◆散歩コース◆

体力度:★★★
難易度:★☆☆

  • 登山シーズン 4月~6月、9月~1月
  • 最高地点 855m(陣馬山)
  • 登山開始地点 328m(陣馬高原下バス停)
  • 歩行時間 6時間10分
  • 歩行距離 約13km
スタート
陣馬高原下バス停
バス停の前に陣馬そば山下屋。陣馬街道を行くが、途中に新ハイキングコースの入り口。今回は街道で。

和田峠
峠には茶屋あり。しばし休憩。この先が最大の上り。といっても160mほど。空が開けたら頂上だ。

陣馬山
フルパノラマを楽しんだら縦走開始。多少のアップダウンから平坦になると奈良子峠。明王峠まではすぐ。

明王峠
茶屋は閉まっていたが、展望がいいので休憩後出発。巻道があればすべて巻き、最後は巻かずに景信山へ。

景信山
2軒の茶屋があるが、平日は休み。相模湖が見える特等席に座る。小仏峠には下るだけ。

小仏峠
ここから小仏城山までが縦走最後の上り。距離は短いが、少々疲れが出てくる。ひと踏ん張りすれば山頂。

小仏城山
城山の茶屋は開いているが、日が傾いてきたのでゆっくりはできない。ここから1時間の下り。

ゴール
千木良バス停

アクセス:
[行き]新宿駅からJR中央線で高尾駅へ。高尾駅北口から西東京バスで陣馬高原下バス停へ、約1時間40分。
[帰り]千木良バス停から神奈川中央交通バスで相模湖駅へ。相模湖駅からJR中央線で新宿駅へ、約1時間10分。

小仏峠からエスケープする場合は、峠からバス停までは約40分かかる。小仏バス停の時刻は、平日なら16時以降、20時まで1時間に1便。土休日はとくに16時までは1時間に3便ほどある。

山から山へ、茶屋から茶屋へ、長く楽しい縦走路をゆく

高尾駅の北口から陣馬高原下行のバスで終点まで。途中の陣馬街道から見える周辺の風景は、郷愁感の漂う素晴らしいものだ。さすが「夕焼け小焼け」の作詞者が生まれたところ。「山のお寺の鐘がなる……」の寺も現存する。興慶寺という寺で、鐘撞堂からの眺めがいい。

話が横道にそれてしまったが、機会があれば立ち寄ってみたい。

陣馬山山頂で360度の展望に見惚れる

終点で下車して和田峠方面へ歩く。案下川に沿った車道歩きを約1時間で和田峠。峠には茶屋があり、朝のコーヒーを一杯。ここから陣馬山へは150ⅿほど上がるが、けっこう急な登りが続く。階段状の登山道を上へ上へと上がると、視界が開けた。陣馬山山頂だ。360度の大展望はいうまでもない。

和田峠にある和田峠・峠の茶屋。メニューはそれほど多くはないがここは平日でも開いているので便利。
和田峠にある和田峠・峠の茶屋。メニューはそれほど多くはないがここは平日でも開いているので便利。
陣馬山頂からの展望。360度なのでいろんな山々が見える。清水茶屋の奥の高い山は扇山、さらに扇山の奥は滝子山。富士山はいうまでもない。山頂に茶屋は3軒。定休日が違うので、どこかは開いている。
陣馬山頂からの展望。360度なのでいろんな山々が見える。清水茶屋の奥の高い山は扇山、さらに扇山の奥は滝子山。富士山はいうまでもない。山頂に茶屋は3軒。定休日が違うので、どこかは開いている。
陣馬山山頂に立つ白馬像。陣馬山は元は陣場山といったが、京王電鉄が1960年代後半に突如山頂に像を建てたために、いつしか陣馬山というようになったとか。今や陣馬のシンボル。
陣馬山山頂に立つ白馬像。陣馬山は元は陣場山といったが、京王電鉄が1960年代後半に突如山頂に像を建てたために、いつしか陣馬山というようになったとか。今や陣馬のシンボル。

まず、雪が少しかかった富士山、その左には丹沢の山々、目を右のほうへ転ずると、中央線の山々から三頭山へと連なる笹尾根。山頂中央にある陣馬山のシンボル、白馬像は、ま、どうでもいいが、しばし展望を楽しんでから縦走を開始する。

陣馬山からの縦走は距離はあるが、アップダウンのアップがそれほどないのがいい。景信山の手前と最後の小仏城山へ上がるところが少々の上り。あとは、わりと平坦な縦走になる。奈良子峠から明王峠へ。ここには茶屋があるが、週末だけの営業のようで、開いているのをほとんど見たことがない。茶屋の正面には富士山がよく見えるので、休んでいる人は多い。

陣馬山から景信山へ行く縦走路。なだらかで広い尾根道は歩きやすい。走っている人も多い。
陣馬山から景信山へ行く縦走路。なだらかで広い尾根道は歩きやすい。走っている人も多い。

底沢峠から堂所山へ上がる分岐に到着。ここから景信山までは5カ所くらいの巻道がついている。ということで、せっかくだからすべて巻道を利用させてもらう。景信山にも巻道があるが、それを使えば山頂に行けなくなるので巻かないことにする。

景信山にも茶屋が2軒あるが、2軒とも週末営業のようで閉まっていた。ここは都心部方面の展望がよく、茶屋の展望台からは相模湖の眺めがいい。

景信山には2軒の茶屋があるが、平日はほとんど2軒とも閉まっている。
景信山には2軒の茶屋があるが、平日はほとんど2軒とも閉まっている。
景信山の小仏峠側にある景信茶屋青木の特等席から見える相模湖の遠景。
景信山の小仏峠側にある景信茶屋青木の特等席から見える相模湖の遠景。

小仏峠へ下って行く。峠にはめずらしく誰もいない。理由は簡単で、時間が遅いからなのであった。すでにスタートからは5時間以上経っている。時間は15時をまわった。

江戸時代に甲州道中(旧甲州街道)が整備され、その途中に小仏峠があった。今は登山客などが利用する。
江戸時代に甲州道中(旧甲州街道)が整備され、その途中に小仏峠があった。今は登山客などが利用する。

最後のピーク、小仏城山へ着いたときには日が暮れはじめていた。高尾山を遠望して、暗くならないうちに千木良へと下った。

小仏城山から下りてくると千木良の集落。陽はすっかり傾いた。あとは山麓酒場へ直行だ。
小仏城山から下りてくると千木良の集落。陽はすっかり傾いた。あとは山麓酒場へ直行だ。

山歩きメモ

時間と脚力に余裕があれば、小仏城山から千木良に下りずに高尾山まで縦走してはどうか。城山から高尾山へ1時間、ケーブルカー乗り場へ30分はみたい。

アドバイス

休みなしでも6時間以上かかるコースなので、途中で疲れてきたならエスケープルートへ。明王峠、景信山、小仏峠からの撤退がおすすめ。小仏が楽か。巻道は利用すべし。

かどや食堂

食べてよし、飲んでよし。駅前の山麓酒場で乾杯!

相模湖駅前の老舗食堂。昼前から開いているのが何よりで、このコースでは無理だろうが、早めに着いても大丈夫。食堂だけあって定食のボリュームがあり大満足。もちろん山麓酒場でもあるので、おつまみ類も充実。

 

●11:30~18:30LO、火・最終月曜休。相模湖駅からすぐ。☏042・684・2002

ここのサバの味噌煮はお酒がすすむようにできている。
ここのサバの味噌煮はお酒がすすむようにできている。
人気のメニュー、肉豆腐。量といい甘めの味といい登山後にはグッド。
人気のメニュー、肉豆腐。量といい甘めの味といい登山後にはグッド。

取材・文=清野編集工房
『散歩の達人 日帰り山さんぽ 低山をきわめる!』より