【一度は食べたい川越名物!うなぎ】
川魚専門店が手掛ける本格うなぎを気軽に楽しめる『うなぎ 傳米』
川越の名物といえば、真っ先に思い浮かぶのはうなぎ。『うなぎ 傳米(でんべ)』は、栃木県にある1964年創業の川魚専門店『林屋川魚店』の姉妹店で、職人が腕をふるった料理を蔵造りの店内で味わえると評判だ。さらには、テイクアウトメニューで気軽に本格うなぎを体験することも。なかでもカップ入りのうな飯は、うなぎのふっくらした食感と口溶けのよさ、澄んだ脂の甘みに感極まる。脂身と赤身のバランスがいいものを選び、白焼きにしてから蒸すが、個体ごとに状態が異なるため職人が串打ちの段階で一匹ずつ確認し、蒸し時間を調整するという。片手で食べられる串物も人気。
『うなぎ 傳米』店舗詳細
カジュアルな食べ歩きグルメ“うな玉カップ”が話題『小鉢 豆美』
蓮馨寺(れんけいじ)そばのホテル『Hatago COEDOYA』には、宿泊客でなくても自由に利用できるフードコート「縁結び横丁」がある。その中の『小鉢 豆美(まめよし)』は、食べ歩きグルメの人気店。うな玉カップは880円と実にリーズナブルで、香ばしい焼き目とやや甘めのたれが、ウナギの旨味をぐっと引き出してくれる。江戸時代からうなぎは高級料理だったが、屋台に行けば、庶民にも手が届きやすいお手頃価格のうな串が売られていたとか。ごはんは新潟県産のコシヒカリを使用。注文後に握ってくれるおにぎりも味わい深く、具材は王道から変わり種まで全14種。
『小鉢 豆美』店舗詳細
重量級のうなぎの焼きおにぎりがおなかも心も満たす『鰻 小日向』
店頭のテイクアウトコーナーでひときわ目を引く、うなぎの焼きおにぎり。トッピングと呼ぶには大きすぎるうなぎが、おにぎり本体を覆い隠すようにドーンとのせられている。使用しているのは養鰻場が水とエサにこだわって育てた、通常の1.5倍ほどある大ぶりで身が厚いニホンウナギ。『鰻 小日向』が徳島にある大正12年(1923)創業の老舗醤油醸造所と共同開発した、ウナギの骨を煮詰めた特製タレもこだわりの一つ。ずっしりと重みのあるうなぎの焼きおにぎりにかぶりつくと、とろけるような食感と旨味、タレの甘み、香ばしさにうっとり〜。
『鰻 小日向』店舗詳細
【個性が光る!さつまいもスイーツ】
川越産サツマイモを使用した新感覚スイーツ『COEDO HACHI』
さまざまなサツマイモスイーツに出合える川越。なかでも食べておきたいのは、全国No.1を決める「さつまいも博2023」で実行委員会賞に選ばれ、来場者人気投票でも4部門中3部門で1位を獲得したこちらの焼き芋ブリュレだ。半分にカットした焼きいもにカスタードクリームをのせ、上からザラメを振りかけバーナーで炙っているのだが、表面のパリッとした歯触りと、ねっとりとした焼きいもの食感の差がクセになる。その焼きいもというのがもう一つの看板商品、熟成つぼ焼き芋で、長期間熟成して糖度を30度まで引き上げた川越産サツマイモで作る、ここでしか食べられない一品。
『COEDO HACHI』店舗詳細
菓子屋横丁で見つけた揚げたて芋けんぴ『菓匠右門 川越けんぴ工房直売店』
サツマイモのまんじゅう「いも恋」をはじめ、バラエティに富んだ芋菓子を考え出し、ヒットを生んでいる『菓匠右門(かしょううもん)』。市内各所に店舗を構える有名店だが、菓子屋横丁にあるこちらは「川越けんぴ」専用の工房兼直売所で、唯一、揚げたての芋けんぴを食べられる場所となっている。工房はこぢんまりしていて、設置されているフライヤーも決して大きくはない。そのかわり作り置きもできないのでひっきりなしに稼働されていて、正真正銘「揚げたて」だ。受け取ると手に温もりが伝わって気持ちが上がり、カリッとした歯応えと広がる旨味にほっこり。
『菓匠右門 川越けんぴ工房直売店』店舗詳細
サツマイモスイーツで小腹を満たし、河越茶で喉を潤す『ACROSS THE RIVER-TEA STAND-』
クレープは、旬のフルーツを使ったものなど全10種類。川越気分を満喫するなら、地元産のサツマイモを使い、店内の絞り機で製造する芋モンブランがおすすめだ。やはり店内で手作りしたカスタードクリームや、甘さ控えめの生クリームが、サツマイモのほくほくした甘さと重なり合う。生地は、国産の小麦粉と米粉をブレンドすることでもちもち食感にさせつつ、表面をサクッとした軽い歯触りに焼いているのがいい。ティースタンドという店名の通り、ドリンクも充実。小江戸和紅茶は飲んでみるとほのかに甘く、じわじわと体に滋味が染み渡っていくよう。
『ACROSS THE RIVER-TEA STAND-』店舗詳細
【ここでしか味わえない!軽食いろいろ】
ブランド豚「小江戸黒豚」のホットドッグ!農場直営レストラン『Mio Casalo 川越 蔵のまち店』
一番街の『Mio Casalo 川越 蔵のまち店』は、川越の郊外にある「大野農場」が営むレストラン。「小江戸黒豚」はこちらで長年研究に研究を重ね、開発した川越のブランド豚だ。農場に隣接した本店には工房があり、小江戸黒豚を使ったハムやソーセージなどの加工品も製造。一方、こちらの店舗で提供するテイクアウトの黒豚ドッグは、注文後にソーセージを焼くところから始めてくれるので、小江戸黒豚特有の旨味や脂の甘み、香りが存分に生かされる。プレッツェル生地のドイツパンのむぎゅっとした食感と、ソーセージの皮がパリッと弾ける感覚が口の中で交互に訪れ、たちまちヤミツキに。
『Mio Casalo 川越 蔵のまち店』店舗詳細
小江戸黒豚×A5和牛の旨味弾けるメンチカツ『和牛ひつまぶし うし川』
この店の名物は和牛ひつまぶしだが、実はテイクアウトも話題。ディナータイムのおつまみとしても人気の小江戸メンチは、元々は「街歩きのお供になる食べ歩きグルメを作りたい」との思いから開発されたという。発売されるやいなやファンが増え、全国から見物客が集まる川越まつりの日には、なんと1日で約1500個売り上げたこともあるとか。赤身に絶妙な割合で脂を配合したA5和牛と、ジューシーな小江戸黒豚の挽き肉をブレンドして作っているので、旨味と甘みのバランスがいい。タネの材料はシンプルだが、みじん切りしたタマネギの甘みと辛味が重要な隠し味。
『和牛ひつまぶし うし川』店舗詳細
川越B級グルメの進化系、羽根つき三角焼きそばとは?『萩原商店』
路地裏で見つけた1台のキッチンカー。羽根つき三角焼きそばが名物で、これを目当てにやってくるのは地元の親子連れ、部活帰りに小腹を満たしに来る学生、散策中の観光客などさまざまだ。できたてを受け取って羽根をかじるとパリッとして、内側は太麺のもちもちが生きている。材料の特注麺は、店主・萩原秀樹さんの実家でもある製麺所から仕入れていて、生麺から茹でてソースで味付けし、客が注文すると、仕込んでおいた焼きそばを卵とチーズで挟み、焼きおにぎりメーカーで焼き上げてくれる。川越っ子のソウルフードでもある太麺やきそば、その進化系をぜひ体験して。
『萩原商店』店舗詳細
【ほっと一息、懐かしいおやつ】
おからの穏やかな旨味と甘みにほっこり。手作り豆腐の専門店『近江屋長兵衛商店』
多くの観光客でにぎわう時の鐘入口交差点。手作り豆腐の人気店『近江屋長兵衛商店』の軒先には、「とうふやさんのおからドーナツ」と書かれた垂れ幕がさがり、道行く人の目を引く。江戸時代末期に野菜や干物、いろいろなものを扱う商店として創業し、現在のような豆腐専門店になったのは20年ほど前。先代の姉が豆腐屋に嫁いだことがきっかけだったという。テイクアウトのおからドーナツは、おからの旨味を生かすために全体の甘みを調整しながら生地を練るのだそう。揚げたてはもちろん、冷めた後には甘みがより穏やかになり、素朴さが際立つと評判だ。
『近江屋長兵衛商店』店舗詳細
蓮馨寺境内に醤油の焦げる香りがふわり。地元に愛される焼きだんご『松山商店』
室町時代に創建され、川越の名所の一つにもなっている蓮馨寺(れんけいじ)。境内には醤油の焦げる香りが漂い、出どころを探して振り向くと、視線の先に「名代焼だんご」の看板を掲げる『松山商店』がある。材料は米、醤油が基本でいたってシンプルだが、契約している米屋から生米を仕入れ、研ぐところから自分たちで行うそうで、研いだ米は店内で製粉。それを蒸して生地にするから、だんごにしても米の旨味がしっかり保たれるのだろう。青空の下でかじりつくと、むぎゅっという弾力に気持ちが高揚。食べ終わってもしばらく心地良い余韻が残り、1本でも大きな満足感を得られる。
『松山商店』店舗詳細
取材・文・撮影=信藤舞子





