スタート:JR京葉線新習志野駅―(25分/1.3㎞)→習志野市谷津干潟自然観察センター―(すぐ)→谷津干潟公園―(27分/1.4㎞)→谷津バラ園―(48分/2.6㎞)→茂侶神社―(7分/0.4㎞)→真名井―(11分/0.6㎞)→了源寺―(8分/0.4㎞)→船橋大神宮―(19分/1.0㎞)→海老川水門―(24分/1.3㎞)→太宰治の植えた夾竹桃―(5分/0.2㎞)→船橋寺町―(11分/0.6㎞)→海老川橋―(3分/0.2㎞)→御蔵稲荷―(3分/0.2㎞)→船橋御殿跡・東照宮―(9分/0.5㎞)→ゴール:JR総武線・東武野田線船橋駅
今回のコース◆約10.7km/約3時間20分/約1万4300歩
1 習志野市谷津干潟自然観察センター
初心者でもできる野鳥観察
谷津干潟公園の中核施設。谷津干潟が一望でき、野鳥や干潟の生きものを間近に観察できる。バードウォッチング初心者のためにレンジャーがわかりやすく案内してくれるほか、観察フロアに設置された高性能望遠鏡は自由に使え、双眼鏡の無料貸出しも行う。
2 谷津干潟公園
ラムサール条約登録の野鳥のオアシス
谷津干潟は約40haの広さをもち、多くの水鳥や干潟の生物が生息するほか、渡り鳥の飛来地となっており、平成5年にラムサール条約登録湿地に認定される。干潟を囲む園地では観察壁や観察シェルターなどが設置され、野鳥の観察ができる。
3 谷津バラ園
名花・名品種が多く見ごたえあり!
約1万2600㎡の園内に800種類、7500株のバラを植栽。噴水広場を中心に、皇室・王室コーナー、新品種コーナー、有名人のコーナー、長さ60m・幅4mのツルバラのトンネルなどがある。
4 茂侶神社
住宅街の古社は約1600年前の創建
住宅街の一角にあり、木立に包まれた長い参道が趣ある。昔は境内から富士山や房総、筑波が望め、その様子は『江戸名所図絵』にも描かれている。境内には出羽三山巡拝碑や庚申塔、二十六夜塔なども立ち、歴史を感じさせる。
5 真名井
弘法大師ゆかりの湧水井戸
宮本中学校に隣接した史跡。このあたりはかつては窪地になっていて、「真名井」と呼ばれた湧水井戸があった。この湧水は、弘法大師が錫杖で掘り下げたと伝わり、一画には弘法大師を祀る小さな大師堂が立ち、井戸が再建されている。
6 了源寺
砲台跡や時の鐘などの歴史が残る
鐘楼が立つ場所は、享保年間(1716〜36)に徳川幕府が大砲の試射を行った台座があったところ。後に鐘楼堂が建てられ、時の鐘として明治4年(1871)まで船橋一帯に時を告げていた。寺宝に時の鐘の基準になっていた和時計がある。
7 船橋大神宮
灯明台は国内最大の私設灯台
正式には意富比(おおひ)神社といい、景行天皇40年(110)に、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東国平定の成就を祈願して創建したと伝わる。平将門、源頼朝、徳川家康などが社領の寄進や社殿の造営・改修を行うなど、朝廷や将軍家から崇敬を受けた。
8 海老川水門
船橋港を跨ぐ水門は港のビュースポット
昭和41年に設置された東京湾と船橋港を隔てる水門。船橋沿岸は海抜ゼロメートルの地が広がるため、高潮などの浸水被害から守る目的で設置された。東日本大震災時には津波被害を未然に防いだといわれている。水門西側には湊橋が併設され、浜町と湊町とを結ぶ生活道路の役割を担っている。
9 太宰治の植えた夾竹桃
太宰治の作品にも登場するキョウチクトウ
船橋市民文化ホールの前庭に、太宰治が船橋で住んでいた借家の庭に植えたキョウチクトウが移植されている。太宰はこの木に愛着を持っていたようで、作品『十五年間』には、「玄関の夾竹桃も僕が植えたのだ」と記述している。
10 船橋寺町
寺院に挟まれた趣のある路地散歩
千葉街道と本町通りに挟まれた寺町。市内最大の寺域をもつ浄勝寺、2月28日の大仏追善供養では身体にご飯を塗られる飯盛地蔵が立つ不動院、浮気封じや健康祈願で知られるえんが地蔵尊を祀る圓蔵院など7つの寺がある。
11 海老川橋
船橋の地名の由来を刻む橋のレリーフ
海老川は、日本武尊の東征の際、地元民が小舟を並べて橋を渡したといわれ、これが船橋の地名の由来となった。海老川橋には五大力船の先端部模型が設置され、地名の由来を記した碑文のレリーフがある。上流の万代橋、栄橋、九重橋、下流の八千代橋にも船橋にちなんだレリーフがある。
12 御蔵稲荷
太宰の本でも紹介された稲荷
江戸時代、この地の人々は、飢餓に備えて穀物を蓄え、年貢米を一時保管するために郷蔵を建てた。以後、飢餓を免れたため、村人はその恩に報いるために神社を祀り、御蔵稲荷と呼ぶようになったという。小さな社だが地元の信仰は篤い。
13 船橋御殿跡・東照宮
商店街の奥に佇む日本一小さな東照宮
船橋御殿は、徳川家康が鷹狩りに出向く際の休憩所として慶長19年(1614)前後に造営されたと伝わる。2代秀忠、3代家光の来訪の記録が残る。現在の東照宮の社殿は安政4年(1857)に再建され、昭和2年(1927)に改修されたもの。
14 稲荷屋
江戸時代から続く老舗。紀州備長炭で焼くうなぎが名物
慶応元年(1865)創業。江戸前の魚と房総の海山の幸を生かした伝統の味を今に受け継ぐ。レストランのテーブル席で味わう天ぷら定食、刺身定食は各1760円〜。ちょっと奮発するなら鰻定食、はなぶさ弁当(写真)各3080円を。
15 Cafe Oasis
野鳥や水鳥を観察できる水辺を眺めるカフェ
谷津干潟自然観察センター内にあるカフェ。窓辺の席では、バードウォッチングを楽しみながらひと時を過ごせる。濃厚バニラアイスとチョコレートソースで飾りつけしたショコラパンケーキ550円。ほかにもデザートやドリンク、カレーやパスタなどメニュー豊富。
取材・文・撮影=アド・グリーン