焼き菓子 komugi

オーガニックな材料で手作り

生地が焼ける匂いに全身を包まれ、恍惚(こうこつ)! 2016年、菓子屋横丁の東の入り口にオープンしたこの店は、老舗が立ち並ぶ一角で比較的新しい仲間。「身内や友達のために作っていたところ、都内のオーガニック食材店に卸すようになったのが、店を始めたきっかけ」と店主の立脇純子さん。地元の果実がふんだんに使われ、自家製ジャムのスコーンやマフィンは「冷やして食べるのもおすすめ」だ。

自家製の季節のジャムが大活躍! スコーンやマフィン、ケーキなど、時季によって異なるフレーバーが登場する。
よつ葉発酵バター プレーンスコーン 320円/バターは多め、水分量はギリギリまで少なくし、ざくざく食感を出した。噛みしめるとほのかに香ばしさが表れる。
平飼い卵ときび砂糖のビクトリアケーキ(ブラックベリージャム)680円/穏やかな卵の風味が鼻腔(びこう)をくすぐり、川越産ブラックベリーの酸味がじわり。美味なハーモニーにうっとり。
全粒粉と季節のジャムの四角いスコーン(梅ジャム)480円/梅は、立脇さんの実家がある同県の小川町で収穫。生地にサワークリームを忍ばせた魅惑の二層構造。

『焼き菓子 komugi』店舗詳細

住所:埼玉県川越市元町2-11-8/営業時間:14:00~18:00(売切れ次第終了)/定休日:週末のみの不定期営業(SNSで確認)/アクセス:西武新宿線本川越駅から徒歩15分

菓匠右門 川越けんぴ工房直売店

揚げたての味わいにほくほく

やっぱり川越でサツマイモは外せない。銘菓「いも恋」で知られる『菓匠右門』が新たに手掛ける芋けんぴ専門店は、店の奥のフライヤーで仕上げを行い、揚げたてを食べさせてくれると話題だ。使用するサツマイモは芋焼酎の原料にもなる「黄金千貫」で、熱を通すとふわっと香ばしくなる。表面を覆い、つやっと輝く蜜はサツマイモエキスたっぷりの芋蜜。バリボリした歯応えに食欲があおられてぺろり。

1本1本が超ロングでうれしい! 揚げたて芋けんぴは、下処理のうえ冷蔵保存したイモを店内で揚げ、蜜にくぐらせる。
食べ歩き用 揚げたて芋けんぴ300円/揚げたてゆえ包みを持つ手に温もりを感じる。元々のサツマイモのサイズが大きいので、1本が長い。腹持ちも◎。
お芋のソフトクリーム(ミックス)300円/するっと滑らかな舌触り。ムラサキイモペーストと自社製サツマイモペーストを練り込み、自然な甘みに。

『菓匠右門 川越けんぴ工房直売店』店舗詳細

住所:埼玉県川越市元町2-9-3/営業時間:10:00~17:00/定休日:無/アクセス:西武新宿線本川越駅から徒歩16分

玉力製菓

職人魂と伝統的な製法を大事に守る

昔ながらの飴を家族で手作り!

ニッキやかりんの昔懐かしい玉飴や、花模様が目を楽しませてくれる組飴など、代々家族で飴を手作りし、かれこれ約100年。作業風景をのぞくと、淀みのない流れるような動き、鉄壁のチームワークに思わず「おおー」と感嘆の声が漏れる。現在は4代目を中心に全工程が手作業で行われ、決まったレシピはなくその日の気温や湿度を踏まえた「職人の勘」が命。小さな一粒から熱い思いがあふれる。

店内には組飴だけで10種以上、全部で20種を超える飴がずらり。迷いながら選ぶのも楽しい。
製造は主に午前中。時間が合えば、職人の華麗な手さばきを窓越しに見学できる。
千代結び 5個入り110円/組飴の製造過程でどうしても出る切れ端をねじって細工。異なる味の詰め合わせは子供にも人気だ。見た目もかわいい。
のど飴(薬草入り)80g入り220円/キキョウやキンカンなど喉にいい薬草を使用。やや爽快感を伴いつつ、べっこう飴に似た味で食べやすい。
抹茶 80g入り220円/かわいらしい花模様モチーフの組飴。こっくりとした甘みの後に、川越産の抹茶が爽やかに香る。

『玉力製菓』店舗詳細

住所:埼玉県川越市元町2-7-7/営業時間:10:00~16:30/定休日:月/アクセス:西武新宿線本川越駅から徒歩15分

松陸製菓

江戸時代から続く、界隈きっての古株

寛政8年(1796)創業、何を隠そう菓子屋横丁を興した鈴木藤左衛門の直系店だ。江戸時代から引き継がれる鍋など古い道具も現役として使われ、「明治期の帳簿が残っていて、少なくともその頃からきなこ玉は作られていたようです」と8代目の鈴木正利さん。全長約95cmのふ菓子は正利さんが生んだ川越名物で、黒糖による確かな味は見た目のインパクトに匹敵。どちらも押さえておきたい。

元祖 日本一なが〜い 黒糖ふ菓子 540円/材料の麩も自家製。見よ!この長さを
かぶりつくと黒糖の甘みが豊かに舞い広がる。歯切れはさくっとし、意外と後味は軽い。だから、止まらない!
きなこ玉 120g入り220円/黒糖と水飴、国産きなこをこね鉢でよくこねる。職人の丁寧な仕事によって作られるソ フトな歯触りが絶妙。

『松陸製菓』店舗詳細

住所:埼玉県川越市元町2-11-6/営業時間:9:00~19:00/定休日:月/アクセス:本川越駅から徒歩15分

取材・文=信藤舞子 撮影=金井塚太郎
『散歩の達人』2020年10月号より