【散歩コース】

スタート:東京駅からJR横須賀線で北鎌倉駅まで1時間・830円。

JR横須賀線北鎌倉駅(4分/0.2km)→山ノ内八雲神社(12分/0.6km)→円覚寺(2分/0.2km)→北鎌倉古民家ミュージアム(6分/0.3km)→北鎌倉 葉祥明美術館(3分/0.2km)→明月院(15分/1.0km)→建長寺(2分/0.1km)→円応寺(15分/0.8km)→浄智寺(4分/0.2km)→東慶寺(5分/0.3km)→JR横須賀線北鎌倉駅

ゴール:北鎌倉駅から往路を戻る。

今回のコース◆約3.9km/約1時間15分/約5100歩

山ノ内八雲神社/北鎌倉を一望する高台の古社

元仁元年(1224)、疫病の勢いを鎮めるため、京都祇園の八坂神社の神霊を勧請し、創建されたと伝わる。境内の庚申塔は「寛文五年」の銘があり、これは鎌倉最古で最大のものだという。

『山ノ内八雲神社』詳細

住所:神奈川県鎌倉市山ノ内585/営業時間:拝観自由

円覚寺/丘陵地に広がる壮大な寺院

鎌倉幕府8代目執権・北条時宗が元寇(げんこう)の戦没者を弔うために開山。鎌倉五山第二位の格式をもち、壮大な三門や仏殿に大寺の風格が漂う。舎利殿には釈迦の歯が祀られている。

『円覚寺』詳細

北鎌倉古民家ミュージアム/古民家の温もりのなかで鑑賞を

江戸時代末期から明治時代に建築された3棟の古民家を利用。内外観とも往時の雰囲気を残し、まるでタイムスリップしたかのよう。ひな人形や伝統工芸、創作人形、着物など、季節に合わせた企画展を開催。

『北鎌倉古民家ミュージアム』詳細

住所:神奈川県鎌倉市山ノ内392-1/営業時間:展覧会により異なる/定休日:展覧会により異なる

北鎌倉 葉祥明美術館/美しい絵本の原画が並ぶ

絵本作家の葉祥明氏の個人美術館。洋館の建物は「美術館自体が一冊の美しい絵本」がコンセプトにしたもの。透明感のある色づかいが特徴の水彩画や油彩画、デッサン、詩作などを展示。

『北鎌倉 葉祥明美術館』詳細

住所:神奈川県鎌倉市山ノ内318-4/営業時間:10:00~16:30 /定休日:無

明月院/アジサイをはじめ、四季折々の美しい景観に出合える

「あじさい寺」としても知られ、境内に咲く数千株のアジサイは日本古来種のヒメアジサイ。その美しい青い花は明月院ブルーともいわれ、多くの人を魅了する。ハナショウブや紅葉など、四季折々に楽しめる。

『明月院』詳細

建長寺/日本初の禅の専門道場

鎌倉五山第一位。鎌倉幕府5代執権・北条時頼が中国の蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)禅師を迎えて、建長5年(1253)に創建。数多くの災害や火災などの被害に遭ったため、ほとんどの堂宇は近世に再建・移築されたもの。

『建長寺』詳細

円応寺/運慶作の閻魔像は必見

建長2年(1250)に作られた閻魔大王が御本尊。仏師の運慶作といわれ、国の重要文化財に指定されている。怖いはずの閻魔が笑っているように見えるため「笑い閻魔」とも呼ばれる。

『円応寺』詳細

住所:神奈川県鎌倉市山ノ内1543/営業時間:9:00~16:00(12~2月は9:00~15:30)/定休日:不定

浄智寺/苔むす石段と鐘楼門が描く美しい参道

鎌倉五山第四位の格式。北条時頼の三男の菩提を弔うため創建。中国からの渡来僧が多くいたため、鐘楼門や本堂などから、当時の中国様式がうかがえる。鎌倉江の島七福神の布袋尊が祀られ、おなかをなでると御利益があるという。

『浄智寺』詳細

東慶寺/境内の自然を取り戻す取り組みに注目

本堂には本尊釈迦如来坐像が祀られている。内部に上がり、お参りができる。
本堂には本尊釈迦如来坐像が祀られている。内部に上がり、お参りができる。

弘安8年(1285)創建で、女人救済の縁切り寺とも呼ばれていた。境内では自然の豊かさを取り戻すため台地の再生を行っている。毎月18日には水月完納坐像をご開帳。同時に月釜も開催している。

北鎌倉を代表する花の寺でもあり、いつ訪れても花に迎えられる。
北鎌倉を代表する花の寺でもあり、いつ訪れても花に迎えられる。

『東慶寺』詳細

【鎌倉グルメを堪能】

点心庵/建長寺直伝の建長汁(けんちんじる)が名物

「伝承 建長汁」1100円は、建長寺から直接指導されたレシピで作る。ニンジンや大根といった根菜を中心に豆腐など具だくさん。ゴマ油や出汁の風味が加わり、ホッと落ち着く味だ。

『点心庵』詳細

住所:神奈川県鎌倉市山ノ内7/営業時間:11:00~15:00LO/定休日:月(祝の場合は翌)

御菓子司(おかしどころ) こまき/アジサイ型の上品な和菓子

季節の上生菓子が好評。特に人気となのが6月に提供される紫陽花(抹茶付き)1001円。白餡の周りに紫色の寒天をあしらった菓子で、華やかな見た目で、上品な甘さが広がる。

『御菓子司 こまき』詳細

住所:神奈川県鎌倉市山ノ内501/営業時間:10:00~16:00LO/定休日:火

【鎌倉探検】鎌倉五山とは?/鎌倉時代に誕生した寺格を定めた制度

このコースには、建長寺をはじめ鎌倉五山の3つの寺がある。
このコースには、建長寺をはじめ鎌倉五山の3つの寺がある。

五山制度は、12世紀に南宋(中国南部)で生まれたもので、釈迦が説法を行った5カ所の修行場・五精舎(ごしょうじゃ)に倣ったという。

鎌倉武士の厚い信仰もあり、隆盛を極めた禅宗は、やがて寺院間の勢力争いに発展する。幕府はこれを治めるために南宋の五山制度を取り入れた。

正安元年(1299)に、9代執権・北条貞時が浄智寺を五山にするよう命じたのが、史料にはじめて登場する。当初は、建長寺、円覚寺など鎌倉の禅寺が五山といわれた。しかし、鎌倉幕府が崩壊し、室町幕府が誕生すると、京都を中心とした順位が定められ、京都の南禅寺、東福寺、建仁寺と、鎌倉の建長寺、円覚寺が五山とされた。その後、至徳3年(1386)に室町幕府3代将軍・足利義満によって、鎌倉五山と京都五山が分けられた。

鎌倉五山は、第一位・建長寺、第二位・円覚寺、第三位・寿福寺、第四位・浄智寺、第五位・浄妙寺となっている。

取材・文=アド・グリーン
『散歩の達人 歩きニストのための鎌倉散歩地図』より