目印らしい目印がない駅

今回の待ち合わせ場所連載が「目黒駅」と聞いたとき、正直なところ、私は頭を抱えた。『目黒区美術館』や『東京都庭園美術館』に行くときなど、目黒駅を利用する機会は多いのだが、待ち合わせ場所となるようなモニュメントや目印があったかというと、全く思い出せない。これまで友人とは「じゃ、JRの中央改札でね」という待ち合わせ方しかしたことがない。そんな目黒駅で、皆はどうやって待ち合わせをしているのか。今回は実際に待ち合わせをしている人に注目して、わかりやすい待ち合わせ場所を探してみようと思う。

みどりの窓口/アトレ目黒1前 ほか【JR中央改札】

そもそも、目黒駅は「目黒」と言いながら、実際は品川区にあるというのは有名な話だ。目黒駅西口を出て、権之助坂を下る途中くらいに品川区と目黒区の境界線がある(ちなみに目黒駅を最寄りとする上述の『東京都庭園美術館』は港区にあり、目黒駅周辺は区界が入り組んだ場所ともいえる)。私を含め、多くの人が待ち合わせ場所に利用していると思われるJR中央改札口横には、目黒区と品川区の境目であることがよくわかる区報のラックが設置されており、待ち合わせの目印としてもよい。

JR中央改札横に置かれた区報。両区の境目に置かれている……わけではない。
JR中央改札横に置かれた区報。両区の境目に置かれている……わけではない。

中央改札付近にはみどりの窓口や、

改札を出てすぐのところにあるのでわかりやすい、みどりの窓口。
改札を出てすぐのところにあるのでわかりやすい、みどりの窓口。

ショーウインドウ、

季節ごとにディスプレイが変わると思われる。
季節ごとにディスプレイが変わると思われる。

駅ビル「アトレ目黒1」の入り口などもあり、それぞれ待ち合わせ場所として利用されているようだ。

暑い時期ということもあり、見たところ「アトレ1」入り口での待ち合わせが最も多かったようだ。
暑い時期ということもあり、見たところ「アトレ1」入り口での待ち合わせが最も多かったようだ。

宝くじ売り場/電話ボックス/駅前交番/屋上庭園(アトレ1)【東口】

中央改札を出て右に進むと、東口に出る。東口近辺では、宝くじ売り場や、

東口を出てすぐのところにあるコンパクトな宝くじ売り場。
東口を出てすぐのところにあるコンパクトな宝くじ売り場。

3連の電話ボックス、

駅側に設置された3連の電話ボックス。どこを使うかによって性格がわかりそう。
駅側に設置された3連の電話ボックス。どこを使うかによって性格がわかりそう。

目黒駅前交番などが待ち合わせの際の目印として便利だ。

道が分からない時などは、待ち合わせをしながら尋ねることもできるだろう。
道が分からない時などは、待ち合わせをしながら尋ねることもできるだろう。

なお、「アトレ1」には屋上庭園があり、天候が良い季節には待ち合わせ場所として利用するのもよいかもしれない。

「アトレ1」の屋上庭園はベンチやテーブルなども多く設置されており、天気が良い時などは便利に使えそうだ。
「アトレ1」の屋上庭園はベンチやテーブルなども多く設置されており、天気が良い時などは便利に使えそうだ。

一方、中央改札を出て左側が西口となる。西口には東急目黒線・東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線乗り換えのための入り口があり、コンパクトでかわいらしい看板の下で待ち合わせをしている人もいた。

西口の乗り換え連絡通路入り口。異なる路線を使って来る人たちの待ち合わせには便利そうである。
西口の乗り換え連絡通路入り口。異なる路線を使って来る人たちの待ち合わせには便利そうである。

アトレ目黒2/目黒セントラルスクエア【JR正面口】

目黒通りを挟んだ反対側には、「アトレ目黒2」に直結したJR正面口がある。この正面口付近で待ち合わせをするならば、アトレ目黒2の入り口や、

正面口はJR東急目黒ビルの1階にあり、商業施設「アトレ2」も入っているため、買い物をしながら待ち合わせもできそう。
正面口はJR東急目黒ビルの1階にあり、商業施設「アトレ2」も入っているため、買い物をしながら待ち合わせもできそう。

隣接する目黒セントラルスクエアのエントランス「文化の広場」に設置された芸術的なベンチなどが利用しやすい。

オフィスや店舗などが入った目黒セントラルスクエア。
オフィスや店舗などが入った目黒セントラルスクエア。
曲線で構成された石のベンチは多くの人に利用されているが、上ったりすると危険なためか、夜間0~6時の使用は禁止されている。
曲線で構成された石のベンチは多くの人に利用されているが、上ったりすると危険なためか、夜間0~6時の使用は禁止されている。
目黒通り側に設置されたベンチにも多くの人が座る。
目黒通り側に設置されたベンチにも多くの人が座る。

目黒駅は先に挙げたように、JR山手線の他に東急目黒線、東京メトロ南北線、都営地下鉄三田線が乗り入れており、JR正面口からは各路線の連絡改札口へ向かうことができる。

JR山手線のホームから、こちらの東急連絡改札に出ることができる。
JR山手線のホームから、こちらの東急連絡改札に出ることができる。
一方、東急目黒線、南北線、三田線の改札。
一方、東急目黒線、南北線、三田線の改札。

この連絡改札口付近は比較的広いスペースが取られており、天候に左右されない待ち合わせ場所として便利である。このスペースの中では、東急線の券売機付近のお忘れ物承り所も目印になるが、

東急のお忘れ物承り所は少し奥まったところにある。
東急のお忘れ物承り所は少し奥まったところにある。

2026年8月31日までは東急電鉄の「のるるんのタイムスリップジャーニー」というスタンプラリーが実施されているため、専用のディスプレイなどもあって楽しめる。

2026年夏のスタンプラリーは東急線の今と昔がテーマのため、懐かしい写真なども飾られる。
2026年夏のスタンプラリーは東急線の今と昔がテーマのため、懐かしい写真なども飾られる。
駅員さんお手製と思われる、見る角度によって昔と今の行先が比較できる行先表示板などもあった。
駅員さんお手製と思われる、見る角度によって昔と今の行先が比較できる行先表示板などもあった。

一番心を掴まれた、「公衆電話の跡地」

しかしこの連絡改札付近で私の心を一番掴んだスポットは、「公衆電話の跡地」である。

横にあるポケモンの自販機がひときわ目立つだけに、より寂しさが際立つ公衆電話の跡地。
横にあるポケモンの自販機がひときわ目立つだけに、より寂しさが際立つ公衆電話の跡地。

以前『さんたつ』連載のコラム「さんぽの壺」でも取り上げたことがあるが、公衆電話は近年撤去される方向にあり、ここ目黒駅も例外ではない。この連絡改札の棚は、明らかに以前は公衆電話がズラリと並んでいたはずの場所で、がらんとした様子に一抹の寂しさを覚えてしまった。

冒頭で「目印らしい目印のない目黒駅」と書いたが、自分なりのキュンとくるスポットを見つけて待ち合わせをしてもいいのかも知れない。

イラスト・文・撮影=オギリマサホ

「待ち合わせ」、それは情緒あふれる響きである。ところがスマホが浸透した現在、ひとは特に「待ち合わせ」をしなくても、なんとなく会えるようになってしまった。それでも駅に行けば、今日も多くの人たちが、誰かを待っている。皆はなぜ駅で待ち合わせるのだろう、そして駅のどこを目印にすれば相手に会えるのだろう。複数の地下鉄路線が乗り入れている商業の中心地、オシャレなイメージの強い銀座駅で、おすすめ待ち合わせスポットを探っていきたい。
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