東京湾の絶景を眺める天然温泉の展望露天風呂

男湯の展望露天風呂。眼の前に海が広がり、リゾート気分も満喫できる。
男湯の展望露天風呂。眼の前に海が広がり、リゾート気分も満喫できる。

2020年7月、日本サッカー協会の拠点施設「JFA夢フィールド」敷地内にオープンしたスポーツリラクゼーションスパ。地下2000mから湧く黄褐色の温泉は、太古の海水が長い時間をかけて地層の中で熟成されたもので、泉質は含よう素-ナトリウム-塩化物強塩泉。保温効果が高く、血圧を下げる作用が強いといわれる。
この温泉を楽しめるのが、東京湾の大パノラマが広がる展望露天風呂。時々刻々と表情を変える海を眺めながらの入浴は、まさに極上のひと時だ。臨海部に浮かぶ工場夜景は、幻想的でさえある。女湯の露天エリアには、クレイパック(泥パック)をしながら入れる寝ころび湯もあり、顔もツルツルに。

高濃度炭酸泉やロウリュウサウナなど、内湯の風呂もバラエティ豊か

内湯の窓にも海が広がり、開放感あふれる入浴を楽しめる。
内湯の窓にも海が広がり、開放感あふれる入浴を楽しめる。

内湯では、寝湯も備えた県内最大級の規模の高濃度炭酸泉浴槽をはじめ、ジェットバス、電気風呂などバラエティ豊富な風呂が楽しめる。
併設するサウナには、熱せられたストーンに水がかかり、瞬時に室内が蒸気と熱波に包まれるオートロウリュウ機能がある。ロウリュウは発汗効果が高く、新陳代謝の促進や老廃物を取り除く効果があるという。毎時00分から3分間の実施だが、体の中から噴き出す汗が、その効果を実感させる。

美しく健康な体づくりを促進するプルガマ&岩盤浴「温熱房」

プルガマを囲むように岩盤浴床が並ぶ。一角には女性専用コーナーもある。
プルガマを囲むように岩盤浴床が並ぶ。一角には女性専用コーナーもある。

展望露天風呂と並ぶ人気施設が1階のプルガマ&岩盤浴「温熱房」。地域最大級の規模を誇る岩盤浴は50床あり、岩盤浴室の中央には、遠赤外線効果で体の芯まで温める火窯(プルガマ)が置かれている。岩盤浴床は、麦飯石、ブラックゲルマ、木紋石、薬宝石、鳳緑、グリーンオニキス、七宝石、化石黄土の鉱石を利用した8種類があり、寝心地も異なるので、その違いを体感してみるといい。
岩盤浴で火照った体は、涼冷洞(りょうれいどう)でクールダウン。岩盤浴と交互に利用することで毛細血管の伸縮を促し新陳代謝を高めるという。

ミストアトラクション「幻夢」は、照明があたると細かい霧が雲のように見え、幻想的な空間となる。
ミストアトラクション「幻夢」は、照明があたると細かい霧が雲のように見え、幻想的な空間となる。

岩盤浴エリアにある「幻夢(げんむ)」は、千葉県初のミストアトラクション。室内にナノミスト(きめの細かい霧)が発生し、緑や青の照明に浮かびあがる様子は、雲の中にいるような不思議な感覚を体験できる。体にフィットする曲面の岩盤浴床も心地よい。「きっと、今までに体験したことがないような感覚を味わうことができますよ」と話すのは主任の伊藤さん。

岩盤浴エリアには約2000冊のコミックがそろい、リラクゼーションルームなどで読むことができる。
岩盤浴エリアには約2000冊のコミックがそろい、リラクゼーションルームなどで読むことができる。

付帯施設も充実

海辺に立つスーパー銭湯。まるでリゾート地のホテルのようだ。
海辺に立つスーパー銭湯。まるでリゾート地のホテルのようだ。

お休み処、ボディケアやあかすり、エステなどのリラクゼーション施設、多目的ルームなど、付帯施設の充実ぶりも目を見張るが、ここではお食事処「天風」に注目してみよう。
自家製そばや名物カレーうどん、湯楽御膳など豊富なメニューがそろうが、アスリート飯と名付けられた栄養面を考えたヘルシーメニューがあるのも特色の一つ。さすが、JFAの関連施設と納得させられる。
屋上には東京湾と幕張の街並みが一望できる展望台があり、晴れていれば富士山や東京スカイツリーが見えるという。マルチな楽しみ方ができるスーパー銭湯だ。

ランニングの前に着替えができるのが便利だ。GWやお盆、年末年始などの繁忙期は除く。
ランニングの前に着替えができるのが便利だ。GWやお盆、年末年始などの繁忙期は除く。

『幕張温泉 湯楽の里』に隣接する幕張海浜公園では、ランニングやウォーキング、サイクリングなどを楽しむ人も多い。そんなときに利用したいサービスが「ランナーズスパ」。ランニングなどのスポーツの前に脱衣所やロッカーを無料(入浴料は必要)で利用できるので、着替え場所にもなる。スポーツをした後は、入浴で汗を流せるから気持ちよく帰途に就ける。

住所:千葉県千葉市美浜区美浜26/営業時間:9:00~24:00(最終入館~23:00)/定休日:無(年数回メンテナンス休あり)/アクセス:JR京葉線海浜幕張駅より徒歩20分(JR京葉線海浜幕張駅から定時無料送迎バスあり)

取材・文・撮影/塙 広明