「日本のサグラダファミリア」とも言われる駅でどう待ち合わせするか

横浜。言わずと知れた日本有数の港町であり、約376万人の人口を擁する大都市でもある。中心駅である横浜駅には6社11路線が乗り入れ、1日約200万人の乗降客数は新宿、渋谷、池袋に次いで日本4位を誇る。

ところで私は、生まれてこのかた横浜駅で待ち合わせをした経験がない。絶対に迷うという確信があるからだ。市営地下鉄の出口(これだけで11カ所もある)を除いても8カ所の出口があり、どちらが東か西かもわからない。3代目となる横浜駅が現在の場所に昭和3年(1928)に開業して以来、たえず改修工事が行われており、「日本のサグラダファミリア」と言われているとかいないとか。横浜市のホームページに駅構内案内図が載っている(※)というのも、他自治体ではあまり例がなく、横浜駅の複雑さをあらわすエピソードである。私のような人間でも待ち合せられる場所が、横浜駅にはあるだろうか。そのヒントになるのが「芸術作品」である。

赤い靴はいてた女の子像/「少女」像

歴史ある横浜駅には、さまざまな場所に印象的な銅像が設置されている。中でも一番待ち合わせに使われていそうなのが、B1中央通路にある「赤い靴はいてた女の子像」だ。

山下公園にある「赤い靴はいてた女の子像」のミニチュア版として制作され、横浜駅に設置された。
山下公園にある「赤い靴はいてた女の子像」のミニチュア版として制作され、横浜駅に設置された。

中央通路はJR、京浜急行、東急東横線、相鉄線それぞれの改札口に面し、東口と西口とを結ぶ通路とあって、絶えず多くの人が行きかう。その中でちょこんと座っている女の子の像は目印として役に立っている。残念なことに像自体が小さいので、待ち合わせの人に埋もれて姿を見ることができない。

像自体が小さく、人だかりで見えないため、ガス灯風の照明を目印にするとよい。
像自体が小さく、人だかりで見えないため、ガス灯風の照明を目印にするとよい。

この中央通路の東口(横浜ポルタ側)寄りには、佐藤忠良作の銅像「少女」もたたずんでいる。

作者の10歳の孫娘をモデルに制作されたという少女像。行き交う人の中、心もとなげにたたずんでいる。
作者の10歳の孫娘をモデルに制作されたという少女像。行き交う人の中、心もとなげにたたずんでいる。

「青少年に愛と希望を」・「宇宙と子どもたち」/「水浴の女」像/「あら今日は」像/「マドロス少年の像」

一方、横浜駅で最も多くの銅像が集まっているのは西口エリアだ。まず西口を出てすぐ、ジョイナス前に2体の女性像が立っている。

西口のブロンズの方の女性像「青少年に愛と希望を」。台座部分には常に誰かが腰掛けている。
西口のブロンズの方の女性像「青少年に愛と希望を」。台座部分には常に誰かが腰掛けている。
西口の金の方の女性像「宇宙と子どもたち」。2体の像は少し離れたところにあるが、一度並べてみたい。
西口の金の方の女性像「宇宙と子どもたち」。2体の像は少し離れたところにあるが、一度並べてみたい。

片方はブロンズ、片方は金ではあるが、何となく似た雰囲気なのは、作者が同じ井上信道だからだろうか。ここからぐるりとロータリーを一周すると、『横浜ベイシェラトンホテル』前にはエミリオ・グレコの「水浴の女」像が、

水浴の女は全国に同様の像があるとのことで、ぜひ制覇してみたい。
水浴の女は全国に同様の像があるとのことで、ぜひ制覇してみたい。

モアーズ付近には「あら今日は」像が、

工藤健の手によるこの作品は、設置された1985年当初は高島屋前にあったが、現在はモアーズ近くに移設されている。2026年5月現在は工事中により周囲に立ち入ることはできなくなっている。
工藤健の手によるこの作品は、設置された1985年当初は高島屋前にあったが、現在はモアーズ近くに移設されている。2026年5月現在は工事中により周囲に立ち入ることはできなくなっている。

モアーズ前には「マドロス少年の像」がある。さながら横浜彫刻の駅美術館といったところだ。

モアーズ前のひときわ目立つマドロス少年像。こちらも絶えず誰かの待ち合わせ場所となっている。
モアーズ前のひときわ目立つマドロス少年像。こちらも絶えず誰かの待ち合わせ場所となっている。

ジョイナスの森/「よこはまの詩」/「太陽とこども」

彫刻鑑賞をしながら待ち合わせをしたい欲が高まってきたなら、そのままジョイナスの屋上に上ろう。「ジョイナスの森」と名づけられた屋上庭園があり、

地上からは見えないが、開放的な庭園が広がるジョイナス屋上。
地上からは見えないが、開放的な庭園が広がるジョイナス屋上。

著名な彫刻家による作品が点在している。気候の良い時の待ち合わせ場所としては最適だ。

ジョイナスの森には6点の彫刻作品が展示されており、こちらは彫刻家・柳原義達作の「道標・鳩」。
ジョイナスの森には6点の彫刻作品が展示されており、こちらは彫刻家・柳原義達作の「道標・鳩」。

横浜駅にある芸術作品は銅像ばかりではない。大きなレリーフも印象に残る。中央通路から東口地下街に向かう階段上には、「よこはまの詩」と題されたレリーフがある。

こちらも超大作、幅17.3m・高さ2.5mの井手宣通作「よこはまの詩」。文明開化の香りが漂う。
こちらも超大作、幅17.3m・高さ2.5mの井手宣通作「よこはまの詩」。文明開化の香りが漂う。

また東急東横線・みなとみらい線地下3階コンコースには、力強い太陽が印象的な絹谷幸二作「VIVA YOKOHAMA」が設置されており、待ち合わせ場所としても目立つ。

見るだけで気分が上がる、陽気な色遣いの「VIVA YOKOHAMA」。作品内には協賛の崎陽軒の文字も見える。
見るだけで気分が上がる、陽気な色遣いの「VIVA YOKOHAMA」。作品内には協賛の崎陽軒の文字も見える。

一方、以前は中央通路に設置されていた大作「太陽とこども」は、駅の改築に伴い2017年に取り外され、その一部が相鉄線改札に向かう通路に展示されている。

かつては幅15m・高さ4mの超大作であった利根山光人「太陽とこども」。現在は、象徴的な黒赤の母子の顔を中心に一部が展示されている。
かつては幅15m・高さ4mの超大作であった利根山光人「太陽とこども」。現在は、象徴的な黒赤の母子の顔を中心に一部が展示されている。

今後また全体部分が飾られるとのことで、どこにどのような形で掲げられることになるか、楽しみに待ちたいと思う。

横浜駅西口警備派出所/横浜駅相鉄口交番/からくり時計(そごう)/SOUTH COURT

横浜駅は、駅前交番もまた芸術的である。西口を出てすぐのところにある横浜駅西口警備派出所は、レンガ造りの趣ある建物だ。

横浜駅西口警備派出所。よく見ると細かいデザインが凝っている。
横浜駅西口警備派出所。よく見ると細かいデザインが凝っている。

また、横浜駅相鉄口交番はカラフルな壁画で彩られ、相鉄キャラクター「そうにゃん」があしらわれている。

相鉄口交番。2026年3月、2027年に横浜で開催される国際園芸博覧会に合わせ、横浜市の花であるバラをモチーフにしたイラストにリニューアルされた。
相鉄口交番。2026年3月、2027年に横浜で開催される国際園芸博覧会に合わせ、横浜市の花であるバラをモチーフにしたイラストにリニューアルされた。

この交番は割と近い位置にあるため待ち合わせの時に混乱しそうだが、「レンガの交番」「そうにゃんの交番」と呼び分けることで間違いは防げそうだ。

ここまで、「芸術作品」に注目して横浜駅の待ち合わせ場所を見てきた。それ以外にも、横浜駅の有名待ち合わせ場所は何か所かある。その一つが、東口そごう入り口の「からくり時計」だ。毎正時になると「イッツ・ア・スモールワールド」に合わせて各国の人形が踊る姿が見られたが、老朽化により現在は時計のみとなっている。

今はもう動かないからくり時計。もう一度見てみたいものである。
今はもう動かないからくり時計。もう一度見てみたいものである。

それでも多くの人が、恐らく現在でも待ち合わせの時には「そごうのからくり時計の前ね」と言っている気がする。

冒頭に述べたように、横浜駅では日々改修工事が進んでいる。それに伴い、新しい待ち合わせ場所も誕生している。JR北改札を出た北通路には、防災情報が映し出される巨大モニターが設置されている。

防災に関するさまざまな情報が流れる。
防災に関するさまざまな情報が流れる。

待ち合わせをしながら防災についての知識を得るのもいいだろう。また、JR南改札から中央南改札へ向かう構内通路にある商業施設「ecute EDITION Yokohama」には、広々とした待ち合わせスペース「SOUTH COURT」がある。

広々としたスペースにベンチが置かれ、待ち合わせ場所としても便利そうなJR南口改札内のSOUTH COURT。シンボルとして、「Bump woods」と名付けられた植物が設置されている。
広々としたスペースにベンチが置かれ、待ち合わせ場所としても便利そうなJR南口改札内のSOUTH COURT。シンボルとして、「Bump woods」と名付けられた植物が設置されている。

日々進化し続ける横浜駅で、芸術作品を楽しみながら、新しく待ち合わせ場所にできる場所を探してみるのも楽しいかもしれない。

イラスト・文・撮影=オギリマサホ

※:横浜駅構内案内図(横浜市ホームページ
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/kotsu/tetsudo/saku-seibi/yokoturo.files/0022_20250122.pdf )

「待ち合わせ」、それは情緒あふれる響きである。ところがスマホが浸透した現在、ひとは特に「待ち合わせ」をしなくても、なんとなく会えるようになってしまった。それでも駅に行けば、今日も多くの人たちが、誰かを待っている。皆はなぜ駅で待ち合わせるのだろう、そして駅のどこを目印にすれば相手に会えるのだろう。美術館や博物館へ向かう人、商店街で楽しむ人など、さまざまな目的で利用する人々が行き交う“北の玄関口”上野駅で、おすすめ待ち合わせスポットを探っていきたい。
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「待ち合わせ」、それは情緒あふれる響きである。ところがスマホが浸透した現在、ひとは特に「待ち合わせ」をしなくても、なんとなく会えるようになってしまった。それでも駅に行けば、今日も多くの人たちが、誰かを待っている。皆はなぜ駅で待ち合わせるのだろう、そして駅のどこを目印にすれば相手に会えるのだろう。大型商業施設や飲食店などが密集する町田駅で、おすすめ待ち合わせスポットを探っていきたい。
「待ち合わせ」、それは情緒あふれる響きである。ところがスマホが浸透した現在、ひとは特に「待ち合わせ」をしなくても、なんとなく会えるようになってしまった。それでも駅に行けば、今日も多くの人たちが、誰かを待っている。皆はなぜ駅で待ち合わせるのだろう、そして駅のどこを目印にすれば相手に会えるのだろう。オシャレなショップが立ち並ぶ自由が丘駅で、おすすめ待ち合わせスポットを探っていきたい。