スタート:地下鉄丸ノ内線・銀座線赤坂見附駅―(4分/0.3㎞)→清水谷公園―(13分/0.9㎞)→迎賓館赤坂離宮―(9分/0.7㎞)→たいやきわかば―(5分/0.4㎞)→西念寺―(4分/0.3㎞)→須賀神社―(2分/0.3㎞)→四谷於岩稲荷田宮神社―(11分/0.8㎞)→新宿歴史博物館―(10分/0.7㎞)→消防博物館―(9分/0.6㎞)→新宿御苑―(20分/1.4㎞)→太宗寺―(7分/0.7㎞)→新宿末廣亭―(4分/0.3㎞)→花園神社―(2分/0.1㎞)→新宿ゴールデン街―(8分/0.6㎞)→新宿東宝ビル―(6分/0.4㎞)→ゴール:JR・地下鉄・私鉄新宿駅

今回のコース◆約8.5㎞/約2時間/約1万1300歩

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1 清水谷公園

大久保利通暗殺の歴史を伝える

紀尾井町通りに面した公園で、ビジネスマンの憩いの場になっている。かつて北白川宮家邸があった場所で、明治23年(1890)に当時の東京市へ移管された。明治11年(1878)、近くで内務卿大久保利通が暗殺された。園内には高さ約6mの追悼碑があり、正面に「贈右大臣大久保公哀悼碑」と刻まれている。

住所:東京都千代田区紀尾井町2-1/営業時間: 園内自由/アクセス:地下鉄丸ノ内線赤坂見附駅から徒歩5分
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2 迎賓館赤坂離宮

外国の要人をもてなす迎賓館

本館は明治42年(1909)に東宮御所として建設されたネオ・バロック様式の宮殿建築物。当時の建築、美術、工芸の総力を結集した建築物で国宝に指定される。庭園、本館内の玄関ホール、花鳥の間、彩鸞(さいらん)の間、朝日の間、羽衣の間、和風別館が見学できる。

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3 たいやきわかば

東京のたいやき御三家の1軒

昭和28年(1953)に駄菓子屋として開業。昔ながらの手作業で1つずつ焼き上げるたいやき1個180円は、薄くパリッとした皮の中に、ほどよく塩味がきいた餡がびっしり。夏にはかき氷、4月~ 10月にはみたらし団子も登場する。

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4 西念寺

伊賀忍者・服部半蔵が眠る

徳川家康の長子・信康の冥福を祈るため、家康の重臣であり、伊賀忍者であった服部半蔵が文禄3年(1594)に麹町に建てた庵が始まり。後に、現在地に移し、半蔵の法名にちなみ西念寺とした。本堂裏手に信康の供養塔、墓地に半蔵の墓がある。

住所:東京都新宿区若葉2-9/営業時間: 境内自由/アクセス:JR・地下鉄四ツ谷駅から徒歩8分
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5 須賀神社

石段の参道は『君の名は。』の聖地

四谷の総鎮守で、地元では天王様として親しまれている。社殿の長押(なげし)の上に天保7年(1836)に奉納された色鮮やかな三十六歌仙絵(さんじゅうろっかせんえ)は一見の価値あり。11月の酉の市が盛大。アニメ映画『君の名は。』の舞台としても有名。

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6 四谷於岩稲荷田宮神社

『東海道四谷怪談』の舞台

左門町の同心だった田宮家の邸内にあった社で、田宮家の娘・お岩が信仰し、家勢を再興したことから有名に。文久8年(1825)に『東海道四谷怪談』が歌舞伎で上演されるとさらに参詣者が集まった。おどろおどろしい怪談の内容とは違い、実在したお岩夫婦はとても円満だったという。

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7 新宿歴史博物館

変貌著しい新宿の歴史を振り返る

区内で発掘された旧石器時代の石造物や、江戸時代に宿場町として栄えた内藤新宿、文学者たちの作品などを通じて新宿の歴史を紐解く。昭和初期の街並みを実物大で再現したコーナーや東京市電5000形のレプリカなどが郷愁を誘う。

住所:東京都新宿区四谷三栄町12-16/営業時間: 9:30〜17:00/定休日:第2・4月(祝の場合は翌)/アクセス:地下鉄丸ノ内線四谷三丁目から徒歩8分
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8 消防博物館

ジオラマや実物展示で消防の歴史を知る

江戸時代の町火消しの活動、明治から大正、昭和初期にかけての消防装備の変遷など、実物資料を使った展示は見ごたえがある。大正から平成までに活躍した消防自動車7台のほか、二輪消防車(赤バイ)、消防ヘリコプターの展示も迫力満点。

住所:東京都新宿区四谷3-10/営業時間: 9:30〜17:00/定休日:月(祝の場合は翌)/アクセス:地下鉄丸ノ内線四谷三丁目駅からすぐ

9 新宿御苑

和洋の庭園様式がコラボ

約58万3000m2の敷地があり、プラタナスの並木が印象的な整形式庭園、芝生広場を中心にした風景式庭園、池の周囲に季節の花を植えた日本庭園という趣の異なる庭園様式を組み合わせている。

住所:東京都新宿区内藤町11/営業時間:9:00~16:00(季節により変動あり。夏季は17:30まで(18:00閉園))/定休日:月(祝の場合は翌火)/アクセス:JR総武線千駄ヶ谷駅から徒歩5分
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10 太宗寺

普段は金網越しに閻魔様拝観

慶長元年(1596)頃創建。江戸六地蔵の銅造地蔵菩薩坐像がある。閻魔堂には「内藤新宿の閻魔さん」と呼ばれた閻魔像や、「しょうづかの婆さん」として親しまれた奪衣婆(だつえば)像を安置。閻魔堂は毎年1月と7月の15日・16日に開扉される。

住所:東京都新宿区新宿2-9-2/営業時間:7:00〜18:00/アクセス:地下鉄丸ノ内線新宿御苑駅から徒歩1分
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11 新宿末廣亭

桟敷席がある昔ながらの寄席

落語の定席の一つで、趣のある木造の建物は昭和21年(1946)築。毎月1日~ 10日の上席、11日~ 20日の中席、21日~ 30日の下席に分かれ、落語芸術協会と落語協会の芸人が交互に出演。落語を中心に昼夜各18組ほどが出演する。

住所:東京都新宿区新宿3-6-12/営業時間: 昼の部は12:00開演、夜の部は16:45開演〜20:30終演/定休日:無/アクセス:地下鉄丸ノ内線・新宿線・副都心線新宿三丁目駅から徒歩1分
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12 花園神社

ビルに囲まれた新宿の総鎮守

江戸開府以前からの新宿の総鎮守。境内に芸能浅間神社があり、江戸時代から芝居や舞踊の興行がよく行われていた。1960年代後半には唐十郎の紅テント芝居が行われ、アングラの聖地になった。毎週日曜は骨董市、11月には酉の市が行われる。

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13 新宿東宝ビル

ビルの上で吠えるゴジラ!

写真/TM & © TOHO CO., LTD.
写真/TM & © TOHO CO., LTD.

新宿コマ劇場の跡地に立つ複合ビル。3階~ 6階が都内最大級の映画館「TOHOシネマズ新宿」、8階~ 30階が「ホテルグレイスリー新宿」。8階のテラス部分に高さ12mのゴジラヘッドが置かれている。映画館ではゴジラグッズを販売し、ホテルにはゴジラルームもある。

住所:東京都新宿区歌舞伎町1-19-1/アクセス:JR・地下鉄・私鉄新宿駅から徒歩5分
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歩いたご褒美! ランチ & 一杯

14 どん底

昭和レトロな新宿の名物店。名物カクテルで乾杯

昭和26年(1951)創業。ツタが絡まる建物にも歴史を感じる。三島由紀夫や黒澤明など、多くの著名人が通った名物店だ。たっぷりチーズのミックスピザ1300円などを味わいながら、名物のどん底カクテル650円を味わおう。

住所:東京都新宿区新宿3‐10‐2/営業時間:17:00~24:00/定休日:無/アクセス:地下鉄丸ノ内線・副都心線新宿三丁目駅から徒歩3分

取材・文・撮影=塙 広明(アド・グリーン)

今回のコースは都心のど真ん中を歩きます。高層ビルだけでなく、有栖川宮公園や毛利庭園など緑あふれる癒やしの空間が随所に残るこのエリア。街を代表する六本木ヒルズや国立新美術館などに加え、幕末から明治期の歴史を感じる寺や神社などもぜひ巡りたい。最後は山王祭で知られる山王日枝神社に参拝して締めくくっては。
名物グルメの食べ歩きも楽しみな大久保コリアンタウンに始まり、戸山公園の豊かな自然を楽しみ、伝統建築にふれる木組み博物館や名門・早稲田大学、文教地区の歴史を今に伝える永青文庫や鳩山会館など、明治から現在までの文化の変遷を楽しむ散歩コース。