LUCENT COFFEE
穏やかな酸味の浅煎りですっきり
拭い切れない眠気を払いたい朝は、美しい果実味がふんわり舞うアイスのラテがうってつけ。絶妙な配合でコーヒーらしさも残しながら、ミルクがまろやかに全体を包む。焙煎は飲んだ時の質感を重視し、例えばエチオピアはさらっとスムーズに、コスタリカは柔らかくしっかりめの口当たりに。豆の種類は時季によって変わるが、コスタリカは主に浅煎りで、ドリップコーヒーにするとほのかに甘みが漂い、じわじわ浸透する。店は2019年7月にオープンしたばかり。常連客が自転車を横付けし、「いつもの」をテイクアウトする光景はすでにおなじみだ。
BY&BY coffee and bar
朝活で初めての味にチャレンジ
自慢のカフェラテを柱に、バリスタの江川未来さんによる工夫満載のアレンジコーヒーがずらり。どれにしようか迷ったり、シーズナルメニューに挑戦したり、初体験の味を掘り下げるのも朝活として有意義なひとときだ。自家製レモネードを使ったエスプレッソレモネードは、今夏から新たに仲間入り。ベースはブラジルとコロンビアを使ったオリジナルブレンドで、落ち着いた味わいの深煎りになっている。レモンの酸味と合わさると、対比効果でコーヒーの香ばしさをより感じられて不思議。朝の澄んだ空気の中、五感を開放して味わいたい。
COFFEE VALLEY
豆の個性を思う存分に堪能できる贅沢
目当ては、店舗の3階で焙煎したスペシャルティコーヒー。その時々で状態のいい豆を仕入れ、特長に合わせて焼き方などのレシピを調整している。店頭には浅煎りと深煎りを揃え、日替わりで豆をチョイス。訪れるたび異なるテイストを味わえるのも、通いたくなる理由の一つだ。夏の朝にぴったりなのは、エスプレッソトニック。よその店ではスライスしたレモンを添えて酸味をアクセントにするところもあるが、こちらはコーヒーが元々持っている果実味を活かす。そのシンプルさとシュワッとした炭酸が、寝ぼけ眼をパッと目覚めさせてくれる。
Kanda Coffee 本店
文化とコーヒーの香りに包まれて
本の街、また文化の発信地としても知られる神保町にあり、近隣の住民や学生、オフィスワーカーなど、幅広い層から愛される地域密着型。焙煎を行うのは朝で、ジャズが流れる店内でマスターの石毛弘幸さんが豆と向き合う。その音と香りに包まれつつスペシャルティコーヒーを飲んでいると、束の間、別世界にいる気分。豆は午前と午後で切り替わるが、豆の個性と甘みがより感じられる浅煎り、芳醇な味わいとフレーバーが残る深煎りが用意され、いずれかを選べる。気さくなスタッフたちと交わすコーヒー談議も大きな醍醐味。
取材・文=信藤舞子 撮影=鈴木奈保子
『散歩の達人』2020年8月号より