白いタイル張りのビルの1階が銭湯
JR新検見川駅から5分ほど歩くと、道路の中央分離帯に桜や草花を植えた植樹帯のある道に出る。この道を千葉方面に歩くと、ほどなく白いタイルのビルが現れる。壁面に「ゆ YUAMI LAND」と描かれた切り文字看板が目印のビル内銭湯だ。
主人の田村栄士さんの家業は銭湯。実家の銭湯は兄が継いだが、田村さんはこの地で知り合いがやっていた銭湯を買い取り、1970年(昭和45)に独立したという。当時は木造であったが、1988年(昭和63)の現在のビルに建て替えた。
受付はフロントスタイルで、下駄箱の鍵をフロントに出し、ロッカーキーと交換する。サウナ利用の場合は、黄色いリストバンドキーとタオルセットをもらう。サウナの場合は手ぶらで利用できるというわけだ。
銭湯では珍しい人工ラドン温泉を備えた浴室
風呂は、地下100mから汲み上げた地下水を使い、ガスボイラーで沸かして全浴槽で使用する。男女でやや造りは異なるが、座風呂や寝風呂が備わった超音波バイブラ風呂と電気風呂があり、ガラス窓に囲まれた一角はラドン風呂になっている。
ロビーに置かれたラドン発生装置に掲示された説明書によると、「ラドンとはラジウムが崩壊してできる元素で、この元素が放出するアルファー粒子のイオン化作用で血液中の中性脂肪・コレステロール、過剰糖分などの代謝分解を促進させ、老廃物を取り除き、新陳代謝を活発にする」とある。
ラドン発生装置で生まれたラドンは、地下のパイプを通ってラドン風呂に運ばれるという。ラドンは脂肪に溶けやすく、皮膚を通して体内に取り込まれるほか、入浴時にラドンを吸い込み体内に吸収されるという。難しいことはともかく、身体には良さそうだから、ぜひ入浴しよう。
男湯にはサウナと半露天風呂を備える
男湯の浴室奥にはガラス扉で仕切られたサウナエリアがある。ここから先は別料金。10人くらいは入れる広いサウナ室にはテレビもある。温度の表示は76度となっているが体感温度はそれより高く、しっかり汗をかける。サウナを出たら半露天の水風呂へ。こちらは地下水がそのまま注がれているので、四季を通じて17度前後を保っている。
サウナエリアには半露天の岩風呂も併設されている。入浴剤を使った薬湯になっているので、サウナ・水風呂・薬湯の交互浴を楽しめば、身体の中からリフレッシュできる。あまり混雑していないので、プライベートバス気分でゆっくり入浴できるのがうれしい。
取材・文・撮影=塙 広明