駅前にはノスタルジックな雰囲気が漂う商店街があり、はたまた駅から少し離れると閑静な住宅街が広がるという異なる顔を持つ西荻窪。お店のジャンルも街の雰囲気同様幅広く、個性あふれる店が軒を連ねている。とはいえ、カレー、イタリアン、フレンチ、ラーメンなどバラエティ豊かな店が多くあるからこそ、どの店を選べばいいのかというのは悩みもの。今回はそんな時に覚えておきたい、西荻の空気を存分に堪能できて、もちろん味も申し分ないという珠玉の店をセレクトした。
前のめりになる充実の食事を前に、「軽く一杯飲もうか」。そんな気分に応えてくれるちょうどいい店が荻窪・西荻窪に多数。 定食屋からカレー、普段づかいできるイタリアンまで、 一人でも気軽に訪ねて、おなかと心を満たしてもらおう!

魚菜とお酒 まめたろう

海香るひと皿に陶酔、旬の極みを日常に

お造り盛り合わせ1320円~は、その日の仕入れにより4~5種類。

さっきまで生きていたカワハギ。そのキモのなまめかしい色が、荻窪で出合える最高の鮮度を伝えている。「スルメイカのえんぺらも、まだ動いています」と店主の伊藤さん。小田原から届く朝捕れの天然魚を求めて、𠮷祥寺の魚屋へ出向くのが日課だ。おひとり様も何品か満喫できる前菜の盛り合わせ、一杯五勺の日本酒に、にまっ。まめに通って日本の旬を心ゆくまで味わいたい。厨房は伊藤さんの独り舞台ゆえ、時間に余裕を持ってどうぞ。

帆立の天ぷら935円、お野菜焚き合わせ約800円(価格は変動あり)、天然魚のぜいたくヅケ丼1320円。
魚愛あふれる包丁仕事。
敷居低い明るい店内。

『魚菜とお酒 まめたろう』店舗詳細

住所:東京都杉並区天沼3-32-1 メゾン荻窪1F/営業時間:17:00~23:00/定休日:月/アクセス:JR中央線・地下鉄丸ノ内線荻窪駅から徒歩5分

bar Pigrone

魅惑のカウンターは地元民立ち寄り処

白身魚のラビオリ 山うどのスープ仕立て、里芋とベーコンのポテトサラダ。季節によりメニュー変更あり。前菜は550円均一。ボトルワイン2800円〜。

通りに面した出窓から見える、カウンターに並ぶ笑顔が楽しそう!その笑顔の中心にオーナーシェフ・島川尚(たかし)さんがいる。生まれも育ちも荻窪で、「もともと飲むのが好きで」と、デザイナーから料理人に転身した。タイのアラで取る出汁に白身魚のラビオリと山ウドを合わせる閃(ひらめ)きに、和食の経験が光る。素材の魅力が素直に伝わる穏やかな味は、5時間煮込むふんわりトリッパもしかり。ワインが中心だが、常連客に応えて黒霧島も置く。

トリッパのトマト煮。
縦長の店内。

『bar Pigrone』店舗詳細

住所:東京都杉並区荻窪4-31-3 マルイチビル1F/営業時間:17:00~翌1:00(金・土は~翌2:00)/定休日:不定休/アクセス:JR中央線・地下鉄丸ノ内線荻窪駅から徒歩3分

和食 ゆず

好きな主菜を選ぶ定食、悩み過ぎて困ります

まぐろ納豆、鳥唐揚、煮物盛り合せの3品1450円は、ご飯、味噌汁、切干し大根、おしんこ付き。2品は1000円。「納豆とマグロを交ぜてから醤油だよ」。

今食べたい主菜を、自在に組み合わせて注文する定食屋。トンカツや唐揚げ、アジフライといった墨字が壁の品書きに躍って、誰か選んで〜と願いたくなる。しかし、「何を食べるかは、お客さんの自由」と店主の佐藤秀雄さんはうれしそうに言い放つ。1978年の開店当初、定食は昼だけで、夜はちょいと高級な割烹だった。ある時、「夜も定食がいい」と希望されて今のスタイルに。が、板前魂は現役で、なじみの魚屋がある豊洲に通う。

店主の佐藤秀雄さん。定食のお供はビールだね。
壁に貼られた品書きから主菜を選ぶ。

『和食 ゆず』店舗詳細

住所:東京都杉並区荻窪4-21-19 荻窪スカイハイツ102/営業時間:11:30~14:00・17:30~20:00 /定休日:日/アクセス:JR中央線・地下鉄丸ノ内線荻窪駅から徒歩3分

フィリピンレストラン ATE

酸味>辛味のエスニック、未体験料理に開眼!

酸っぱ辛いシニガンスープ1400円、豚肉のマリネード煮込み1120円。

ルソン島カビテ市出身の竹内真弓さんが、故郷の家庭料理でもてなしてくれる。「フィリピン料理を初めて食べる人に、まずこれを」とすすめるのはシニガンスープ。酸味あるタマリンドの果実を使う、ちょい辛でさわやかな風味の一品だ。本場では、雨季に体を温めるために食べるそう。ヘルシーさが特徴かと思いきや、鉄板で登場するシシグは、マヨネーズを多用したB級グルメ。2、3人で訪ねてバラエティーに富むメニューを制覇したい。

豚のホホ肉とレバー、ミミガーを炒めたシシグ1000円。

『フィリピンレストラン ATE』店舗詳細

住所:東京都杉並区西荻南2-22-11 2F/営業時間:火~日18:00~22:00(土日は12:00~15:00も営業)/定休日:月(祝の場合は翌火休)/アクセス:JR中央線西荻窪駅から徒歩3分

モロッコ料理 tamtamu

スパイスが奏でる魅惑の味は華やか&滋味深い!

ラム肉のハンバーグ980円とモロッコパン。

「クミン、コリアンダーなどスパイス遣いが基本です」と、オーナーの太田さん。モロッコ滞在で食べて覚えた家庭料理を再現している。トマトペーストをよく使うのも特徴で、ラム肉のハンバーグは、トマトとマーマレードの酸っぱ甘いソースとラムからあふれる肉汁がとろけ合う。タジン鍋料理のほか、生卵をマッシュポテトで覆い、小麦粉の皮で包んで揚げる変化球も。モロッコワインと合わせると旅心地に。

異国情緒ある店内。
とろ〜り卵とマッシュポテトの包み揚げ、ブリック650円、チキンのクスクス1250円。
タムタム親子。食べて飲んで美しく~♪

『モロッコ料理 tamtamu』店舗詳細

住所:杉並区松庵3-18-15/営業時間:11:30~ 15:00(要予約、平日のみ営業)•18:00~ 22:00LO(要予約)/定休日:月/アクセス:JR中央線西荻窪駅から徒歩8分

カンラン 広島流お好み焼き

安いデカイ旨い熱い広島魂をシェア!

約30分かけて焼き上げるそば肉玉1200円。

主役のキャベツは、「甘さが最高」と店主・北崎政男さんが惚れ込む愛知県産。「その中でも一番いいものを」。そう念じて注文する。届いたら、時季で変わる水分量や固さを見極め、厚さ3.1cmある鉄板の温度を微調整。集中する政男さんに代わり、「お好み焼きのビチビチって音を聞き分けるんです」と妻のみどりさんが教えてくれた。華麗なコテさばきを眺めつつ、広島産レモンを使う一品料理やサワーを満喫。

ひっくり返したら蒸し焼きに。生地が蓋の役割。
完成までは広島レモンサワー495円を。お持ち帰りもやってるよ。
昭和香る店内。

『カンラン 広島流お好み焼き』店舗詳細

住所:東京都杉並区西荻南2-6-23/営業時間:18:00~23:00(土17:30~23:00)※コロナのため時短営業あり/定休日:日/アクセス:JR中央線西荻窪駅から徒歩8分

構成=フラップネクスト 取材・文=松井一恵(team まめ) 撮影=木村心保