薪窯で焼く本格ピッツァ。『GINA』
麻布にある名店『SAVOY』で修行した2名がオーナーとして共同経営し、ピッツァはその味を踏襲している。平日のランチは、マルゲリータとマリナーラ、そして日替わりのピッツァ、日替わりのパスタから1つを選べる。やはり一番人気はトマトソースにモッツァレラチーズとバジルをのせた定番、マルゲリータだ。サクッとした食感の耳、バジルの風味、とろけたチーズと生地の一体感がたまらない。ところどころ焦げた部分の香ばしいさもおいしい。薪窯で焼くピッツァの焼き時間は1分30秒だ。「短時間で焼いているので、その分冷めるのも早いんです。焼き上がりをできるだけ早く食べてもらいたいですね」と店長の石井さん。素早く食べるのもおいしさのポイントだ。
『GINA』店舗詳細
イタリア語で“大食漢”が由来の店名。『GOLOSO TETSU』
店名の”GOLOSO(ゴローゾ)”とは、イタリア語で大食漢やたくさん食べる人というという意味。だから『GOLOSO TETSU(ゴローゾテツ)』は、ランチもかなりボリュームがある。シェフ夫妻が野菜好きで、ランチのサラダや前菜の盛り合わせにはいろんな種類の野菜を取り入れている。ランチの日替わりパスタは常時3種類用意されていて、その中にも野菜がたっぷりのメニューが。自家製ソーセージと野菜のトマトソースが代表的だ。迫力を感じるボリュームにも釘付けになってしまう。スパゲティは1.7mmと、一般的な店がランチに使うものよりも見るからに太い。お腹をペコペコにして、思う存分料理の味を楽しみたい。
『GOLOSO TETSU』店舗詳細
びっくりするほど柔らかいチキンチーズカツ!『ビストロ さて』
『ビストロ さて』のシェフ、真中直樹さんは学生時代から学ぶフランス語を操り、何年かに一度、フランスに滞在しては現地のフランス人が食べる料理に触れてきた。ディナーは予約制でタンシチューや牛頰肉の赤ワイン煮込みなど煮込み料理がメイン。特に心血を注ぐのはソース作り。フォンドボーから仕込んで仕上げるデミグラスソースや赤ワインのソースは自慢の味だ。ランチは予約不要。もも肉を使ったチキンチーズカツは、不思議なほど柔らかい。肉を噛む回数さえ少なくて済むせいか、あっという間に食べ終わってしまう。一度揚げてからチーズをのせてオーブンに入れるため、チーズがとろけるだけでなく、余分な油が落ちる。満足感はあるのに、揚げ物特有のずっしり感がないせいで、リピーターも多い。
『ビストロ さて』店舗詳細
※営業時間は変更の場合あり/定休日:月・火・水・木/アクセス:JR西荻窪駅から徒歩5分
五感を刺激する美しいオードブル。『Bistro Petit』
店内はフランスの田舎町にあるビストロのよう。ランチでは前菜6種にメインが付いたセットメニューが評判。ディナーではコース料理4000円もあるが、ぜひアラカルトを頼みたい。オードブルの盛り合わせはボリューム満点で目も舌も楽しめる。一つひとつ手が込んでいて、シェフの料理への真摯な姿勢が伝わる。メインには、高級食材なのにお手頃なビュルゴー家(フランスにあるシャラン鴨の農家)の鴨ムネ肉料理を。
『Bistro Petit』店舗詳細
ワンタンの名店の味を堪能する。『支那そば いしはら』
店主はワンタンメンで有名な、浜田山『たんたん亭』の創業者。当時、ワンタンに餡が少ないことが嫌で、たっぷり餡のワンタンを作ったという。ワンタンメンミックスならば、肉がたっぷりと入った肉ワンタンと、エビのすり身が入ったエビワンタンの2種類が食べられる。スープは動物系と魚介系を合わせたWスープで、豊かな香りや深い味わいを感じる。一品料理も豊富で、夜にはアルコールを楽しみながら過ごす人も多いという。
『支那そば いしはら』店舗詳細
スパイスが奏でる魅惑の味は華やか!『モロッコ料理 tamtamu』
「クミン、コリアンダーなどスパイス遣いが基本です」と、オーナーの太田さん。モロッコ滞在で食べて覚えた家庭料理を再現している。トマトペーストをよく使うのも特徴で、ラム肉のハンバーグは、トマトとマーマレードの酸っぱ甘いソースとラムからあふれる肉汁がとろけ合う。タジン鍋料理のほか、生卵をマッシュポテトで覆い、小麦粉の皮で包んで揚げる変化球も。モロッコワインと合わせると旅心地に。
『モロッコ料理 tamtamu』店舗詳細
トロ肉付きのフレンチカレー!『SPOON』
「『SPOON』のフレンチカレーは欧風カレーとは違ってルーを使わない軽い仕上がり。スパイスの個性を引き立てている」と話すのは、フランス料理の経験を10年以上持つオーナーシェフの和田直樹さんだ。店のいちばん人気は、スペシャルフレンチカレー。根菜や葉野菜、実の野菜など10種類以上の野菜が、食感や彩り、栄養素までを考慮して添えられている。食べ応えもあるトロ肉は柔らかく煮込まれていて、さらりとしたカレーソースと口の中で一体となる。牛肉の赤ワイン煮込み、ブッフ・ブルギニョンをアレンジしたというからさすが。フレンチカレーは、世界中で愛されるフランス料理の魅力に気付くきっかけにもなってくれそうだ。
『SPOON』店舗詳細
グルテンフリーのカレーとロースイーツ!『raccoon』
カレーの名店が多い西荻窪で、ロースイーツを作る妻と、カレー好きな夫が営むカフェ『raccoon(ラクーン)』。小麦粉不使用でグルテンフリーのカレーは常時3種類が用意されている。定番のポークカレーは、食べ応えのある大きさのバラ肉入り。脂身のおいしいSPFポークの岩中豚を柔らかく煮込んでいる。カレーにはスパイスはたくさん入っているというが、まろやかでやさしい味わいで、ますます豚肉の甘みを引き出している。スイーツの人気メニュー、ローチーズケーキは、土台をアーモンドとカシューナッツをシロップで固め、カシューナッツとココナッツミルク、ココナッツオイルを使って滑らかな食感に仕上がっている。カレーを食べた後のデザートとしても相性がいい。
『raccoon』店舗詳細
/定休日:水・木/アクセス:JR中央線西荻窪駅から徒歩5分
【休業】天空庭園でいただくカレーな一皿。『ササユリカフェ』
雑居ビルの最上階に誕生したテラスのあるカフェ。アニメーターとして、スタジオ・ジブリで約25年活躍した舘野仁美さんが開いた。名物は、体力が落ちたときでも食欲を刺激し、元気が湧くような2種のカレー。キーマカレーは鶏のひき肉にショウガをたっぷり。フルーツカレーはリンゴとキノコのやさしい味わい。いずれも油を控えた軽やかな印象だ。テラス席と広くのびやかな店内で、ゆっくりティータイムまで過ごせる。
『ササユリカフェ』店舗詳細
スパイスしみ込む、魚のカレーに注目!『Sajilo Clove』
北インド・ネパール料理専門店、といっても国旗や民俗音楽はなし。店内はアンティーク家具でまとめられ、ネパール人店主・ニールさんの美的センスが光る。吉祥寺『Sajilo cafe』の姉妹店として2012年1月に開店。厨房を広くしてメニューを増やし、吉祥寺の店舗にはないシーフードカレーも提供する。長時間煮込んでペースト状にしたタマネギをベースに、オリジナルブレンドのガラムマサラなど要所にスパイスを利かせたカレーは絶品。う~ん、立ち上る芳香にうっとり!
『Sajilo Clove』店舗詳細
出汁とスパイス、野菜の滋味が融合『OHIO』
「うちはカレーライス屋。お米に合うカレーを意識しています」。2012年9月開業、店主・酒井竜二さんは言う。カレーはチキン、牛(豆入り)、南瓜とバナナなど全6種。どれもルーが異なり、それぞれのおいしさがあるが、共通しているのは出汁の旨味とスパイスが融合していること。出汁は野菜、かつお節、時間をかけて炊いた鶏ガラスープを合わせたもの。油は極力使わず、2種を添える付け合わせも凝る。いつのまにか、山盛りの皿のご飯も完食。
『OHIO』店舗詳細
混ぜて、混ぜて。野菜と豆の旨味がひたひた~『大岩食堂』
「野菜だけでこんなに満足感があるの!?」と、店主・大岩俊介さんがかつて衝撃を受けた南インドカレーを提供。さらに、チキンやポークを使ったノン・ベジタリアンの料理、スリランカの家庭料理も用意する。スパイスは粒のままのホール、パウダー、香りづけ用を組み合わせ香り豊かに。酸味のあるスープや豆と野菜のカレー、炒め物などを盛り合わせたミールスは、ご当地流の定食。はじめはそのまま。混ぜて、深まる味わいを堪能して。
『大岩食堂』店舗詳細
取材=稲葉美映子・大海渡宏美(風来堂)・高山和佳・泉田道夫・オカダタカオ・速志 淳・松井一恵(team まめ)、野崎さおり 撮影=井原淳一・沼 由美子・金井塚太郎・木村心保、野崎さおり