ショップは地場産業を発信する場でもある。
ショップは地場産業を発信する場でもある。
ショップに並ぶ、葛飾区伝統工芸士による江戸押絵羽子板。
ショップに並ぶ、葛飾区伝統工芸士による江戸押絵羽子板。

「柴又は東京で唯一、国重要文化的景観に選定されている地域です。その理由や魅力を、より深く知ってもらえたら」と話すのは、施設の運営を担う副統括責任者の近藤裕之さん。3フロアある施設には、ショップやカフェのほか体験コーナーもあり、地域の歴史と文化に気軽に触れられる。パネルや映像による葛飾柴又の文化的景観の展示では、柴又の地形的特徴や交通の要衝としての成り立ちを解説。情緒ある景観が生まれた秘密を学べる内容で、見応えたっぷりだ。

パネルや映像で伝える葛飾柴又の文化的景観の展示。
パネルや映像で伝える葛飾柴又の文化的景観の展示。
堀切の醸造所・きちブルーイングのクラフトビール800円もカフェコーナーで味わえる。
堀切の醸造所・きちブルーイングのクラフトビール800円もカフェコーナーで味わえる。

観光案内の窓口や、地場産の野菜を使った軽食や地域の醸造所によるクラフトビールも味わえるカフェ「JIN−甚−」など、街歩きの途中に立ち寄る場所としても最適。貸出施設である多目的ホールも貸出時以外は開放されており、ちょっとした休憩場所として気軽に利用できるのもうれしい。建物の前に広がる公園ではイベントも実施予定で、ここでキッチンカーが出店しステージを用意したオープニングイベントは大盛況だったという。「楽しみにしていたという地元の方がたくさん来てくださいました。街の景観を守っていこうという地域の人々の思いを強く感じます」と近藤さん。

この日の体験コーナーでは切り絵ワークショップを開催。
この日の体験コーナーでは切り絵ワークショップを開催。

映画『男はつらいよ』の第一作では、作中で寅さんの妹・さくらの結婚披露宴が行われた場所としても知られる「川甚」。地域の人々にとっても人生の節目を過ごした思い出が宿る場所で、新たな歴史が始まっている。

住所:東京都葛飾区柴又7-19-14/営業時間:9:00~18:00(貸出施設は9:00~21:00)/定休日:第3火(祝の場合は翌休)/アクセス:京成電鉄金町線柴又駅から徒歩7分

取材・文・撮影=中村こより
『散歩の達人』2026年9月号より