【カフェ】
音楽と珈琲の店 岬[浜金谷]
ジャズを BGM に内房の夕日を眺める
内房の海に向かう風の強い岬にポツンと立つ喫茶店。この店の魅力は、世界の果てに来たかのような立地で味わうコーヒー。コーヒーには近くの鋸山の湧き水を使っている。「心を込めて淹れるとおいしくなるのよ」と、オーナーの玉木節子さん。東京湾が徐々に闇に包まれてゆく夕暮れ時には、必ずジャズを流すそう。心地よいリズム、内房の海を照らす赤い夕日、心に染み入る一杯のコーヒー。しばし、時を忘れる。
『音楽と珈琲の店 岬』店舗詳細
Strawberrypot[千倉]
吹き抜ける風が心地いい海女カフェ
畑の向こうに海が広がり、デッキ席に座ると風が心地よく頬をなでていく。「『あまちゃん』の影響は大きいですね(笑)」と、オーナーの鈴木昌さん。房総であまちゃん? そう、実はオーナーの奥さん・祐美子さんは現役の海女さんなのだ。祐美子さんが採取した天草で作る寒天は、独特の歯ごたえと風味があり、ほかではなかなか味わえないと人気。器に使うアメリカのアンティーク食器「ファイヤーキング」を目当てに訪れる人も多いとか。
『Strawberrypot』店舗詳細
【ラーメン】
御食事処いしい[勝浦]
体を芯から熱くする真っ赤なスープ
海仕事で冷えきった体を温めると、漁師や海女さんを中心に勝浦でブレーク。発祥店は鴨川に移転したが、喫茶店や食堂などでも供される勝浦自慢の味となった。「海から上がったら風呂よりもまず、これ」とは、店主の石井忠春さん。基本は、隣の乾物店でかいたさば節のスープと、豚や鶏、野菜のスープを合わせた澄んだWスープで、自家製ラー油が赤く染め上げる。爽快な辛さと深い旨味をもち、タマネギが名脇役。
『御食事処いしい』店舗詳細
【海鮮】
大徳家[千倉]
千倉の旬ネタを肴に地酒で一杯
千倉漁港のすぐ近くにあり、ネタは入荷したての地魚が基本。シャリには、明治~昭和初期には「江戸前鮨になくてはならない米」といわれた地元産の長狭米を使っている。握り以外にも、なめろうやさんが焼きなど、千倉の名物魚介料理がずらりと揃う。千倉のことにめっぽう詳しい大将の栗原和之さんの房州弁を聞きながら、千葉の地酒で一杯やりたい。6~8月が旬のくじらや、11~5月が旬のまんぼう料理も味わえる。
『大徳家』店舗詳細
寿司活魚料理 いそね[大貫]
はかりめを2つの丼で食べ比べ
房総では「はかりめ」と呼ばれるアナゴは、梅雨の時季が特においしいという。一番人気は2種類の丼が味わえるはかりめ2色丼。はかりめ丼は、甘辛くこってりと煮あげたアナゴが口の中でやさしく崩れる。2色丼のみで提供されている「さわやか丼」は、天然塩とレモンで味付けした、やわらかいアナゴとシソ入りの酢飯との相性が抜群。天ぷらは、肉厚のアナゴやホタテが入荷されたときしか出さないという。土・日・祝は混雑必至。どの料理も30分ほどは待つ覚悟を。
『寿司活魚料理 いそね』店舗詳細
さすけ食堂[浜金谷]
メニュー豊富な黄金あじは夏が旬!
内房の金谷漁港産のアジにこだわる定食屋。米や野菜類も主に富津産だ。一番の看板メニューはあじフライ定食で、さくっとした衣とやわらかい身を頬張れば、思わず頬もほころぶ幸せ。段違いの脂の乗りをしっかり味わうなら、刺し身やたたき、限定のなめろうなど、フライ以外の定食や丼ものを頼んでみよう。刺し身のアジは夏、フライ用は冬から春が旬だ。その日に捕れたアジが無くなると営業終了なので要注意。
『さすけ食堂』店舗詳細
魚屋食堂 カネシチ[江見]
港町で生まれた海鮮茶漬け
魚屋さんの奥にある、魚屋直営、家族経営のアットホームな食堂。鴨川名物「おらが丼」は、店によって内容が異なるが、それぞれ地元素材を使った名物丼。こちらで味わえるのは“まご茶づけ”。もともとは地元漁師たちが食していた伝統料理で、新鮮な地魚を漬けにしてご飯にのせ、熱いお茶を注ぎ、ササッと食す。口の中に流し込めば、たちまち魚の旨味でいっぱいに。ネタは選べるので、その日イチオシの魚を教えてもらおう。
『魚屋食堂 カネシチ』店舗詳細
【ビール】
犬吠埼観光ホテル[犬吠埼]
海の見える露天風呂のあとにもう1杯!
ガラス越しに太平洋を一望できるダイニングで、風呂上がりのビールを味わえる宿。金目鯛はヤマサの醤油を使い、銚子っ子好みの甘辛味に仕上げている。プリッとしてクリーミーな岩ガキは、犬吠埼の北にある海鹿島(あしかじま)でその朝採れたものだ。地酒「寒菊」の蔵元が仕込むビールが華を添える。
『犬吠埼観光ホテル』店舗詳細
【道の駅】
道の駅 ちくら潮風王国[千倉]
太平洋の海の恵みが勢揃い
イチオシは『旬膳はな房』のテイクアウト専用メニューのアジカツバーガー。丁寧に骨を取り除いたアジフライと地元の季節野菜などをバンズに挟んでいる。自家製タルタルソースのほのかな酸味が味の決め手。『コロッケハウス』では、地元産のサザエの身を刻んで具の中に練り込んだご当地コロッケ・さざえコロッケを土日限定で販売。こりこりした独特の食感を楽しめる。
『道の駅 ちくら潮風王国』店舗詳細
道の駅 和田浦 WA・O![和田浦]
クジラとともに生きる港町の名産品
はちみつソフト、プレミアムソフトと並ぶ『和田浜』オリジナルの落花生ソフトクリームがイチオシ。上からまぶしたクラッシュピーナッツの食感にもこだわっており、千葉県産落花生の風味が甘く香る。
『道の駅 和田浦 WA・O!』店舗詳細
道の駅 富楽里 とみやま[岩井]
海の幸も山の幸も揃ってます
1Fに地場の生鮮品、2Fにテイクアウトの店舗が並ぶ。イチオシはクレームブリュレのようなフローズンデザートのクレマカタラーナ。近隣の近藤牧場で健康的に放牧飼育された、ジャージー種やブラウンスイス種などの濃厚なミルクと地元産の卵を原料にしている。近藤牧場謹製のリコッタチーズを使ったまろやかなリコッタプディングも販売。添加物を使っていないので容器の底にチーズが沈殿するのが特徴。「なめろう」に野菜のみじん切りを入れて焼いた地元の名物・伏姫さんが焼きは、酒の肴にもぴったり。房州産の材料にこだわり、化学調味料や添加物は不使用だ。
『道の駅 富楽里 とみやま』店舗詳細
道の駅 とみうら枇杷倶楽部[富浦]
房州びわをバラエティ豊かな味で
南房総市はびわの北限生産地。旧富浦町の時代から袋かけなど栽培法を工夫し築いてきた確かな品質を堪能できる、様々なびわみやげが揃う。イチオシは、のむ果実びわジュース。房州びわのピューレから作られたフルーツジュースで、果汁100%ではないが、その分、万人が飲みやすい味に調整されている。通年販売しているが、季節によって、使用するびわの品種は変えている。房州びわのピューレを、隠し味に使ったナンびわカレーも販売。フルーティーさと独特のコクは、香辛料との相性もバッチリ。爽やかフレーバーも食欲をそそる。焼きびわカレーパンもあり、カレーよりピューレを多めに使用し、香りを際立たせている。揚げずに焼いているのでカロリー控えめだ。
『道の駅 とみうら枇杷倶楽部』店舗詳細
取材・文=高山和佳、信藤舞子、佐藤さゆり(teamまめ)、鈴木晴美、高山和佳、戸田恭子、小菅聡一郎、増山かおり 撮影=山出高士、阿部栄一郎、井上洋平、金井塚太郎、小菅聡一郎