スタート:品川駅から京急本線特急で金沢八景駅まで42分、京急バスあるいは神奈川中央バスに乗り換え大道中学校バス停まで10分・計810円。
神奈川中央バス大道中学校前バス停(すぐ)→鼻欠地蔵(10分/0.7km)→朝夷奈切通(16分/1.0km)→梶原太刀洗水(7分/0.5km)→光触寺(10分/0.7km)→明王院(4分/0.3km)→一条恵観山荘(5分/0.3km)→浄妙寺(8分/0.5km)→旧華頂宮邸(3分/0.2km)→報国寺(すぐ)→田楽辻子のみち(8分/0.5km)→杉本寺(2分/0.1km)→京急バス杉本観音バス停
ゴール:杉本観音バス停から京急バス鎌倉駅行で鎌倉駅まで10分、JR横須賀線に乗り換え東京駅まで53分・計1170円。
今回のコース◆約4.8km/約1時間15分/約6400歩
鼻欠(はなかけ)地蔵/街道を見守る風化した磨崖仏
相州(鎌倉)と武州(金沢)の境にあり、二つの国の仲裁役として建立されたが、争いが絶えないので、見せしめに地蔵自ら鼻を欠いたという。中断の丸みを帯びたところが顔の部分。
朝夷奈切通/鎌倉七切通の一つで国の史跡
名の由来として、和田義盛の三男・朝夷奈三郎義秀が一晩で切り開いたという伝承が残る。江戸時代には大山・江の島・鎌倉・金沢八景を結ぶ観光ルートにもなっていた。
梶原太刀洗水(かじわらたちあらいみず)/血のりのついた刀を洗った湧水
朝夷奈切通の岩肌から流れ出る小さな滝で、鎌倉五名水の一つ。源頼朝の命で上総介広常(かずさのすけひろつね)を討った梶原景時が、この湧き水で太刀の血のりをを洗ったという伝説が残されている。
光触寺/塩の道の歴史を語る塩なめ地蔵
真言宗として創建後、弘安2年(1279)に一遍(いっぺん)上人を開山として時宗に改宗。本堂前の小さな祠(ほこら)は塩なめ地蔵。金沢街道が塩の道として栄えた頃、塩売り商人が塩を供えたという。
明王院/毎月28日は不動様の縁日
嘉禎元年(1235)、鎌倉幕府4代将軍藤原頼経(よりつね)が建立。茅葺きの本堂に鎌倉時代の不動明王と江戸時代の4体の明王(五大明王)を祀っている。小さな寺だが植栽が美しい。
一条恵観山荘(いちじょうえかんさんそう)/自然に包まれたカフェを併設
後陽成(ごようぜい)天皇の第9皇子の一条恵観が江戸時代初期に京都西賀茂に建てた邸宅。1959年に鎌倉に移築。庭石や枯山水も当時と同じように造られた。建物は国指定重要文化財。
浄妙寺/参道の桜と境内のボタンが見事
文治4年(1188)創建、鎌倉五山第五位の格式をもち、最盛期には23の塔頭を擁した。寄棟造銅葺き屋根の左右対称の本堂は江戸時代中期の再建。足利尊氏の父、貞氏の墓と伝わる宝篋印塔(ほうきょういんとう)がある。
旧華頂宮(きゅうかちょうのみや)邸/フランス式庭園を併設した国登録有形文化財の建物
昭和4年(1929)に華頂宮博信侯爵邸として建てられた洋風邸宅。ヨーロッパでよく見られる木組みが屋外に露出したハーフティンバー様式の建物で、往時を偲ばせる。
報国寺/枯山水、竹林、苔などの庭が見事
建武元年(1334)創建。枯山水の庭、苔の参道、孟宗竹が群生する竹の庭など、美しい景観が迎えてくれる。毎週日曜の7時30分~9時15分に開催する日曜坐禅会が好評。
田楽辻子(でんがくずし)のみち/バス道を離れた静かな散策路
金沢街道と並行する小道。近くの釈迦堂に田楽師が住んでいたというのが名の由来。滑川沿いの住宅地を抜ける静かな道だが、上杉朝宗及氏憲邸址碑(うえすぎともむねおよびうじのりていしひ)、報国寺など名所や史跡も点在し、散策向きの道といえる。
杉本寺(すぎもとでら)/運慶作の仁王像が迎える古刹
天平6年(734)、行基が開山したという鎌倉最古の寺。坂東三十三観音霊場の一番札所であり、長い石段の両脇に掲げられた「十一面杉本観音」と書かれた白い幟(のぼり)が、霊場にふさわしい厳かな雰囲気をつくる。
【鎌倉グルメを堪能】
喜泉庵(きせんあん)/枯山水庭園を眺める茶室
浄妙寺内に天正年間(1573~1592)に建立された茶室を1991年に再興。枯山水庭園を眺めながら茶菓を楽しめる。抹茶と干菓子660円、抹茶と季節の生菓子1100円(写真)。
/定休日:無/アクセス:JR横須賀線・江ノ島電鉄鎌倉駅から京急バス「ハイランド」行き約10分の「浄明寺」下車3分
石窯ガーデンテラス/洋館で楽しむティーブレイク
浄妙寺境内にあるカフェレストラン。築90年以上の洋館で、四季折々の花が咲くイングリッシュガーデンを併設。スコーンと紅茶が付く手作りスコーンのセット1500円(写真)。
取材・文=アド・グリーン
『散歩の達人 歩きニストのための鎌倉散歩地図』より