、楽しんでもらえるように」という水野夫妻の思いで、1989年、戦後建築をリニューアル。団地街に現る白亜の館は、そこだけ異次元空間のよう。入り口、待合室の徹底したロココ調に驚き、さらに脱衣場のリボンを象ったロッカー、浴室のカラン、天井のモチーフ、ステンドグラスなどなど、随所を特注で設え、とにかく豪奢! しかも、風呂はスーパー銭湯並みに多彩で、日替わり湯に癒やされ、手揉み風の強力ジェット流につい、声が出てしまう。でもまだ「進化の途中」なんだとか。
『アミューズメント・スパ クアパレス』店舗詳細
富士山のペンキ絵に安芸の宮島のタイル絵がある昔ながらの銭湯。『宮の湯』(船橋)
船橋大神宮の近くの住宅地にある昔ながらの銭湯。1959(昭和34)年に創業。1990年に建て替えたが、番台はそのまま残した。脱衣所にはレトロなマッサージチェアや柱時計、商店名入りの鏡、女湯にはおかま型のヘアドライヤーがある。昭和30~40年代を彷彿させるような懐かしい雰囲気だ。浴室の壁にはペンキ絵が描かれている。男湯は野尻湖からの風景、女湯は大瀬崎から見た富士山だ。男湯には安芸の宮島の風景を描いたタイル絵もあり、湯船の上部にある鯉を描いたタイル絵も昔ながらのデザイン。湯船は3つに分かれ、白湯のほか、漢方薬入りの薬湯「実宝湯」と微細な泡が出るミクロン気泡風呂がある。
『宮の湯』店舗詳細
コインランドリーの奥に潜む昭和の玉手箱。『湊町 松の湯』(船橋)
コインランドリーの奥に入り口がある、ちょっと珍しい造りの銭湯。フロント脇の休憩スペースには駄菓子が山盛りに置かれ、男湯の脱衣所には、なぜか巨大なキリンのぬいぐるみが置いてある。1957(昭和32)年の開業時は高度経済成長期で、銭湯が相次いで建てられた銭湯ブームだった。1967(昭和42)年に建て替えをし、1991年にはコインランドリーを設置し、フロント式に改装した。浴室はこぢんまりしているが、天井は高く開放感もたっぷり。窓や天井から陽光が入るので、陽のあるうちは明るい。浴槽は3つに分かれており、その1つが高麗人参や陳皮、ウイキョウなどさまざまな漢方薬が入った薬湯。薬効を高めるため、このお湯だけ43〜45度の高めの設定。
『湊町 松の湯』店舗詳細
奇跡の一本松のペンキ絵で東北にエールを送る。『梅の湯』(検見川)
創業は大正末期。かなり年季が入ったマッサージチェアや、70年ほど前の手作り品だという脱衣カゴなどが置かれた脱衣所はレトロ感が漂う。開業以来続けているのが番台だ。「番台に座っていると、お客様と自然に会話ができるようになるんです。この距離感が銭湯という商売の原点だと思います」と主人は話す。風呂の湯は、地下50~70mから汲み上げた井戸水を濾過して使う。この水は飲用もできるというから、きっと肌にも優しいのだろう。浴室の造りは男女対称で、日替わりで入浴剤が変わる「熱い湯」と「ぬるい湯」、ジェットバスの座風呂の3種類の浴槽があり、脱衣所に隣接して薬湯露天風呂が備わる。
『梅の湯』店舗詳細
東京湾を眺める天然温泉の展望露天風呂が自慢。『JFA夢フィールド 幕張温泉 湯楽の里』(海浜幕張)
日本サッカー協会の拠点施設「JFA夢フィールド」敷地内にあるスポーツリラクゼーションスパ。地下2000mから湧く温泉は、太古の海水が長い時間をかけて地層の中で熟成されたもの。この温泉を楽しめるのが、東京湾の大パノラマが広がる展望露天風呂。女湯の露天エリアには、泥パックをしながら入れる寝ころび湯もある。内湯では、高濃度炭酸泉浴槽をはじめ、ジェットバス、電気風呂などバラエティ豊富な風呂が楽しめる。併設するサウナには、熱せられたストーンに水がかかり、瞬時に室内が蒸気と熱波に包まれるオートロウリュウ機能を備わる。県内最大規模の岩盤浴には、ロウリュウやプルガマ、ナノミストアトラクションなど楽しい仕掛けがいっぱい。
『JFA夢フィールド 幕張温泉 湯楽の里』店舗詳細
人工ラドン温泉を備える。『ゆあみランド』(新検見川)
白いタイルの外壁に「ゆ YUAMI LAND」と描かれた切り文字看板が掲示されるビル内銭湯。受付はフロントスタイルで、下駄箱の鍵をフロントに出し、ロッカーキーと交換する。風呂は、地下100mから汲み上げた地下水を使い、ガスボイラーで沸かして全浴槽で使用する。男女でやや造りは異なるが、メインの浴槽には座風呂や寝風呂が備わった超音波バイブラ風呂と電気風呂があり、ガラス窓に囲まれた場所はラドン風呂になっている。男湯には浴室奥にガラス扉で仕切られたサウナエリアがあり、半露天の岩風呂も併設されている。サウナエリアの浴槽は薬湯になっているので、サウナ・水風呂・薬湯の交互浴を楽しめる。
『ゆあみランド』店舗詳細
温泉・テレワーク・ホテルと多目的に使える。『天然温泉 湯~ねる』(新習志野)
新習志野駅前のショッピングセンター2階という好立地。露天エリアには源泉かけ流し風呂をはじめ、展望風呂やねころび湯があり、露天風呂のパノラマスクリーンには、18時頃から四季の風景やアクアリウムなど癒やしの映像が放映される。内湯エリアの高濃度炭酸泉は、「炭酸濃度には自信があります」と総支配人の毛利泰彦さんが胸を張る自慢の風呂。このほか、ジェットバス、日替わり風呂、水風呂、ロウリュウ設置が付いたサウナ、岩盤浴などがあり、さまざまな湯船を楽しめる。施設内にあるコワーキングスペース「湯~Work」は、テレワークやリモートでの会議、打ち合わせの場としても利用できる貸切スペース。男性60室、女性46室のキャビンホテル(カプセルホテル)も併設する。
『天然温泉 湯~ねる』店舗詳細
多彩な風呂と岩盤浴が人気! 『船橋温泉 湯楽の里』(新船橋)
地下1500mから湧出した温泉を注ぐのが露天の岩風呂。周囲に大岩や植樹を配した日本情緒を感じる風呂で、浴槽は2つに仕切られ、上の湯は源泉加温かけ流し、下の湯は源泉加温循環。このほか露天エリアには、壺湯、寝ころび湯、滝風呂、塩サウナがある。内湯は、白湯の広い浴槽をはじめ、高濃度炭酸泉、ジェットバス、シェイプアップバス、座マッサージ、電気風呂など多彩。ロウリュウサウナや岩盤浴もあり、風呂好きを魅了する。岩盤浴室前には、雑誌やコミックを揃えたコミックコーナーがあるので、岩盤浴の合間にひと休みするといい。湯上りは、広々としたスペースにリクライニングチェアを設置したお休み処へ。横になってくつろげる休憩コーナーもあるので、うたたねを楽しもう。
『船橋温泉 湯楽の里』店舗詳細
岩盤浴とロウリュウで体の芯からリフレッシュ。『Spa Resort 菜々の湯』(習志野)
大浴場は男女ほぼ同じ造りで、内湯には炭酸泉、電気風呂、ジェットバス、冷水風呂のほか、熱気風炉(サウナ)と超熱波風炉(塩サウナ)がある。露天エリアには人工温泉の浴槽のほか、シルキーバスや石壺湯を備える。一番の特徴は、さまざまなロウリュウアトラクションを楽しめること。なかでも熱気風炉で1日5回行われるロウリュウアトラクションは、スタッフの掛け合いと手拍子が響き、文字どおりの熱気に包まれる。エンターテイメント性もある楽しいサウナだ。このほか、超熱波塩風炉では毎正時にオートロウリュウが行われ、7つの癒やしをモチーフにした低温サウナ「岩盤温浴Stone Spa7」では、2時間ごとに1日7回ロウリュウを実施している。
『Spa Resort 菜々の湯』店舗詳細
取材・文=塙広明、佐藤さゆり(teamまめ) 撮影=塙広明、オカダタカオ 写真提供=JFA夢フィールド 幕張温泉 湯楽の里・ゆあみランド・天然温泉 湯~ねる・船橋温泉 湯楽の里